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“あの大失敗”がなければ、私はプロジェクトマネジメントの専門家にはなれなかった

JQの下田です。

前回お話ししたように、「プロジェクトを成功に導くこと」これが私たちプロジェクトマネージャーの仕事です。私は、独立してプロジェクトマネジメント事業を立ち上げてから11年、一度もプロジェクトを失敗させたことはありません。

それは、過去のプロジェクトの失敗を踏まえて、多くのことを学び、プロジェクトの失敗を未然に防ぐマネジメントスキルを磨いたことが大きな要因です。

ちなみに、プロジェクトの成否の重要な要因はその他にも、顧客、開発会社など多くの要因があります。そういう意味では、良い顧客や開発会社に恵まれてきたというのも失敗していない重要な要因の1つです。これまでの顧客や開発会社の皆様には大変感謝しております。

さて、過去のプロジェクトの失敗について。それは大学時代まで遡ります。この失敗体験こそが、私がアクセンチュアに入社した理由であり、私をプロジェクトマネジメントの世界へと導くきっかけとなりました。

大失敗して気が付いた、マネジメントの重要性

当時私は早稲田大学の学生。ネットバブルの全盛期で、その熱に浮かされた学生の一人でした。

「自分も何か頑張ればできるのではないか」と、コンピューターグラフィックス(CG)ができる友人と一緒にCG事業を始めてみました。きっと3DやCGなどの分野は、これからもっと需要が増えていくだろうと。

そんな時に、NHKエンタープライズという会社のディレクターをされている方と、たまたま大学の授業を通して知り合うことができました。事業をやると言っても特にあてもなかったため、思い切ってその方に「何か仕事をください!」と頼んでみたのです。

すると、「いいよ」という返事とともに、BSフジの子供向け番組のオープニングムービー制作の仕事をいただくことができました。

友人と試行錯誤しながら制作を進め、提出期限直前の三日三晩は、本当に一睡もせずに自分たちなりに一生懸命制作しました。なんとか仕上げの段階まで制作を終え、そのテープを持って提出予定日当日にスタジオ入り。プロデューサーの方の前で最終工程作業をしながら完成させていくのですが、ムービーが完成に向かうにつれて、そのプロデューサーの方の顔がどんどん曇って行きます。

そしてついには、私たちに仕事をくださったディレクターさんが廊下に呼び出され...。もう、何を話しているかは聞かないでもわかりますね。案の定、作品はNGで作り直しという指示でした。

そこから必死にできる限りの修正をし、なんとか納品にはこぎつけたものの、私たちのムービーはたった2週間ほどで打ち切りになり、新しい作品へと差し替えられました。

あれほどまでに頑張って制作したにも関わらず、大したものは作れず、さらには周りに迷惑をかけて、自分は一体何をやっているんだろうか。
「メンバーを疲弊させ、お客様にはいいものを提出できず、誰も幸せではない」と、当時の私にとってこの失敗は、本当に悔しく苦い経験となりました。

そして、
「きちんと段取りをし、制作スケジュールを決め、確認フローを組み込み、計画的に実行していれば、きっとこの様なことにはならなかったはずだ!」
と、マネジメント力の必要性を強烈に感じた経験でもありました。

この失敗を経験した私は、「マネジメント力を身につけたい!」と強く決心し、コンサルティングファーム会社の就職活動を進め、アクセンチュアに入社しました。

マネジメントスキルを叩き込んだ7年間

アクセンチュアに入社後は、官公庁本部に配属され、国の行政に関わるプロジェクト推進を行ってきました。行政ということは、国を動かす大規模なプロジェクトが主になります。数多くのプロジェクトに携わる中で、ロジカルシンキング、資料作成力、ファシリテーション力をはじめとするコンサルティングスキル、身につけたいと願っていたマネジメントスキルを身につけることができました。

その一方で、年々募るのは「小さくてもいいから、事業を自分で考えて創り出してみたい」という想い。コンサルティングは「課題解決の方法を考え、その手伝いをする」仕事ですから、自分たちの事業というものはありません。コンサルティングという仕事をすればするほど、その想いは強くなり、起業の選択肢が頭の中で大きくなってきました。

そこに訪れたのが、マネージャーへの昇格です。グループ内第一位という好成績で昇格できましたから、本来であれば喜ばしいことなのですが、役職がついたことで自分としては良い区切りとなり、2007年にアクセンチュアを退職。そしてJQを立ち上げました。

「プロジェクトマネジメント」ポジションの確立を

JQでは現在、得意領域とするプロジェクトマネジメント事業を基盤に置きながら、自社の事業創出やサービスの立ち上げを行っています。これまでにない新しいものを立ち上げ、壁にぶつかりながら解決していくその工程は、想像していた以上に面白い。これはコンサルティングファームでは味わえなかった経験です。

外資コンサルティング仕込みのコンサル力を自社事業に生かし、自社事業で培ったマーケティングやプロモーションから、UI・UX、分析などのビジネス力をプロジェクトマネジメントに生かしていく。2つの事業を持つことで、相互に大きなメリットがあります。

また、JQメンバーには、外資系コンサルティングファーム出身者を中心に、SIer出身者も含めて個性豊かなプロジェクトマネージャー陣が揃っています。

だからこそ、私たちにしかできないプロジェクトマネジメントがあるのです。

前回お話ししたように、プロジェクトマネジメントは非常に重要であるにも関わらず、現在の日本では、そのポジションが重要視されておらず、確立されていません。

私たちJQは、その先頭に立ち、プロジェクトマネジメントというポジションを確固たるものにしていきたい、そう考えています。


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