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【ミカタをつくる広報の力学】 #31 広報DXは適材適所

今回は、昨今話題になっているDXについて書きたいと思います。
皆さんの会社でもDXについて検討し、広報のDX化についても言及されていることでしょう。
社内広報やオウンドメディアについても書いていきます。


※初めての方は、「#00 イントロダクション」をお読みいただくと、コンセプトがわかりやすいかと思います。


そもそもDXとは何なのか

そもそもDX(デジタルトランスフォーメーション)とは何なのか。

経済産業省が示したガイドラインによると以下のように書かれています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」

ざっくり言うと「業務や組織のプロセスにデジタル技術を活用して、ビジネスモデルを変革しよう」ということで、2018年の策定当時と大きく異なるのは、「ビジネス環境の激しい変化」に「ウィズコロナ」が含まれることくらいでしょうか。

問題は、目的として文末に書かれている「競争上の優位性」です。
経産省が唱えているので市場競争をテーマにしていますが、ウィズコロナの今となっては競争優位だけでなく、感染対策を含めた多くの課題解決に寄与しており、DXの活用は企業や部門によって様々でしょう。

様々なだけにDXにも「適材適所」が必要で、「全員社内にいるのにウェブ会議」のような笑い話は避けたいところです。
では広報にはどんなDXが必要なのか、考えてみたいと思います。


広報DXはリモート記者会見?

コロナ禍の広報で一躍話題となったのは「リモート記者会見」です。

緊急事態宣言が発出され、リアルでの人との接触を回避して、リモートワークが普及し、広報担当もメディアの記者も、出来るだけ対面しない取材を望んでリモート記者会見が実施されました。

リモート記者会見にはメリットもデメリットもあり、私の周囲でも一長一短、様々な意見が聞かれました。

そもそもの目的が接触を避けるためなので、最大のメリットは感染予防なのですが、「製品の現物に触れることができない」という大きなデメリットも同時に抱えていました。
一方で、記者サイドからは「同時に複数の会見に参加できる」といった好意的な意見もあったようです。

最近では、リアル取材が必要なものには感染予防対策を徹底して会見し、オンラインの方が効率的なものにはウェブ会議システムを活用するというように、それぞれのメリットを活かしてケースバイケースで開催しているようです。

正に「適材適所」ですね。


広報におけるDXとは

リモート記者会見について書きましたが、これはコロナ禍で目立っていたというだけで、実は広報は、かなり前からDXが推進されているのです。

テレビは地デジに、新聞も電子版が発行され、雑誌を含めたクラスメディアもオンラインが主流になる時代。
PRの訴求ターゲットであるマスメディアが随分前からオンラインに移行し始めていたのですから。

広報メディアのDXで最たるものといえばSNSです。
広報誌を配るよりもSNSで情報発信した方が、双方向のコミュニケーションを直接的につくることができます。

記者会見はリアルだったものがオンラインに移行したことで目立った施策にはなりましたが、広報にとって本当に必要なDXは、ソーシャルリスニングが可能となるSNSの存在であるといえます。

IRも採用広報も、ほぼすべての書類が電子化され、コロナ禍で面談もリモート化されていると思いますので、それほどDXを気にする必要はないと考えます。

ですがあえて、DXで見直したほうが良いものを一つ。
それがオウンドメディアです。


オウンドメディアをDX

オウンドメディアといっても様々。
上で書いたIRや広報サイトはDX済みだと思うので、今回ご提案するのはホームページ社内メディアです。

リモートワークが普及すると直接の会話が減るので、ウェブで調べることが多くなります。取材や得意先からの問い合わせなども含めて、連絡する前にホームページを見る機会が増えるということです。

そのときに出来るだけ確かな情報を提供するページになっていないと、大切なコミュニケーションのチャンスを逃してしまいます。もちろんSNSなどからの流入経路も重要なので、この機会に再度見直すことをお勧めします。

次に社内メディアです。
コロナ禍でリモートワークが増えた社内では、コミュニケーションが減少しているのではないでしょうか。

広報担当にとっての社内コミュニケーションは、一方的に発信する社内広報だけではありません。社外に発信するニュースソースを集めるためにも、各部署との対話が重要になってきます。
この機会に社内ネットワークを見直し、オンラインで気軽に会話できるシステムを構築してみるのも一つの方法かもしれません。

4月から新入社員が入ってくる企業にとっては、社内広報を見直すタイミングでもありますので、オウンドメディアこそ広報DXの適材適所ではないでしょうか。


おわりに

今回のコラムは、新年度が近いということで、広報DXの適材適所について考えてみました。

DXのように情報が氾濫してくると、何をすべきか分からなくなってしまいますが、目的を中心に整理して、適材適所で考えていきましょう。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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ではまた次回お会いしましょう。



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