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【ミカタをつくる広報の力学】 #55 認定登録でミカタをつくる

今回は認定登録を活用したブランディングについて書きたいと思います。

というのも、先日、東京都主催のセミナーに参加した際に、「心のバリアフリー」サポート企業募集の話を聞いたから。本日は「都民の日」でもありますので、少し東京寄りの話ですがお付き合いください。


※初めての方は、「#00 イントロダクション」をお読みいただくと、コンセプトがわかりやすいかと思います。

※このコラムでは、認定登録時に発行された書類として、一部画像を使用しています。


認定登録をブランディングに活用

「認定」と似た言葉に「認証」というものがありますが、大雑把に言うと、人や組織に「○○する資格がある」と認めるのが「認定」、モノや状態に「○○の条件を満たしている」と認めるのが「認証」、といった感じでしょうか。

「認定」の例としては、「資格認定」や「要介護認定」など人に使われるものが、「認証」の例としては、最近話題の「感染防止対策認証」や「ISO認証」など、人以外の店舗や工場、モノなどに付されるものが多いかと思います。

今回お話しするのは「認定」の話。
つまり人や組織、団体等が「○○に認定されました」というプレスリリースを出す話です。

上記に書いたように「認証」は、条件を満たしている「現在の状態」を担保するものですが、「認定」は現在確認できる条件によって「未来の能力」を担保しています。

つまり「認定を受ける」ということは、「当社は○○の資格を得ました」ということの発表だけでなく、「今後は○○をしていきます」ということの意思表明にもなるわけです。

新しく何かを始めるときのリリースにおいては自発的な宣言やプロジェクトが発表されますが、「認定を受けた」という事実があれば、第三者の客観的なファクトとして活用することもできます。

もちろんペーパーライセンスでは意味がありませんが、行動を伴った上での認定登録であれば、プロフィールにお墨付きをもらうようなものなので、ブランディングへの効果が期待できます。


ソーシャルグッドな認定がおすすめ

国策として推奨されているSDGsに関連して、環境や福祉といったソーシャルグッド関連の認定が増えているので、登録ハードルは様々ですが、選択の幅があって選びやすく、社会的な価値として発表もしやすいかと思います。

冒頭で触れた「心のバリアフリー」サポート企業というのは、東京都がバリアフリーに対する社会的気運の醸成を目的として、意識啓発に努める企業を登録する制度で、私の事務所MOON-LABOもサポート企業として登録されています。

登録に際しては、心のバリアフリーに関する取り組みとして、「どのような意識啓発をしてきたか」を申請して審査してもらいました。
内容としては、ユニバーサルマナー検定を受けていることやアクセシビリティに配慮した制作実績などであったと記憶しています。

結果、公式サイトの「サポート企業一覧」に掲載され、下の画像のような登録証をいただきました。

心のバリアフリー登録証


私自身、コミュニケーションのバリアフリーについて自発的に活動してきただけなのですが、東京都の事業に応募して登録されたことで、行政機関による客観的な評価を得たことになります。

SDGsの目標でいうなら「10.人や国の不平等をなくそう」や「11.住み続けられるまちづくりを」が該当する他、そもそもの大前提が「誰一人取り残さない」ということなので、SDGs取り組み企業として表明することもできます。

現在も募集しているそうなので、東京都内に事業所がある企業様は応募してみてはいかがでしょうか。

詳しくはこちらから。

ちなみに東京都の「心のバリアフリー」には、サポート企業の他に「好事例企業」の募集もあります。

そちらは具体的な取り組み内容を審査されるものなのですが、点字付き名刺なども採用されていましたので、大掛かりなものに限らずシンプルな取り組みでも応募してみる価値がありますよ。

東京都の宣伝はこのくらいにして(笑)
他の自治体でも同様の事業を展開していますので、道府県や区市町村のホームページで検索してみてください。
中央省庁の認定事業でも、厚生労働省が実施する「子育てサポート企業」の「くるみん認定」など、ソーシャルグッドなものがありますので、各省庁も検索することをおすすめします。


認定登録のPR方法を考える

認定資格を得た後は、それを公表してブランディングやPRに活用していきましょう。

私の場合は個人事務所なので、つながりのある皆様への一斉配信とプロフィールへの記載くらいでしたが、もう少し規模の大きな企業の場合は様々な展開が考えられるかと思います。

例えば、コンサルタントや士業に多いですが、保持している資格をすべて名刺に記載している方がいます。
初対面の会話として名刺に書いてある肩書や資格について語るのはオーソドックスな方法。そのときに行政の認定資格が記載されているなら、信頼性のある第一印象が形成できるでしょう。

もちろんプレスリリースを打つのも一手。
その際、シンプルに「認定を取得しました」と発表すると取材を獲得するのは難しいですが、「認定されたので○○をします」というように、取材対象になるようなイベントと共に発表することで取材の可能性が高まります。

取材に限らず、認定事実だけの場合はネタとしての面白みが無いため、出来るだけ活動内容と併せた情報発信が重要。
このことは、ウォッシュやペーパーライセンスと思われない工夫にもつながりますので、ぜひとも心がけたいところです。

面白みという意味では、オウンドメディアでコンテンツ化しても良いかもしれません。
認定取得までの道のりをドキュメンタリーとして追いかけたり、認定を得るためのウェビナー動画を配信したり、オウンドメディアであれば自由に展開できますので、活用の幅も広がります。

認定登録という事実を証書1枚で終わらせずに、動きを持たせることで、
血の通ったブランディングになっていきます。


おわりに

今回は、認定登録という制度をPRに活用する方法について書きました。

ブランディングの本質としては「意志と行動」があれば成立するのですが、
それを補足するためのイメージや肩書きとご理解いただければと思います。

私自身の経験を例に出して説明したので、東京の話が中心になった上に、
自慢話のようになってしまいました(笑)

私の肩書きでいうともう一つ「PRSJ認定PRプランナー」というものがあるのですが、こちらは広報に携わる人には縁があるものなので、いずれ書きたいと思います。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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ではまた次回お会いしましょう。



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