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もし子供に「ねぇ、なんで日本代表はコロンビア代表に勝てたの?」と聞かれたら

こんにちは、守屋です。

もしもサッカー少年に「ねぇ、なんで日本代表はコロンビア代表に勝てたの?」と聞かれたらどんな風に答えれば子供でも分かりやすく伝わりやすいのか、分析記事やNHKワールドカップアプリなどを利用して説明したいと思います。

使用する参考記事・アプリ

林舞輝の日本代表テクニカルレポート第1回:日本対コロンビア

日本代表はなぜ勝てた? 西野朗とペケルマン、両監督の策で追う勝負の分かれ目【コロンビア戦/ロシアW杯】


NHK 2018 FIFA ワールドカップ

※あくまでも分析記事を参考に、筆者が実際に試合をチェックした個人的見解ということをご了承下さい。

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ユウタ少年「ねぇ、なんで日本代表ってコロンビア代表に勝利することが出来たの?相手が一人退場したから?」

おじさん「それもあるかも知れないね。でも、それだけじゃないんだよ。まず、前評判ではコロンビアが圧倒的有利と言われていたけど、日本が開始3分でPK獲得、得点。そしてコロンビア選手の退場。この展開は日本、コロンビア、どちらも想定してなかったシチュエーションっていうのは分かるかな?」

ユウタ「うん!だって試合が始まってすぐに退場になるなんて思わなかった!でも日本はその後、コロンビアが10人になって攻撃していたのにコロンビアに前半の終わりFKから得点されたけど…人数多いのに何で失点したの?」

おじさん「本当にその通りだよ。まずコロンビアも本来であれば積極的にプレスをかけてボールを回収し、日本の穴はどこか探りながらプレーしていく予定だったかも知れない。

でも【失点+退場】という想定外の状況に対して守備が崩壊すれば日本に追加点を許してしまう。だから前半の最重要タスクは【前半を0-1で折り返す】という意識を組織で共有したんだよ。」

ユウタ「でも、さっきも言ったけど日本が攻撃していたにも関わらず得点が取れずに、逆に失点したのは何でなの?」

おじさん「まず日本は【リード+数的優位】という状況の中、前半をどう終わらせるか?というのを全員で共有出来ていなかった。」

ユウタ「どういうこと?」

おじさん「もし、ユウタくんがコロンビアの監督だったら人数が少なくなって選手が混乱している状況で

すぐに同点に追いつけ!
前線からプレッシャーに行け!

って言う?」

ユウタ「言わないよ。だって失点が怖いし始まったばかりだから無理する必要ないって思うかな。」

おじさん「そうだよね。コロンビアとしては間違いなく怖いのは失点。じゃあ日本はリードしているわけだから失点を怖がっているコロンビアに対してどうすればよかったと思う?」

ユウタ「2点目を入れるか…そのまま1-0で前半を折り返す!」

おじさん「じゃあその2つのうち、もっとも安全だと思うのはどっちかな?」

ユウタ「1-0で前半を折り返すこと。」

おじさん「そうだね。0-0なら数的優位だから攻撃する必要はあるけど、1-0という状況であれば焦って攻撃する必要はないはず。

でも柴崎選手がリスクの高い縦パスを入れたり、両サイドバックが上がっていきボール奪取されるって場面があったの覚えているかな?」

ユウタ「確かにあったかも!じゃあ…どうするのが正解だったの?」

おじさん「それはディフェンスラインでボールを回しつつコロンビアがプレスをかけてくるかどうか探りの状態を続ければよかったんだよ。」

ユウタ「どういうこと?」

おじさん「コロンビアは失点をしたくないから前からプレッシャーをかけない。じゃあ日本もリードしているから後ろでボールを回していれば良かった。」

ユウタ「どうやって?」

おじさん「相手のシステムが4-4-1になり人数が少ないことを考慮すれば吉田選手と昌子選手、柴崎選手と長谷部選手で三角形を作り、両サイドの長友選手、酒井選手とボールを動かしていればコロンビアは無理が出来ないから極めて奪われる可能性が低い状態を維持出来たはず。」

ユウタ「でも、もしボールを奪いに来たら?」

おじさん「その時は必ずどこかに数的不利の状況が生まれるから、そこから攻めればリスクが低く攻撃することが出来たんだよ。でも日本は状況を考えずに果敢に縦パスを入れて攻撃しようとしたから…」

ユウタ「コロンビアに簡単に奪われちゃったってことか。」

おじさん「そういうことだね。」

ユウタ「なんとなく分かった!でも、失点したけど…それは何で?」

おじさん「コロンビアは10人で普通にプレーすれば人数が足りないからさっきも言ったように失点をしない守備に重心を置く。じゃあ、人数が関係ないプレーって何かな?」

ユウタ「セットプレー!」

おじさん「そう。つまり前半でコロンビアは同点に出来る可能性があるのは、セットプレーという数的不利が関係ない状況を作り出すことしかないんだよ。

だからボールを奪ったら日本のエリアでファールを貰えれば人数が関係ない状態で勝負できるっていうこと。」

ユウタ「キンテーロが決めたフリーキックってそういうことなの?」

おじさん「絶対ではないけど、選手が一人退場して混乱している中、失点したくないコロンビアにとっては前半、得点できる唯一の戦略はセットプレーだったと考えるかな。

コロンビアの選手が日本のPA付近で痛がってレフェリーが笛を吹いてくれればラッキーだと思っていたかも知れないね。

そしてそのセットプレーから得点が生まれて同点になったわけだから、コロンビアとしては最高の前半の終わり方だったと感じたはずだよ。

ユウタ「そうなんだぁ。なんとなく分かったかも!じゃあ後半は?どうしてPKを決めた香川選手を交代させてプレーも遅いしパスミスも多かった本田選手を投入したの?」

おじさん「もちろんパスミスは良くないプレーだよね。でも、選手の投入にはメッセージがあるんだよ。例えば本田選手のイメージと言えば?」

ユウタ「ケイスケホンダ、身体が強い、なんか土壇場で決めそう、ボールキープできそう、足遅い。かな?」

おじさん「大体合っているかな。(笑)そう、ユウタくんでもイメージできるように本田選手を投入することは他の選手たちに【本田投入=プレースピードを遅くする】というメッセージが込められているんだよ。」

ユウタ「じゃあ西野監督はプレーしている選手に対して、本田選手を投入することで何をするのか伝えたってこと?」

おじさん「監督の声が選手に届かなくても、どんな選手が投入されるかによってその意図が分かるときってあるよね。

もしユウタくんがプレーしているチームで、試合中に監督が長身のFWを投入したらどんなメッセージがあると思う?」

ユウタ「その選手に合わせるようなボールを蹴り込め!ってメッセージかな。」

おじさん「そうだよね。蹴り込んでヘディング、もしくはセカンドボールを拾って攻めよう!というメッセージが分かるよね。それと同じように本田選手の投入は周りの選手に【プレースピードを遅らせる】というメッセージになったんだよ。」

ユウタ「そういうのって分かるものなの?」

おじさん「ハーフタイム中に話していた可能性は高いよね。それに本田選手も西野監督からの指示でサコがつなぎに参加しすぎていたので、西野さんとしてはイチかバチか中にいさせたいという、その伝言はしました

と言っているから本田選手の投入は香川選手のアタッキングサードでのドリブル、体力面、ボールキープ、ボールを貰えない状況で大迫選手が下がってパスを貰うシーンが多くなることは、得点(勝ち越し)という役割に集中できないことを考慮してという交代になるかな。

もちろん後半25分という時間帯を考えても、ハーフタイムでコロンビア守備陣が組織として立て直し、安易な縦パスを入れてボール奪われてカウンターになってしまうリスクを考えての一手だったかも知れないね。」

ユウタ「でもケイスケホンダ、ミス、多くなかった?」

おじさん「たしかにそうだね(笑)でも、その辺は本田選手の経験値から修正できる許容の範囲と考えていたかも知れないよ。」

ユウタ「ふーん。あ、コロンビア代表のハメス・ロドリゲス選手、後半14分に投入されたけどあれはどうしてなの?体調良くなさそうだったけど…何で使ったの?」

おじさん「コロンビア代表ホセ・ペケルマン監督の頭の中では、勝ち点の数字を大きくしたいと考えたかも知れないね。」

ユウタ「それって引き分け狙いじゃなくて、勝ちに行くってこと?」

おじさん「そういうことになるね。数的不利でも守備の陣形を整えれば守ることは出来る。そして奪ったらカウンターを仕掛けられる。

そんなときにハメス選手を軸に攻撃すれば勝ち越せると思っていたかも知れない。」

ユウタ「ハメス・ロドリゲスって凄いもんね!」

おじさん「そう、ボールを持たせたら確実に日本にとって脅威。

でも明らかに本調子じゃないことは監督も理解している。バランスを考えれば守備への貢献度が低いハメス・ロドリゲスを投入することはリスクになるものの、攻撃を考えた場合は勝利を引き寄せることになる。」

ユウタ「でも、調子が悪いって分かってたら普通は出場させないんじゃないの?」

おじさん「普通だったらそうだよね。でも、あのコロンビアサポーターの大観衆、そしてハメス・ロドリゲスが【コロンビアの星】と国民から呼ばれている。

もしユウタくんが監督だったら出場させずにベンチに座らせておけるかな?その決断をして、もし負けたら国民からハメス選手を投入したなかったと戦犯扱いされるんだよ。」

ユウタ「…無理かも。」

おじさん「ペケルマン監督にしかその時の心理は分からないけど、あくまでも勝ち点3が欲しかったこと、ハメス選手が国民の期待を背負っていることを考慮して決断したかも知れないね。」

ユウタ「でも、交代したのは得点したキンテーロ選手じゃなかった?なんで得点したのに代えたの?」

おじさん「キンテーロは素晴らしい選手だけど、あくまでも前半のようにセットプレーしか攻撃のプランが無い場合は有効打になる。そして守備のバランスを考えても必要な選手。

でも、通常通りの攻撃の中で決定的な仕事をしてくれる選手では無いかも知れない。

だから一か八か守備のバランスを崩してでも勝利が欲しかったからハメス・ロドリゲスの投入だったんじゃないかな。初戦だし勝ち点1より3という欲が勝ったかも知れないね。」

ユウタ「じゃあ柴崎選手を代えたのは何で?やっぱり怪我の影響?」

おじさん「それは一つあるだろうね。でも、本来は長谷部選手と山口蛍選手を交代させたかったんじゃないのかな。」

ユウタ「なんで?」

おじさん「まず柴崎選手は状態が良く、コロンビアにとっては脅威になってたから最後まで攻撃の起点となる選手を残しておきたかった。

交代させるのであれば長谷部選手と交代させ、守備を固めるものの完全に守りに入るという姿勢を見せたくなかった部分もあるんじゃないのかな。」

ユウタ「でも、怪我の可能性もあったから交代?」

おじさん「そうなるね。だからコロンビアからしたら日本がボールをダラダラ回すだけで時間稼ぎをする可能性が高いと読み、プレスにいくポイントだけ絞ってボールを回収することに専念できる時間帯に入ったってことだよね。」

ユウタ「じゃあ岡崎選手の投入は?」

おじさん「後半40分という時間帯、大迫選手の役割が攻撃より守備重視となることを考えたら走り回れる岡崎選手がこの時間帯では効いてくる。

どこまでもボールを追いかけてくれる選手って心強いと思わない?」

ユウタ「後ろの選手からすると凄く助かるよね!」

おじさん「そういうこと。あとはアディショナルタイムも含めた時間を守り切れば日本の勝利だから一生懸命に

【1対1で負けない】

【ボールを追いかける】

【不用意なミスをしない】

だけ頑張れば良かったということだよ。」

ユウタ「それで日本が勝ったんだね!でも、今の話を聞いていると、もしコロンビアが退場者がいなかったら…日本ってどうなってたの?」

おじさん「たらればを考えることも大事だけど、ときに理屈では言い表せない展開になってしまうのもサッカー。【仕方ない】とか【運が良かった】と片づけてしまうのは簡単。

でも重要なのは再現性の低い試合。つまりは奇跡や運頼みにするのではなく、勝つ可能性を高くするための準備をチームとして成熟させること。

だからどの国も組織力を高めて何度も勝利が出来る状態、再現性を高めるために選手に厳しい戦術の決まり事を要求するんだよ。」

ユウタ「じゃあ日本も勝つ可能性を高くするための準備をチームとしてやっていたの?」

おじさん「そうだね。ハリルさんっていう海外の優秀な監督を呼んで3年間やっていたけど…まぁこの話は長くなるからまたにしようね。」

ユウタ「うん!でも試合を細かく分析するのって面白いね!」

おじさん「そうだね。それにおじさんが言ったことが全て正解では無いし、実際にはピッチで行われている選手、そして監督が考えていることはもっとシンプルかも知れないし複雑かも知れない。でも、自分で考えて分析したり考察するのは凄く楽しいんだよ。」

ユウタ「うん、戦術分析も面白いし、交代選手のメッセージもそんな風に考えて送り込まれるんだっていうのが分かったような気がする!」

おじさん「そうそう、人の意見だけを鵜呑みにするんじゃなくて自分で考えるようになるのが一番楽しいよ。」

ユウタ「24日のセネガル戦も色んなこと考えながら見てみる!ありがとうおじさん!で、おじさんって誰?」

おじさん「通りすがりのおじさんだよ。」

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