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【コメディ】突進!オチャタチョチャタチョ星

SHINE de SHOW初のコラボが実現!
「prokipalace time~声で遊ぶ~」というチャンネルで私たちと同様オーディオドラマ制作をしている「演劇ユニット プロキパレス」さんとコラボさせていただきました。
今回「プロキパレス」さんからは女優のサトウリカさんが参戦!
オチャタチョシリーズ第3弾の難しい早口言葉に挑戦していただきました。

前回、爆発音でついに終わったかに見えた本シリーズ。
だがなんと二人は生きていて、気がつくとそこは……
さらに難易度を増した早口言葉の高い壁が立ちはだかる。
彼らは無事早口言葉の世界を生き延びることができるのか!!!
あなたもぜひご一緒に!

*************
▶ジャンル:コメディ

▶出演

  • 船長:斎藤充崇(東北新社)

  • 操縦士:美濃部裕里香(オムニバス・ジャパン)

  • 女将:サトウリカ(プロキパレス)

▶スタッフ

  • 作/演出:山本憲司(東北新社/OND°)

  • プロジェクトマネージャー:大屋光子(東北新社)

  • プロデュース:田中見希子(東北新社)

  • コラボ協力:たか(プロキパレス)

  • 収録協力:オムニバス・ジャパン

▶コラボ情報

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『突進!オチャタチョチャタチョ星』シナリオ

登場人物
 船長
 操縦士
 女将
 お綾

船長「ん? ここは……」
操縦士「船長? ……船長!」
船長「お前! 何だその格好は!」
操縦士「せ、船長こそなんですか。そのパジャマみたいな格好は」
船長「パジャマ……? 赤パジャマ黄パジャマ茶パジャマ、一体どれのことだ」
操縦士「赤パジャマでも黄パジャマでも茶パジャマでもどれでもないですよ」
船長「いまパジャマと言ったではないか」
操縦士「どちらかというと……青パジャマですかね」
船長「青パジャマか。赤パジャマでも黄パジャマでも茶パジャマでもなく青パジャマなんだな」
操縦士「赤パジャマでも黄パジャマでも茶パジャマでもなく青パジャマです。そんなことより船長、何を頭に乗せてるんですか?」
船長「あたま……? こ、こ、これは、ちょんまげではないか!」
操縦士「へえ~、それが有名なちょんまげですかー、初めて見たー」
船長「(ここから時代劇言葉)感心しておる場合か。お前も妙な髪型をしておると思ったら、なるほど合点がいったぞ! ここは江戸時代か!」
操縦士「江戸時代……?」
船長「日本の江戸時代じゃ」
操縦士「船長、言葉まで変わってます」
船長「一体全体拙者らの身に何が起きたというのじゃ」
操縦士「はあ。左様ですね。長い時間をかけ、はるばるアンドロメダ座の空虚な究極危険区域区画宇宙空域にまで行った私たちなのに」
船長「うむ。はるばるアンドロメダ座の究極危険区域区画宇宙空域にまで行ったというのにな! ハッ! これはまさかカナダ・グラナダの攻撃!」
操縦士「あの爆発で時間と空間を?」
船長「タイムリープしたというのか!」
操縦士「マルチバースかもしれません」
船長「マルチバース! まったく! 近頃マルチバースとタイムリープばやりじゃな」
操縦士「流行ってるんですか?」
船長「知らんけども」
操縦士「それにしても、ここはたいそう賑やかな通りでございますね」
船長「うむ。よい香りがする。そういえば腹が減ってきたな」
操縦士「そこの茶屋などいかがでございましょう?」
船長「うむ。(座って)どっこいしょと。(気づく)……うん?」
操縦士「いかがされました?」
船長「(耳元でささやく)隣の客を見てみるがよい」
操縦士「うわっ。はぁー、よく食べますねえ」
船長「まったくじゃ。隣の客はよく柿食う客じゃ」
操縦士「隣の客はよく柿食う客ですね」
船長「よく柿食う客じゃ」
操縦士「あ、隣に飛脚が座りました!」
船長「うむ。客が柿食や飛脚が柿食う。飛脚が柿食や客も柿食う。客も飛脚もよく柿食う客じゃ」
操縦士「まったくです。客が柿食や飛脚が柿食う。飛脚が柿食や客も柿食う。客も飛脚もよく柿食う客です」
船長「しかし柿の腹ではないな」
操縦士「あ、そこの餅はいかがでしょう?」
船長「餅か」
操縦士「大皿の上におおよもぎ餅。小皿の上にこよもぎ餅が」
船長「いや、拙者は……よい」
操縦士「どちらか選んでください」
船長「何を」
操縦士「どうぞ」
船長「だからー、おおよもぎ餅、こよもぎ餅、どちらの餅かをか?」
操縦士「はい。おおよもぎ餅、こよもぎ餅、どちらの餅かです」
船長「拙者は……甘味よりも食事がしたい」
操縦士「それなら船長、こちらのメニューを」
船長「生麦生米生卵生マナガツオ生馬生うなぎ生まぐろ。全部生ではないか。読んでみよ!」
操縦士「えーと、生麦生米生卵生マナガツオ生馬生うなぎ生まぐろ。たしかに全部生です!」
船長「生は食いたくない」
操縦士「ならばこちらの火を通したものはいかがです?」
船長「うん? あぶりカルビあぶりワラビあぶりタラバガニか」
操縦士「はい。あぶりカルビあぶりワラビあぶりタラバガニです」
船長「高そうなメニューじゃ」
操縦士「値段が書いてありますよ。規格価格か駆け引き価格か結局価格が破格か的確かが問題ですね」
船長「規格価格か駆け引き価格か結局価格が破格か的確か? ふん。そんなもの気にするな」
操縦士「それじゃあ──」
女将「(割って入る)お綾やお湯屋に行くと八百屋にお言い!」
船長「おや、誰じゃ?」
操縦士「ここの女将では?」
船長「お綾というのはあの娘か」
女将「お綾やお湯屋に行くと八百屋にお言い! お綾や!」
操縦士「あのー、お綾や!」
船長「関わるでない」
操縦士「おふくろさんが怒ってらっしゃいますよ。お綾や親にお謝り」
女将「これはお客様どうも」
操縦士「いえいえ。船長からも言ってやってください」
船長「せ、拙者も? なにゆえ」
操縦士「船長」
船長「お綾や親にお謝り」
女将「お綾や、お客様もそうおっしゃってるじゃないか。お綾や!」
お綾「ごめんなさい」
船長「うむ。よい子じゃ」
女将「どうもお侍さま、お恥ずかしいところをお見せしちまって」
船長「いやいや、子育ては大変ですな」
女将「今日はとりわけ忙しくって」
船長「それはなにゆえじゃ」
女将「通りの向こうにのぼりが見えますでしょう?」
船長「あー……ありますな」
女将「読んでみてくださりませ」
船長「ちょっと眼が霞んで……お前が読むがよい」
操縦士「え、私ですか?」
船長「よいから」
操縦士「えー、新進ジャズシャンソン歌手総出演新春シャンソンショー」
船長「ああそう書いてあったのか」
操縦士「いやいや、船長にも読めてるでしょ」
船長「う……ん?」
操縦士「どうぞ」
船長「口に出して読む必要なかろう」
操縦士「どうぞ」
船長「新進ジャズシャンソン歌手総出演新春シャンソンショーじゃ。なんで拙者が読まねばならんのじゃ。大体そなたが読めばよかろう」
女将「お侍さま、あたしゃ何度も読んでますんで」
船長「さあ」
女将「えー」
船長「さあ、さあ、さあ!」
女将「……では。新進ジャズシャンソン歌手総出演新春シャンソンショー。でございますね」
船長「よいじゃろう。しかしなにゆえ江戸時代にそのような出し物をやっておるのじゃ」
女将「何をでございますか?」
船長「新進ジャズシャンソン歌手……もうよい!」
操縦士「時空がゆがんでいるからでは?」
船長「そうかも知れぬな。ああ、いささかめまいがしてきた」
女将「お侍さま、ならばいかがです?」
船長「うん?」
女将「茶たばこのむ?」
船長「茶たばこ……」
女将「茶たばこのんでたばこ茶のむ? 茶たばこたばこ茶茶たばこのむ?」
船長「茶たばこのまんたばこ茶のまん。茶たばこたばこ茶茶たばこのまん」
女将「ふん! そうかい」
船長「行ってしもうた。現金なやつじゃな。おい、どうした」
操縦士「あれは……誰でしょう?」
船長「わからぬ。拙者にはもうここが江戸なのかそもそも日本なのかもわからぬ」
操縦士「船長。目を凝らしてご覧ください」
船長「なんじゃ」
操縦士「船長、あの魔術修業中魔術師のようなパグ抱く白髪です」
船長「何? いかにもパグを抱いておるな。魔術修業中魔術師のようなパグ抱く白髪! 妙に気になる存在だ。む、もしやあの後ろ姿はは私の宿敵、カナダ・グラナダ──!」
   突然地鳴りがする──
船長「うわっ、地震か!」
操縦士「ゆ、揺れています!」
船長「こういうときは高架橋橋脚の下に隠れねば!」
操縦士「船長、こんな場所に高架橋橋脚などありません!」
船長「うむむむ、おかしい。見よ! 慌てておるのは拙者どもだけではないか」
操縦士「たしかに。……ハッ、これは地震ではなく次元の歪みが崩れ始めているのでは!」
船長「なに?」
操縦士「私の仮説が正しければ、これは可逆反応の逆不可逆反応、不可逆反応の逆可逆反応、可逆反応も不可逆反応も化学反応です!」
船長「なるほどそういうわけか! 可逆反応の逆不可逆反応、不可逆反応の逆可逆反応、可逆反応も不可逆反応も化学反応ということだな!」
操縦士「そうです!」
船長「謎が解ければ元に戻れるかもしれん!」
女将「かえるぴょこぴょこ3ぴょこぴょこあわせてぴょこぴょこ6ぴょこぴょこ」
船長「幻だ! すべて幻だ!」
女将「かえるぴゃむぴゃむ3ぴゃむぴゃむあわせてぴゃむぴゃむ6ぴゃむぴゃむ」
操縦士「歪みが耐えきれなくなって壊れかけています!」
女将「かえるみょぴみょぴ3みょぴみょぴあわせてみょぴみょぴ6みょぴみょぴ」
船長「うわーーーー!」
操縦士「うわーーーー!」
女将「ぴょこぴょこぴょこー!」
                              〈終〉

シナリオの著作権は、山本憲司に帰属します。
無許可での転載・複製・改変等の行為は固く禁じます。
このシナリオを使用しての音声・映像作品の制作はご自由にどうぞ。
ただし、以下のクレジットを表記してください。(作品内、もしくは詳細欄など)
【脚本:山本憲司】
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