新人がやりがちなビジネス文章の4つのミスと2つの指導法
ビジネス文章の教育に時間をかける理由
普段は製造業に属する企業の新米課長としての気づきや、経験、考察、組織を変えるための苦悩についてnote投稿をしている『ケツアゴ新米課長』と申します。
先日入社3年目の課員が会社に提出するレポートの添削をしていました。
その課員はものすごく優秀なのですが、文章を書くのが苦手なので添削して一緒にレビューをしました。
ビジネス文章どころか基本的な日本語作文すら義務教育では教えてくれません。
だからこそ会社に入ってからの教育が重要なので、文章教育には時間をかけています。
新人がやってしまう文章におけるミス4例
何度も文章を添削する過程で、うちの新人君がついついやってしまいがちなミスに傾向が見えてきましたのでまとめてみました。
①『係り』と『結び』がズレている
これは正確な意味での古文の文法に出てくる『係り結び』ではないのですが、文章のスタート(主語付近)と結び(述語付近)だけを抜粋すると意味が通らないものが多かったりします。
例:製品Aの売り上げが・・中略・・○○の分野で使用されている
これは『○○に使用される分野で売り上げを上げている』と言いたいのですが、『売り上げ』は『使用』されるものではないので文章的にはNGですね。
長々と文章を書いていると、始めに書いた主語と、終盤に出てくる述語の関係が曖昧になってしまいがちです。
1文を読んだ後に『?』マークに出会うような文章に出会ったら、一度中間を全部抜いて主語と述語がちゃんと整合しているかを確認するよう指導しましょう。
②意味が重複する言い回しを使う
これはあるあるレベルですが、短い間に同じ表現が出てくることで、最短距離で伝えたいことを伝えられない原因になります。
例:このテストで判明した事は製品Aが優れていることが判りました。
例:使用される製品Aの使用量は増えています。
これも長い文章を考えているうちに、自分で何を書いたか忘れてしまうことによって出てきてしまうものと思われます。
これは『近くに同じ漢字が出てきたら怪しいと思ってみては?』と指導すると本人も気づきやすいでしょう。漢字は意味からきている文字ですからね。
③同じものを別の言葉で指す
これは1文単位ではなく、書類を作成する中で別の文で同じものを指すときに言葉が変わってしまうミスです。呼び方が変わってしまうと、背景について詳しくないと理解できなくなってしまいます。
例:製品Aは高い硬度を有するが・・中略・・硬さを持っている
例:河野さんにヒアリングを行ったところ・・中略・・とも太郎さんは言っていました
(ヒアリング相手が河野太郎さんという名前の場合)
これは細いことですが、文章を書くのに時間がかかってしまう中で、あるモノのことを何と呼んでいたか忘れてしまう現象です。
こればかりは全体をよく読み直してみるしかないでが、逆に呼び方を統一したほうが文章を考えるときに楽になると指導してみるのも相手の立場に寄り添った指導になるかもしれません。
④理由を後から付け足す
これは完全に文書の順番の問題ですね。ビジネス文章のように論説的に相手に物事を伝えることを目的とした場合、理由が先に来てから事象を書かれなければ混乱を招くことがあります。(細かいことですが)
例:顧客Aは○○のコストについてかなり厳しい目を持っています。実は製品Bの入札で失敗した経験があるからです。
これは文章を書いているうちに『あ、これは解説しておいた方がいいな』と後から思いついて解説を足してしまうことが原因だと思われます。
これはこの後詳しく別の対策を解説しますが、構成を意識して後戻りして書くことが読み手のためになると指導するのがいいかもしれません。
文章力強化指導法①:新聞記事を読む
1日5分でもいいので、ネットで新聞の記事を読むことを勧めています。
『門前の小僧習わぬ経を読む』と言いますが、論説文のお手本である新聞記事に目をなじませることで、表現や構成を自分の中で『当たり前の文章』とすることで自然にきれいな文章が出てくるようになります。
1人暮らしでも少しお金に余裕ができれば日経電子版を取ることを勧めていますが、一部の記事は無料でも読めるので読む練習には事足ります。
ネットニュース文章はお遊びの延長なのでNGです。(エンタメとしてみるなら可)
文章力強化指導法②:プロットを書く
プロットとは、書きたい文章の設計図です。最低限書きたいキーワードを紙に書きならべるだけでもOKです。
バラバラに書いたキーワードでも、書くための順番をふったり、単語同士を矢印でつないで関係性を書くだけでも立派な下書きの代わりになります。
少ないキーワードでプロットが書かれていると、思い付きで後から説明文を付け足すこともなくなれば、同じモノを示す言葉も統一されますね。
まとめ
今日は新人の文書添削にありがちな例をまとめて、それぞれについてナゼそのミスを犯しやすいかを分析し、指導法を紹介しました。
それと合わせて文章力の強化のために部下に習慣化するように指導した方法も2つ紹介しました。
もしこれを読んでくださっているあなたが僕と同じ上司の立場であれば、参考にしてもらえればうれしいですし、他によい指導法があればぜひコメントで教えていただけるとありがたいです。
もしこれを読んでくださっているあなたが新入社員の立場であれば、架空の上司からこうやって指導されたと感じて文章力強化のために行動が変わってくれたらこんなにうれしいことはありません。
こちらの記事は似たテーマの記事を集めた『大企業のリアル』というマガジンにも登録されています。
大企業イメージと実情のギャップに悩みながら奮闘して改善を目指す姿を投稿していますので、もしよろしければこちらもご覧ください。
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