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看取り~介護と死別を通して得られた家族の絆とは~(23)

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3月6日(日)
日曜のミサに預かってからH神父様に「病者の秘跡」という儀式をしていただいた。最初は病院までタクシーでお連れしようとしたら、神父様は気を使ってくださって電車で行こうとおっしゃったので電車で行った。
到着すると、神父様はお父さんに話しかけられたが、お父さんはぽかんとしていた。僕が神父様に「父は耳も目も悪くて」というと、病者の秘跡を授けてくださった。司が終わって、神父様を見送ろうとすると、神父様は、「道は分かりますので、下河さんはお父さんのそばにいてあげてください」言って頂いたので、お言葉に甘えてそうさせていただいた。
お父さんのそばに行くと、お父さんは大きな声で、「哲也ぁ~!」と言うので僕はびっくりしてしまった。「どうしたのお父さん」と僕が言うと、お父さんは「お布施はいくら払ったんだ?」、聞いてきた。謝礼を渡したのを言ってるらしい。僕は「何だ見えてるの?」と言って大笑いしてしまった。
看護師さんから、お父さんは僕が4時にくると楽しみにしてるといわれた。車椅子に少し座ったらしい。シャツをもっていったら着替えたがっていたので、看護師さんに着替えを頼んで、僕はティッシュを買いにいった。
売店から帰ると座っていた。あとシャツとパンツを頼まれた。吐きけがするらしいので、点滴に薬を入れているといわれた。イヤホンは持っていって、今日は聞いた。

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