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ピーナッツ×チョコは無敵。

本日ご紹介するケーキは〈ラバル〉。
このケーキのテーマは〈チョコレート×ピーナッツ〉。
好きなナッツは何?と聞かれれば、即答で〈ピーナッツ〉と〈ヘーゼルナッツ〉と答えます。そのくらい両者は好きなナッツ。
フランス菓子はアーモンドと大きな関わりがあるので、〈アーモンド〉と言いたい所ですが、今は上記2つで(笑)。
ちなみにピーナッツはフランス語で2つの単語があり、食べるナッツを指すときはcacahuète / cacahouète〈カカウェットゥ〉、ピーナッツアレルギーのように“植物”を指すときは arachido〈アハシッドゥ〉。ちょっとややこしいんです。
そんな大好きなピーナッツなのですが、米国ではピーナッツ(落花生)は、鶏卵、牛乳と並ぶ3大アレルゲンのひとつとされていて、そばアレルギーと同様に微量でもアナフィラキシーを引き起こしやすいアレルゲンなので、私としてはやはり、厨房で使う事に少し躊躇ってしまいます。レシピに〈入れる・入れない〉に関わらず、厨房で使用すれば〈コンタミネーション=混入〉の危険性も出てくるので。
ですが、このケーキを心待ちにしてくれている常連様がたくさんいて、そして実は私もこのケーキのファンなので、1年に1度は食べたい!
なので、本日より期間限定での復活販売と致します(笑)!
あまり長い期間ではないかも?
今後も〈オマージュ〉〈フランボワジエ〉〈シャルロット〉〈バニーユ〉など、たくさんのケーキが入れ替わりで登場予定なので、気になる方はお早めに。

〈ラバル〉

先程も書きましたが、この〈ラバル〉は〈チョコレート×ピーナッツ〉の〈シンプルで王道〉な組み合わせ。
なので、あまりそれ以外の余計な物は足していません。
この名前の時点で、当店のオープン当初からの常連様はピンッときてるかも?ですが、実はこのケーキ。オープン当初に販売していた物をリメイクした物なんです。
以前にも書きましたが、当店のオープン当初は〈ショートケーキ〉や〈シュークリーム〉、〈プリン〉〈モンブラン〉等の定番商品ばかりが売れ、逆に複雑な構成のムースケーキが全く売れずで。
売れない物はドンドン入れ換えるのが商売の鉄則。なので、自分としてはかなりの自信作であるにもかかわらず、〈お蔵入り〉にせざるを得なかったケーキがいくつもありました。
その中のひとつが〈ラバル オ ショコラ〉。
確か当時はトヨ型で作っていました。それが、今回のケーキの原形。
リメイクするついでに、名前もスッキリと〈ラバル〉に変更しました(笑)。
では、当時その〈ラバル オ ショコラ〉を開発したエピソードを。

進藤洋菓子店をオープンして間もない頃。バレンタインデーに向けて
〈チョコレートメインで、美味しい新作ケーキを!〉
と考えて試行錯誤していた時、子供の頃大好きで頻繁に食べていたお菓子の記憶が、ふと頭の中に降りてきました。
それは“キョロちゃん”でお馴染み〈森永製菓のチョコボール ピーナッツ味〉です。

出展:森永製菓株式会社HPより

コロコロと丸く可愛いフォルムで、口に入れるとミルクチョコのまったりとした甘さが広がり、そしてひと噛みすればカリカリとしたクッキー、そしてその中から風味の良いピーナツが。

〈チョコ×カリカリ×ピーナツ〉の美味しいマリアージュ

本当に大好きだったので、当時から今までかなりの数を食べました。が、金のエンゼルは勿論の事、銀のエンゼルすら当たった事が無く…。むちゃくちゃ〈エンゼル缶〉が欲しかったのに…(笑)。

皆さんご存知かも?ですが、森永チョコボールは当たり付きのお菓子で。チョコを取り出す部分に〈金のエンゼル〉〈銀のエンゼル〉が印刷されている物があり、それが〈当たり〉。金のエンゼルは1枚、銀のエンゼルなら5枚。それをハガキに貼って送れば《おもちゃの缶詰》なる物が貰えるとの事で。子供心に欲しかった~(涙)。

あ、話が逸れてるので戻します(笑)。
そんなことはさておき、目指す構成としては〈ミルクチョコ×ピーナッツ×サクサク〉。
試作に取りかかると、思った以上にそれぞれのピースがスルスルと上手くはまり、それ程時間をかけずに納得のいく上品なケーキになりました。

好きこそ物の上手なれ(笑)

結局、ショーケースに並んでいたのはそれ程長い時間では無かったのですが、未だに熱狂的ファンもいる〈ラバル オ ショコラ〉。それを更に美味しくリメイクし、進化した〈ラバル 〉。

その構成は上から、濃いめに煮詰めた艶々キャラメルのグラサージュ、ミルクチョコレートの軽いババロワ、滑らかピーナッツのクレムー、自家配合のビスキュジョコンド2枚、ごろごろたっぷりローストピーナッツ、濃厚チョコガナッシュ、カリカリサクサクのプラリネフーユチン、サイドに張りつけた板チョコになります。飾りは金箔でゴージャスに。

全体的に見ると〈滑らかで柔らかな部分〉と、〈カリカリ・コリコリとしっかりした歯触りの部分〉の対比が面白いケーキです。縦にザックリとフォークを突き刺して、上から下まで全ての層を口に入れて頂ければ、食感のオーケストラ。
素晴らしいハーモニーが体験できるかと。こちらも〈違いの分かる大人向け〉のケーキですが、比較的幅広い世代の方に気に入って頂けると思います。是非とも、販売期間中にご賞味下さい。

因みに、フランス語の〈ラバル オ ショコラ〉は英語の〈チョコボール〉と同意。フランス語をよく知る方には「バルはもっと大きい球を指す」とお叱りを受けるかも?ですが、そこはご容赦を(笑)。
ではいつも通り、論より証拠。
ご来店、ご予約をお待ちしております。

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