少年とおじさん

これは先週の月曜日、GWも明け、家でオンライン授業を受けていた時の出来事。

外から小学校低学年の少年とその祖母らしき人の話し声が聞こえた。  
なにやら、雑草を刈っているようだ。

なぜ、平日なのに小学生がいるのだろうか。
僕は会話の内容が気になり、耳をすましてみた。

少年 「つまんないなあー。なんか面白いことないかなあー。」

祖母 「じゃあばあばの仕事やる?」

少年 「やだ~。続かないから。もっと楽しいことしたい。」

祖母は複雑そうに声を上げて笑う。

祖母 「でも、家で1人でじっとしているのはいやだろう?」

少年 「うん!一人はつまんない!二人だったらいいけど!」         
この会話を家で一人で聞いている僕は胸を締め付けられる。

「何の話をしてたんですか?」                     少し離れたところから男の声が聞こえてきた。祖母は先ほどの話を説明し、話を聞いた男は笑った。
聞いているとその男は家族ではなく、近所のおじさんのようだった。

少年 「自転車のおじさん!なんて名前なの?」

おじさんは名前を答える。

少年 「へぇー自転車の椅子直してくれたけど、ずっと自転車いじってるの?」

名前を聞いといてその反応は無いんじゃないか、少年よ。と僕は心の中でつぶやく。

おじさん 「いいや、昔は消防士だったんだよ。これは趣味。」

少年 「そうなんだー。消防車かー。」

おじさん 「いや消防士だよ!」
ナイスツッコミだ。

少年 「あはは。消防車だったらトランスフォーマーになっちゃうもんね!」                                    まさか少年、わざとボケたのかと僕は内心驚いた。

〜数分後〜

少年 「やだ!僕がやる!」

どうやら高いところにある木の枝を自分で切りたくて駄々をこねているようだ。

そういえば、僕も少年と同じくらいの年の頃、自分でできるということを大人にアピールしたいと思う時期があった。他人に少しでも口出しされたり、思い通りにいかないとイライラしていた。

大人はなぜ邪魔をするんだろう。と本気で思っていた。

今、振り返ると、自分はくだらないこだわりを持っていたわがままなガキだったのだと思う。だからといって、全部が全部大人が正しいというわけではないだろう。

おじさん 「危ないから!ちょっと降りろ!」

少年 「へへん!僕だってやればできるもんねー!」

おじさん 「降りろって言ってるだろ!!なんで言うことを聞かないんだ!」

少年 「だってつまらないんだもん。」

おじさん 「じゃあ学校に行きなよ?友達いるでしょ?」

少年 「…やだよ。学校つまらないもん。あ、てんとう虫だ!」

おじさん 「じゃあてんとう虫でもいじっとけ!」

僕はクスッと笑ってしまった。
少年の純粋に楽しいことを追い続ける気持ちを見習わないといけない。                 少年の童心に気づかされた。

あーあ、課題やらなきゃなあ。

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