見出し画像

【ミカタをつくる広報の力学】 #39 noteとSEOと検索ワードの話

前回はDXについて触れましたが、今回はデジタルコミュニケーションで重要な「SEO」について書きたいと思います。
私のnoteコラムの事例もご紹介しながら、SEOと検索ワードの関係について紐解いていきますので、ブランディングやPRにおけるウェブ戦略にもお役立てください。


※初めての方は、「#00 イントロダクション」をお読みいただくと、コンセプトがわかりやすいかと思います。


なぜSEOが必要なのか

「SEO」とは「Search Engine Optimization」(サーチ・エンジン・オプティマイゼーション)の略で、日本語では「検索エンジン最適化」と訳され、「検索エンジンから高く評価されるサイトづくり」の方法論を指します。
言い換えれば「検索エンジンをミカタにする」方法。

PR的には、「検索エンジンに対するメディアリレーション」と捉えると分かりやすいかもしれません。メディアリレーションの際にメディアインサイトを理解するように、検索エンジンのインサイトを理解することが重要です。

そもそも検索エンジンは「情報検索するためのポータルサイト」なので、情報を探している人の役に立たないと意味がありません。
検索者の役に立つサイトかどうか評価する指標を「検索アルゴリズム」と呼んで、Googleなどではガイドラインも公表されています。

時に検索エンジンは、ユーザーや世の中のニーズに合わせて評価軸を変えることがありますので、変化するアルゴリズムと照らし合わせながらサイト構造を見直していくのもSEOの役割です。

基本的にはサイトへの流入を狙って、コンテンツとサイト内外の構造を最適化していきます。

コンテンツの内容が充実していて、サイト内のアクセシビリティが高く、外部からの流入も多いサイトが高評価を得ることになり、検索結果の上位に表示されると、多くの人にアクセスされるようになります。

いたって簡潔に書きましたが、実はそこまで単純な話ではありません。
ここまでは検索エンジンから評価されるために自身のスペックを高めるという話。

受験でもそうですが、自分の学力を上げるだけでは合格することはできません。検索結果の1ページ目、10件程度の狭き門に入るため、ライバルとの競争がはじまります。

ここで重要になってくるのがSEOのもう一つの側面、「検索キーワード」です。


検索キーワードはニッチに絞り込む

検索すると10万件以上ヒットするような言葉を「ビッグキーワード」(ビッグワード)と言います。
逆に、そこまでたくさんヒットしない言葉を「スモールキーワード」(スモールワード)と言います。

ビッグワードは、ヒットも多ければ検索される率も高い、いわば高倍率で人気のあるキーワードになります。つまりマーケティングでいう「レッドオーシャン」に近く、「ターゲットも多いが競争相手も多い」という状態。
逆にスモールワードはあまり人気が無いので、「ターゲットも少ないが競争相手も少ない」という状態です。

どちらにするか、という二者択一の話ではありません。

現実的には、1単語でのヒットではなく「複数語の掛け合わせ」でヒットを狙います。掛け合わせたキーワードのことを「ニッチキーワード」(ニッチワード)と言います。

例えば「広報」はかなりのビッグワードです。検索すると2億件以上ヒットします。「広報計画」になると約9000万件まで絞られますが、まだビッグワードですね。
これが「年間広報計画」になると、約1700万件まで絞られます。
まだビッグですが「広報」と比べて1割以下にまで小さくなりました。

このくらいまで絞られると、当コラムの「#23 年間広報計画をつくろう」も1ページ目に表示されます。
タイトルと本文1行目に「年間広報計画」というワードが入っているのも、拾いやすい理由かもしれません。
もちろんハッシュタグにも「#広報」や「#年間広報計画」のワードを入れています。

今度は2語の例。
「工場見学」で検索すると、様々な企業の工場見学のページが4400万件以上ヒットしますが、「広報」をプラスして「工場見学 広報」で検索すると、1割以下の約400万件になります。
「工場見学」だけで検索したときとは違って広報関連のページもヒットし、当コラムの「#14 工場見学の「見える化」効果」も1ページ目に表示されます。

手前味噌な例で恐縮ですが、どちらも「ニッチワードに絞ってターゲットの範囲を狭めたことで、広報関連の検索にヒットしやすくなった」分かりやすい例かと思います。

これらの事例は、検索されやすさと絞り込みのバランスやタイトルなどにも工夫をしていますが、「noteがSEOに強い」ということも重要なファクターだったりします。
試しに「note SEO」で検索してみてください。その強さの秘密について書いているサイトが相当数ヒットしますので。

※上記のヒット件数はいずれも、2021年5月時点のGoogle検索によるものです。


noteでもニッチキーワードを活用しよう

noteというプラットフォーム自体がSEOに強いのであれば、noteの記事に対してキーワードによる最適化を進めればさらにヒット率が上がるはず。

「ターゲットを決めて記事を書こう」、「タイトルは内容が分かるレベルで簡潔に」、「ハッシュタグを活用しよう」など、note記事のキーワード対策はたくさん存在しますが、ここではニッチキーワードのつくり方について書きたいと思います。

PRパーソンは新聞などのメディアから毎日新鮮な情報を取得していることと思いますが、一つはその中から時流に絡んだビッグワードをチョイスすることです。

昨今のビジネス関連でいえば「DX」や「ニューノーマル」、「脱炭素社会」、「SDGs」などが該当するでしょうか。

ビジネス用語なので比較的寿命が長いですが、広い意味でのバズワードと言って良いかもしれません。

そのビッグワードと掛け合わせるのは、その記事で訴えたいテーマです。

上記の例で言えば、「広報」も「工場見学」もビッグワードですが、掛け合わせることで「広報施策として工場見学を実施したい人」が検索するようになるのではないでしょうか。

「広報」というビッグワードに対しては、「工場見学」という体験イベントを指定することによって、「目的」をそれ以外の広報施策と区別
「工場見学」というビッグワードに対しては、「広報」という業務領域を指定することによって、「対象」をビジネスユーザーに絞り込んでいます。

キーワードの数を増やすほどニッチ度が増して絞り込まれていきますが、
あまり絞り込むと検索する人がいなくなってしまうのでバランスが重要なのです。


おわりに

今回は、SEOとニッチキーワード、noteでの活用などについて書きました。要約すると、バズワードと自社のテーマを絡めたニッチワードで検索効果を高めようということです。

今週は芸能人の結婚発表があったので、SNSでは企業アカウントからも関連ネタが配信されましたが、芸能ニュースの寿命はとても短いので、乗る際はお早めに。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
共感してもらえましたら、スキやフォローをいただけると励みになります。

ではまた次回お会いしましょう。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?