マガジンのカバー画像

知っておきたい科学のこと

36
サイエンスにつながる話題、新常識など。
運営しているクリエイター

#マンガ

『Dr.STONE』は「失敗する科学」を描いているのがいい

『Dr.STONE』は「失敗する科学」を描いているのがいい

アニメ『Dr.STONE』の第3期が始まりました。

たまたま第1期の初回放送を見て、「あれ、これめちゃくちゃ面白いんじゃね?」と思って、ずっと見ています。

『Dr.STONE』とは

全人類石化によって文明が滅んだ世界で、科学少年が知識と知恵を使って文明を取り戻していく、というストーリー。最初は石器による木材加工から始まり、火薬、抗菌剤、電話、気球などを作っていきながら科学文明を築き上げ、現在

もっとみる
胚培養士というお仕事

胚培養士というお仕事

風の噂で、生命科学のポスドク研究員だった知人が胚培養士をやっていると聞きました。人生おもしろいですね。

胚培養士というのは、不妊治療で採取した卵子や精子を取り扱い、最終的に受精卵(胚)を子宮に戻すまでの世話をする人のことです。不妊治療クリニックで働いていて、卵子や受精卵の凍結・融解を行い、体外受精や顕微授精を実際にやるのが胚培養士です。

国家資格はなくて、生物系や農学系の卒業生がなるという話を

もっとみる
アニメ『 #はたらく細胞 』12話で赤血球ばかりだったのは正しい表現

アニメ『 #はたらく細胞 』12話で赤血球ばかりだったのは正しい表現

ヘッダー画像はhttps://hataraku-saibou.com/special/digital_contents/header/より。

アニメ『はたらく細胞』12話は大変なことになってきました。緊急事態をアナウンスするシーンでは、赤血球ばかり集まり、ポツポツと白血球がいるようすが描かれました。実はこの比率はそこそこ実際を反映したものです。

血液1立方メートルあたり、赤血球は450万〜50

もっとみる
『 #はたらく細胞 』で人体の細胞数が37兆個なのには根拠がある

『 #はたらく細胞 』で人体の細胞数が37兆個なのには根拠がある

生物屋として今期注目のアニメ『はたらく細胞』がスタートしました。

少し感動したのは、オープニングの歌詞です。

37兆個の一人、次に会うのはいつかな

また、第1話は次のナレーション(by 能登麻美子)から始まります。

人間の体の中には約37兆2000億個の細胞たちが、きょうも元気にはたらいている。

人間は60兆個の細胞からできている、と聞いたことのある方は多いと思います。なぜ本作では「37

もっとみる