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頭がよくなる逆説の思考術


<第1章 人生を破壊する方法>


犯罪者になることなく、自分の人生をダメにしてしまう方法。
・真っ先に自分の損得を考えること。
・他人よりできるだけ多く欲しがること。
・敵になりそうな相手を排除すること。
・他人を色分けする、ランクづけすること。
・際限なく快楽や刺激を求めること。
・自由野放図と解釈し、自分にだけ許すこと。
・面倒なことを他人任せにすること。
・狡猾さを智慧だと思うこと。
・うまくやれる方法を探し求め続けること。
・人づての情報を鵜呑みにすること。
・嫉妬、中傷、嘲笑、攻撃すること。
・苦難を決して引き受けないこと。
・身銭を切らないこと。
・自分にだけ怠惰とだらしなさを許すこと。
・怒ったり叱ったりすること。
・いつもお祭り気分でいること。
・自分を軽蔑すること。
➔人生は壊滅した状態になる。
=何も残せずに虚ろな死を迎える。

🐾快楽追求の行き着くところ

禁欲する。
・度を越した飲酒を断つ。
・悪癖を断つ。
・淫靡な快楽を断つ。
など。

禁欲を苦しいと思う人。
嗜好を自分に禁じる。
➔頭はずっとその嗜好や欲望に耽りたいと思い続ける。
=行動と嗜好のギャップが苦しい。

嗜好を以前より肥大化して考える。
➔苦しみは増すばかり。

禁欲後の快楽。
➔想像していたより卑小。
・落胆して禁欲しなくてもやめてしまう。
・より強い快楽を求めてしまう。

より強い刺激を求める。
➔次に味わう落胆と空虚感はもっと深くなる。

より深い快楽を求め続ける。
➔以前の状態に戻れなくなる。

🐾創造的に生きるということ

人生は提供された機会や可能性の選択に満ちている。
例)
子供のとき)
教育機関や学校を選ぶ。
➔目当ての学校を選ぶために地域を選ぶ。

卒業後)
職種や会社を選ぶ。
➔配偶者を選ぶ。

年配)
退職時期を選ぶ。
➔癌などの治療法を選ぶ。
➔人生の最期には延命措置を選ぶ。

※いつも出来合いのものをチョイスしている。

無自覚に選択している。
➔選択することがまっとうな人生の送り方と思っている。

たくさんの選択肢がある。
✘ 自由
◯ 両脇がフェンスで制限された道

創造的に生きる。
✘ 商品棚の上にあるものを選ぶ。
✘ 与えられた楽しみだけを享受する。
◯ 今までのフェンスの間にはなかったものを自分で創る。
➔物、考え方、生き方など。

🐾貧しい人生とは主体的でない人生

刑務所に入っていなくても主体的に生きていない人。
=日々を服従と反応だけで生きている人。

会社の命令に従う。
=仕事
➔無自覚の服従。

仕事つらいもの。
➔命じられた用事をなんとかこなすことが仕事。
・叱責される。
・ボーナス査定が悪くなる。
=損得計算

したいという意欲から仕事をするわけではない。
➔仕事が苦役になる。

会社の外でも主体的でなくなる。
・相手の言動によって自分の態度、意見を変える。
・問題処理は他人のやり方をマネる。
・広告で流れた商品を買う。
・安いものを買うと得をしたと喜ぶ。
など。

漫然と受け取る。
➔半端に受け流す。
➔服従と反応だけを繰り返す。
=収監されている囚人と同じ。

✘ 人生がつらい。
◯ 自分が自分の人生をないがしろにしている。

🐾動揺しない人生を創る

過剰に反応する。
心にさざ波が立つ。
イライラする。
=心的動揺
➔性格から生まれるものではない。

動揺が生じる原因)
・そのことに負い目がある。
・着手する義務があるのに放置している。
・責任があるのに直視できずに遠ざけようとしている。
・過大な幻想を抱いている。
・秘密にしたがっている。
など。

臆することなく堂々と生きる。
➔動揺させるものを直視する。
=踏み越えた過去の事柄のように小さなものにしてしまう。

🐾活力を新しくするための休止符を

日々の中に休止符が必要。
✘ 昼食時間、休憩
◯ 心をすっかりからっぽにする時間
=喧噪、懸念、思惑、心配、気がかりなどを排除した時間。

仕事や用事から離れる。
➔心がからっぽになっていない。
=休まらない。

心が休まらない。
➔新鮮な強い力も湧いてこない。

生の活力が削がれている人。
=魅力的ではない人。
➔薄暗く、なんとなく雰囲気が濁っている人。

他人を自然と惹きつけられない。
=好機を得られない。

※1日の内に2,3度の休止符の時間を持つことは、豊かに生きるうえで大切なこと。

体を動かさない。
心も動かさない。
感情も動かさない。
=何も考えない。
➔1日15~20分くらいでOK。

休止符の時間を持つ。
➔問題や事案を冷徹にとらえることができるようになる。
=どのように始末していけばいいのか、無理なくわかってくる。

🐾もっと調和の時間を持て

自分が何かと完全に調和しているときは時間の流れをほぼ感じなくなる。

何かと調和していない。
=時間は圧迫するような重さで緩慢にしか動かない。

時間の長さが意識されるとき)
・散漫
・齟齬
・反撥
・焦慮
・食い違い
・非理解
・不同調
・不調和
・敵対
・不安
など。

時間をいつもより短く感じるとき)
・同化
・同調
・協和
・理解
・集中
・専念
・夢中
・一心
・宥和
・感応
・流れ
など。

心や行いが自分と関わるものと合わさる。
➔両者が沿っている。
=物事は上手くいく。

目的が成就される。
・成果、充実、満足
・美しい燃焼
・満たされた静寂
➔もたらされる実り。

調和の喜びは人間として本源的なもの。

※自意識さえ忘れるほどの集中状態になっているときに、人はもっとも生産的になる。

🐾読書のためのアドヴァイス

読んでいる本の中にいつも一冊以上の古典を混ぜておく。
➔文芸、学術書でもOK。
=消えずに残ってきた古典であることに意味がある。

古典を読むのに慣れる。
➔聖書を加える。
=古典の理解が深まる。

多くの古典、西洋文化
=聖書を共通の共用土台にしている。

聖書の内容を知らない。
➔哲学、音楽、絵画の理解が困難になる。

◯ 自分の興味や仕事に通じる本を読む。
◎ 自分の興味から遠い本、嫌ってきた分野の本を読む。
➔新しい発想をするときに意外な影響を与えてくれる。

🐾人のすることにケチをつけるな

「ミィスマッヒャー(Miesmacher)」
日常ドイツ語)
「ケチをつける人、興を削ぐ人」
「何にでも水を差す人」

ミィスマッヒャーこそ悪運の持ち主。
・祝い事を台無しにする。
・人の楽しさや成功を喜ばない。
・明るい日を暗くする。
➔周囲の人々の気分を害する。

✘ 「もう少し冷静に慣れるように心配している」
ミィスマッヒャーの内側にあるもの。
➔怠惰と卑しさで濁ったねたみそねみ。

人にねたみを抱く。
➔望むものを自分の力で得た経験がない。

成功に到達する人。
➔卑しさのない豊かな場所、明るい場所を普段から生きている人。

<第2章 方法論を求めるな>

🐾最期までやり通すことだけが経験になる

手掛けたものはとにかく最期までやり通す。

結果的に不出来になりそう。
➔途中で諦めずに貫徹する。

※終わりを自分の手で締めくくることが重要。

全面的に関わったもの。
➔自分の経験として蓄積される。

下手でもいいから、とにかく今の力でやり遂げる。
➔結果など研鑽せず、夢中に手を尽くす。

🐾才能とは何事かを「為(な)す」ことだ

「才能というものは、その人に生まれつき備わっている」
「才能は血によって遺伝する」
➔根深い迷信

才能とは何事かを「為す」こと。
例)
✘ 絵の才能があるかるから画家になる。
◯ 描いたから画家になれる。
・小説を書いたから小説の才能がある。
・商売を成立させたから商才がある。

何事も為していない。
=何かの才能があるということは絶対にない。

自分に才能を植え付ける。
=何かを為せばいい。
➔徹底してなしとげればいい。

🐾プロフェッショナルとは

自分で必要を見出す。
自分の仕事を通じて自分の能力と個性を生かす。
➔結果として他の人々をも豊かにするほど稼ぐことができる人。

その人自身の存在が仕事と重なって認知されている。
=プロフェッショナル

🐾自分の可能性を狭くしない

各人が固有の性格や性向を持っている。
=妄想や架空の物語を信じること。
➔人はその場においていくらでも変わりえるもの。

状況によってまったく別の対応や行いをしている。
例)
穏やかで知性に溢れたやさしい性格。
➔戦争時には殺人や残虐な行為をする。

人間は性格として固定された存在ではない。
➔他人や自分の性格について、くよくよ思案したりしないほうがいい。

人は何にでもなれる。
➔何でも自由にできる。
=可能性が眼前に開けている。

🐾経験は人を創る

人が後悔する)
何かを行う前の認識と、何かを行った後の認識は別のものになる。
➔経験によって、認識と価値判断が変わる。

※この瞬間、この1日が自分を創造すること。

🐾何事も真剣に関わってはじめて意味が見つかる

物事はただ物事でしかない。

物事にどうか変わるかで意味が変化する。
・中途半端に関わる。
➔何の意味も見いだせなくなる。
・深く真剣に関わる。
➔豊富な意味を見出すことができる。
=人生の意味や生きがいになっていく。

ノウハウ、スキルがどうのこうの。
➔意味やおもしろさは発生してこない。

🐾何かになり続けるのが人間だ

「持つ」ことと「成る」ことはまるで違う。

夢や希望。
例)
・外国船の船長になりたい。
=夢
➔実現する。
・画家になりたい
=夢
➔現実になる。

・雑貨店を持ちたい。
=夢ではない。
➔お金を出せばすぐに持つことができる。
➔すぐに潰れる。
=雑貨店の経営者にはなっていないから。

何かを持つこと。
=可能性を拡げること。
➔可能性を確実にすることではない。

例)
たくさんのお金を持つ。
=事業を立ち上げる可能性を秘めている。
➔事業を実際に立ち上げて成功していくことは関係がない。

何かを持つ。
➔それが自分のものだと思い込む。
=持っている自分は特別な人間だと誤解する。

自分が持っていることにかまけ続ける。
➔自分が何かに成り続けることができない。

何かに成り続ける。
=その人をその人らしくしている。

※人は「成る」ことができるが「持つ」ことはできない。
➔何かに成るという運動を継続している存在が人ということ。

🐾非常識な人間が事を成す

見聞が一種の偏見になる。
➔固定観念になって頭にこびりついてしまう。

世間話の大半。
=常識の相互確認をして安心すること。
➔凡俗な人。

一廉の人物)
凡俗な人たちから変人で奇妙でルール破りに見える。
=自由に考えて行動する。
➔新しい手法で、規制ではない新しい形で、事を成す。

自由な考え方ができるかを知りたがる。
➔そのこと事態が凡俗の最もたるもの。
=ノウハウを知りたがっている。

方法論を知りたがる。
➔既成の確実な道があるはずだと決めつけている。
例)
学校に行く。
=何か役立つことを教えてくれるはずだ。
➔固定観念に縛られたもの。
=自由な考え方の対極にある凡俗性の特徴。

🐾新しいものを生む人間とは

何かを新しいと感じるのはいつも人。
➔新しいものは必ず人造物。
=人に訴える力を持つもの。

新しい感性、新しい生き方や考え方をしている人。
➔斬新なものを生むことができる。

精神がいきいきとしている。
➔年を取っていても新しいものが生める。

🐾注ぎ口の広い容器になれ

自分が活躍できていない。
「自分の頑固さが多くの人を撥ねつけているのではないか?」
➔疑ってみる。

誰かに何かを与えようという気を起こすか?
➔受け取る手を警戒なく開いている人に対して。
誰に包み隠さず話すか?
➔聞いてくれる耳を持つ人に対して。

※どんなに強主張があっても物腰を柔らかくしていることは、少しも矛盾ではない。

理由がある。
こだわりがある。
➔人を撥ねつけている。
=チャンスが注ぎ込まれる口を自ら閉ざしている。

<第3章 小事と大事を区別せよ>

🐾概念に振り回されるな

「概念過多症」
思いの中に概念をいっぱい溜め込んで、その重さにあえいでいること。

例)
幸せという概念。
幸せになりたいと思い続ける。
➔思っている限り、自分が不幸だと思いこむことになる。

他概念)
・お金持ち
・貧乏
・若さや老い
・美醜
・成功と失敗
・男らしさ女らしさ
・一人前、一流、二流
など。

概念語中身がない物。
➔定義できないもの。
=茫漠と輝く言葉であり続けるだけのもの。

🐾「疑念」ではなく「疑問」をもて

疑念を持っているだけ。
➔疑念がはらされることはない。

疑問を言葉にする。
➔対象の姿を明確に把握する。
=疑問に答えを与えることができる。

使える言葉が多い。
➔物事を理解しやすくなる。
=問題を解決する能力が高くなる。

本を読む。
=孤独の中で考える。
➔使える能力は身につかない。

🐾自尊心を棄てよ

理性的である。
=冷静に損得勘定できる状態。
感情的である。
=自尊心が傷つけられたり揺さぶられて動揺している状態。

※やっかいなのは自分の感情ではなく、自尊心。

やっかいな自尊心の中身。
✘ 自分に対しての尊敬。
◯ 自分をよく見せたい、自分の能力はもっと高いはずだ。
=見栄

つまらない自尊心を棄てて、矜持をもつ。

🐾良否や善悪という言葉を使わない

良否や善悪の言葉を使う。
=相手を傷つけることになる。

良否、善悪の言葉
=他人を値踏みする言葉。
➔他人から自分の値をつけて欲しい人はいない。

言葉で判断の色を強引につける。
➔事実が以前とは違ったふうに見えてきてしまう。
=事実の素の状態を隠してしまう。

良否、善悪の言葉を使ってはいけない最初の大事な相手。
=自分自身

🐾「言葉」から発想力が生まれる

言葉で自分を動かす第一歩。
=自分にとって新しい言葉を知ること。
➔自分の考え方が変わり、行いが変わる。

単語、形容詞、言い回し、術語、学術語、外国語など何でもOK。
例)
・斟酌(しんしゃく)
・昵懇(じっこん)
・労い(ねぎらい)
・忖度(そんたく)
など。
➔些細な数々の言葉の意味を知って使う。
=感性も生活も豊かになる。

・帰納と演繹
・恒常性
・トートロジー
・思考実験
・両刀論法
・ファジー
・フィボナッチ数
用語と意味と使い方がわかる。
➔今までこんがらがっていた考え方がスッキリと整理される。
=複雑な事柄の理解が速くなる。

新しい言葉が自分の中に入ってくる。
➔今まで曖昧だったものがつながる。
=新鮮な発想や斬新な打開策が生まれる。

🐾小事と大事を区別せよ

小事にばかりかまける。
・これまで習慣化されてしまった細かいこと。
・今すぐにしなくていいこと。
・個人的なこだわりや趣味的なこと。
・小事の連絡。
・目先の少額の利益になりそうなこと。
➔わざわざ差し挟む。
=大事なことに費やすべき時間や熱心さを削いでしまう。

※大事が自分の人生を支えている。

大事を手掛けるのが怖い。
➔自分に自信がない。
=小事に向かってしまう。

自信のなさ。
=普段の怠慢の積み重ね。

大事こそ大事なこと。
➔仕事や生命を左右するような緊急の事柄など。

小事いくらでも代替が可能。
➔変更、中止、放棄をしてもさしつかえない事柄。

小事を大事より先行させる。
➔比重の置き方がまったく逆。

小事にばかり熱心に関わる。
➔小事しかできないようになる。

<第4章 安心など死ぬまでできない>

🐾悩みは当然持つべきものだ

「悩みから脱して自由になる」
➔その悩みが人間として歩くべき道だとしたら?

※この悩みは自分のこの道を行くための足の痛みなのではないだろうか?

物事をなす。
=必要な努力や工夫がある。
➔悩みや苦しみだと思い込む。
=極端な怠け癖がある人。

🐾安心など死ぬまでできない

現代の経済社会に求める安心。
=生命や衣食住、仕事や地位に関しての安心。
➔何においても決して足りることはない。

「パーキンソンの法則」
・仕事量はその完成のために与えられた時間を満たすまで膨張する。
・支出の額は収入の額に達するまで膨張し続ける」

※本来、何事も盤石であることはありえない。

すべてが動いて、上か下に向かっている。
➔海の波と同じ。
=安心はない。
➔海上に固定されることはない。

知ることだけでは十分ではない、それを使わないといけない。やる気だけでは十分ではない、実行しないといけない。

ゲーテの言葉

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