残すということを考える 母の日記が見つかって
先日、部屋の断捨離中に、とても懐かしいものが出てきました。
「これ・・・!私が幼稚園の時のだ・・・」
かれこれ40年ほど前のお道具箱が出てきたのです。
「うわー!こんなの残ってた。ママはうめ組すみれ組だったんだよ。懐かしい!今の息子よりも小さい頃のものだよ」「ママ、タイムトラベルだね!」と息子がいった。「タイムトラベルよりはタイムカプセルかな?」と私。そして、それは、本当にタイムカプセルだった。
実家の話 母の日記
最近、実家の整理もなんとかやっと!はじめたところだった。
先日、破損した窓の修理や庭の雑草取りを市の職員さんに手伝ってもらった。家の中には問題が山積みで、破損した家具や剥き出しの壁や天井、衣類や布団が散らばっていて、まさにゴミ屋敷のようなのだ。ゴミ屋敷や遺品整理など片付け専門の業者さんの手を借りないといけないなーと思って思案している所だが、まだ手をつけられずにいる。年内中になんとかしたいが、なんとかなるのだろうか?とりあえず、姉と話し合おう。また現実逃避をしてしまっているが。
この時は、母が大事にしていただろうものだけを持ち帰ってきた。
鍵のかかった引き出しを開けると、意外に入っているものは少なく、ガランとしていた。母も少しは誰かにあげたり物の整理や処分をしていたのかもしれない。子供の頃に好きだったキラキラ光る薄紫色のガラスのネックレスを探してみたが、そこには見当たらなかった。
そのかわり母が好きでつけていた指輪やアクセサリーがあったので、それは姉にも見てもらおうと母も側におきたいだろうと持ち帰ってきた。ガラスのネックレスが見つからなくてちょっと残念だなと思いながら、他にも気になるものを見つけた。
「日記だ。いつのだろう?1960年!!!」
日記なんて娘に読まれたくも無いだろうが、62年も大事にされてきた日記をそのまま放置することはできなかった。
私は若い頃の母を知りたいと思ったのだ。
御目出度うございます。
そういう時代だったのだろうか?漢字で書いている19才に驚愕。
私が知っている母は、エネルギッシュで、よく喋りよく笑う、おっちょこちょいで明るい人だった。
日記の文面は敬語で丁寧な言葉使い、しっかりしてる!何処ぞのお嬢さん風だ、そんな風を装っていたのかも知れないが、意外な一面が知れて面白い。
母は筆まめな人だった。
ことある毎に手紙をよこして、荷物を送ってくる時にも必ず何か言葉を添えていた。書くことが好きだったのだと思う。
日記には当時の働くことの悩みや日常のことが書かれていて、思わず夫にも読んでもらいたいと思った。
「残っているのすごいねー。乙女の日記を読んでしまって、なんだか申し訳ない」と夫がいった。
母に断りもなく、ここに載せることを許してね。
でもきっと母は喜んでくれるように思う。
割と目立つことやチヤホヤされる事が好きだったから。
1960年から日記がはじまっていた。
チリ地震で津波が来た様子も日記には綴られていた。
19才の母の言葉が心に響く。
良いこと書いてるよ!母!
これって母の自作なの?しかりとした娘だなー。
もしかしたら、どなたか有名な方の詩なのかもしれない。
母は看護師になる道を親の反対で諦めています。その後、神社の巫女さんとして働きながら、文化服装学院で洋裁を学んでいた様です。巫女さんを辞めたい、洋裁やデザイナーへの道を夢を諦められない、そんな葛藤が随所に綴られていました。
いつの時代も皆、なやんで悩んで悩みながら、そして人生を進んでいくのだなー。母の言葉に勇気をもらいました。
実家に転がっていた母の写真も持ち帰ってきました。
若い頃の母。
不思議な気持ちになる。
実家に行ったら1960年の日記を大事にしまっている母に出会って、私は部屋で40年ほど前の幼稚園時代のお道具箱に出会いました。
物持ち良し子は母譲りだった。
お道具箱の中には、20年くらい前の友人や母からの手紙やメモ書きが入っていた。お道具箱は、まさにタイムカプセルだった。
断捨離すること
今年の2022年2月にメルカリをはじめて、本格的に断捨離をはじめました。
きっかきは母の死と息子が小学生になったことでした。
実家は本当に物が多くて、母は物を捨てれない人でした。1960年の日記を持っていた人ですから。
実家にある膨大な量の思い出の品を考えると、途方にくれて窒息しそうになります。
後から片付ける人のことを思うと、すっきりと簡単に整理できるように、引き継ぐ物を考えていきたい。
息子は小学生になり、卒園と同時に幼稚園の制服やカバン、幼稚園で使っていたものは使わなくなりました。そして、新たに!ランドセルや体操着、鍵盤ハーモニカや絵の具セット、諸々が増える一方なのです。
今だなー、今しかないなー、私の断捨離はこれがきっかけでした。
それで、空間に余裕ができると、気持ちにも余裕ができてきます。
結婚祝いにもらったのに使っていなかった食器類はメルカリで売ったり処分したり。未使用品が多くて「どんだけー?」と思ったり。
伯父さんが結婚祝いにくれた壁掛け時計、電池を入れてやっと壁に飾りました。部屋に合っているし、素敵な空間になりました。そして、時計をくれた伯父は去年亡くなって、今はここにいないのです。使われなかった時計に命を吹き込んで、伯父の思い出と共に今まで止まっていた私の時間も動き出した様に思っています。
それから、壊れたまま放置されていたプリンター2台を10年越しでやっと処分。今は、壊れた電子レンジと何年も使っていない絨毯や息子のベビーバスなどを粗大ゴミに出す予定。年内中には息子のバウンサーとかも処分したい!
断捨離の法則?たくさんの衣類を処分したと思ったら、親戚からお下がりの衣類の段ボールがドドーンと届く。「何でー!!!嬉しいけど!何でー?せっかく空いたのにー!!」嬉しいことに美味しい果物やお菓子が届くこともある。そんなことが何度かあって、物質の摂理というか、何というか、無くなったら補充される、を考えたり。
断捨離をはじめて、ここ数年止まっていた時間が動き出しているように思います。何かを変えたい人は、まずは断捨離!って良いかもしれないです。
残すもの
母の日記や写真。そういうものはやっぱり手元に残しておきたい。
私がnoteをはじめたのは、亡くなった母への思いを自分の中で消化するためでした。そして、育児のことを書きながら、息子に言葉を残したい、という思いからでした。
母と息子のことを話す時間はあまりにも短くて、母も昔の育児のことをすっかりと忘れてしまっていて、アドバイスらしいアドバイスを貰えませんでした。私の幼少期はどうだったんだろう?と疑問に思ってモヤモヤしていて、母がいなくなった今、その答えは見つけられずにいます。
もし今、私がいなくなっても、言葉が息子に残っていたらいいな。そんな思いもあって、子育ての記事を書いています。
そして、手書きの文章というものに、心がこんなに動かされるのか!
母の日記や手紙には、そんな感動がありました。
バースデーカード
突然、ハッピバースデーの音楽が聞こえてきた。
音楽の中にシュシュポッポという、機関車の音も聞こえる。
あ、機関車トーマスのバースデーカードが鳴っているのだ。
母が息子の誕生日にくれたカードだった。カードを開けると音楽が流れる。シュシュポッポと機関車の軽快な音が楽しくて、息子はなんども開けたり閉めたり遊んでいた。
中には、メッセージも書いてあった。
お誕生日カードか。
息子の好きなミニカーとか電車のおもちゃとかの方が、息子は嬉しかったんじゃないのかな?そう思っていた。
そんなに裕福ではない母の心ばかりのお祝いだった。
音楽好きの息子は、気に入ってくれたようだ。
お誕生日カードもいいかもね。
音楽と一緒にメッセージを読む。
母の手書きだった。
手書きの言葉は、やっぱり、胸に響く。
母が亡くなって悲しみにくれていた時に、息子が偶然カードを開いて、ふと流れてきた音楽。
懐かしい母の字に、思わず泣いてしまった。
あ、お母さん
嬉しいな、母に会えたような気がした。
直筆で、送る事って大切だな、と改めて思う。
直筆はその人だけのアートだ!
上手とか下手とかどうでもよくて
必ずその人だけのもの
手軽にできるアートだと思う。
手紙だし、新聞だし、フィルムカメラだし。
母はアナログ人間だった。
アナログって、不便だなと思うけれど、心が通って、温かい気がする。
オモチャだけではなく、手紙も添えて。
息子が見つけた時に、勇気をもらえるように。
そんなことも残していきたい。
今は少し気持ちが違ってきています。
私のnoteを読んでくださった方、
誰か一人でも心に響く物があればいいなーと思って書いています。
断捨離をしながら、昔の母と出会えて、私と同じように悩んだり苦しんだりしていたんだな、そして、私はたくさんの言葉をもらっていたのだな、そんなことに気が付けました。母への感謝の気持ちでいっぱいになりました。
何を誰に残していくのか?
残していきたいのか?
そんなことを
考えながら
日々と向き合っていきたいと思います。
いやーまたまた長い!
お付き合いいただき!ありがとうございます。
母も喜んでいると思います。
ミイコさん!ドキドキ嬉しいサポート!ありがとうございます!
ミイコさんには、いつも知識や気づきや感動や色々なことを貰っています。
今回も貰ってしまいました!
母に代わって私からも、本当に!ありがとうございます!
なちこさん!ドギマギ嬉しいサポート!ありがとうございます!
母も喜んでいます!
なちこさん!2000字のホラーWEB別冊文藝春秋賞受賞!おめでとうございます!わー!嬉しい!
いつもほっこり楽しいを貰っています。筋トレや大食いなんかも貰えるようです。私はまだ未体験ですので、いつかは・・・
ありがとうございました!
ここまで、貴重なお時間を!ありがとうございます。あなたが、読んで下さる事が、奇跡のように思います。くだらない話ばかりですが、笑って楽しんでくれると嬉しいです。また、来て下さいね!