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オープンダイアローグを1年継続しての感想②

前回に引き続き、今回もオープンダイアローグを1年やってみての感想を執筆していきたいと思います。今回はやっていく中で“聞き手として”、“話し手として”感じたことに焦点を絞って書いてみます。

・話し手として

まず、話し手としての変化を考えてみたいと思います。私は立場上ファシリ役が多く、話すことが少ないのですが、自グループや他グループで複数回話す機会に恵まれました。「オープンダイアローグで話すとはどんな感じなの?」という方を想定して感じたことを書いてみたいと思います。
まず、安心安全な空間で穏やかに話を聴いてもらう経験は得難く、複数人に受容されることの安心感と心地よさがあります。自分のモヤッとした話を多くの人が温かく受け止めてくれるということは、とても爽快なことだなぁと感じています。
オープンダイアローグでは、他者から変化を強いられる感じがしないという感触を得ています。例えば、リフレクティングにおいてアドバイスめいた意見が出ても良い感じに“刺さらない”経験をすることが出来ます。とはいえ、何もしないで話を聴いてもらう事ともまた異なり、参加者の声をヒントに自分の考えや欲望を確かめ直したりすることができます。
多人数から多くの質問をされたり、色々な角度のリフレクティングを受けるということはまるで脳内をマッサージされているような感覚でもあります。リフレクティングを受けるとアイディアや話したいことが自然と沸いてくるのは不思議なものです。
話し始める前は程度の差こそあれ、誰でもドキドキするとは思うのですが、一度話して安心感を得ると、出来れば継続して同じテーマ・メンバーで話したくなるなぁと言うことも感じました。

・聞き手として

まず、他人への興味が強くなったと思います。元々人に興味がある方だとは思っていたのですが、オープンダイアローグでは自分では考えもつかない質問が参加者から出ることにより、他者の汲み尽くせなさを実感することになります。話の聞き手は、わかったつもりになっていた自分を結構感じることになるのではないでしょうか。また、他者理解の困難さに直面しながらも他メンバーに支えてもらうことで、新たな視点だったり共同体的な感覚のようなものも持ちやすいのかな、と感じます。
また、自分が質問やリフレクティングする際の言葉遣いがなんとなく変わってきたかなぁ、とも感じています。自分の中の深い所から言葉を選んで質問が出るようになったとでも言えば良いでしょうか。その効果か、日常での誘導やアドバイスなどに敏感になった気もしています。
そして、これは良いことか悪いことかまだ折り合いがついてないのですが、共感の回路が通りやすくなったなぁ、とも感じています。個人的にはあまり共感が得意では無かったのですが(安易な投影などを避けたい)、自然となだらかに共感的になっていったことが意外でした。もしかしたら「共感への怖れ」とでも言うべきものが手放されていったのかもしれません。

・次の1年の目標

次の一年はなによりもまず“楽しく継続する”ことを目標としたいと思っています。続けることは難しいし、楽しく続けることはもっと難しい。この一年、ご協力いただいた皆様のおかげで本当に楽しかった。これはラッキーな奇跡だなぁとしみじみ感じまています。この一年はラッキーパンチではなく、意図的に楽しいグループ活動を行っていこうかなと思っております。

ーオープンダイアローグとはどんなものか?や、感想はこちらー


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