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お米日記

田んぼの近くで、過ごした日々。

私の実家は、米所の田舎ではあるけれど、住宅街にあって、親戚や友人に農家さんがいた訳でもなく、都会っ子並みに、田んぼに慣れ親しんでいませんでした。

職場の方は「毎年ゴールデンウィークには、田植えを手伝わないといけない」と嘆いていたし、友人は「小学校でイナゴ獲りや稲刈りの授業があった」と言っていて「そんな事をするのか!楽しそう!」と驚いた事がありました。

間近で見た事がなかったので、季節と共に、水田の様子が変わって行く事が楽しかったです。仕事が終わると、カメラ片手に田んぼの近くまで、遠回りして帰るようになりました。

田んぼの地主さんに許可を得るにも、どうしたら良いかわからなかったので、公道から、敷地内には入らないようにして、撮影させていただいていました。

代掻き(しろかき)。田んぼに水が入ったばかりで、まだ稲は植えられていません。水面が鏡のようで、美しい。逆さ富士ならぬ、逆さ蔵王。

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気がついたら、稲が植えられていました。

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朝露なのか、水滴がキラキラと輝いていました。

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青々とした稲が美しい。カエルの鳴き声が、本当にゲコゲコと聞こえてきます。風情があって、素敵だなと思っていたし、水田の近くは、夏でも涼しく感じました。

ある時、稲に何か、白い糸のようなものをを見つけました。ゴミ?蜘蛛の巣?もしや?よくよく見ると、ちいさな小さな白いお花が咲いていました。

植物で、お米という実がなるのだから、お花は必ず咲くのだろう。しかし、稲のお花を想像出来ず、なんならお花なんて咲かないのではないかと思っていました。

「稲のお花!はじめて見た!こんな風に咲くのか!」

なんか、感動してしまいました。

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調べてみると、午前11時頃から開花しやすく、1時間程しか開花しないそうです。めったに見れないし、小さいお花だから、気づかない事も多かったのでしょうか。稲は、花びらのないお花で、白く見えているのが、雄しべです。

雄しべと雌しべで自家受粉する。

私が撮影できたのは、受粉が終わった後だったようです。穎(えい)と呼ばれる、籾(もみ)になる部分がパカッと開いて、6本の雄しべが飛び出してきて、雌しべと自家受粉した後、穎は閉じて、二度と開く事はないのだそうです。開いているところを見てみたいな!

とてもとても神秘的なお花です。

雌しべが見えていました!


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イナゴも成長しています。

水田

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稲穂が大きくなってきました。

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光を浴びて、

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風に揺れて、

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雨粒に輝いて、

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成長しています。

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水田1

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このひとつぶ一粒が、美味しいお米になるのか!

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たくさんの月日をかけて、

大切に育てられたお米、

そりゃ美味しいはずだよ!


お米

海外に旅すると、和食の良さに気付かされます。

焼いたステーキとジャガイモばかり、肉肉肉ばかり食べていて「肉はイヤ!違うものが食べたい!」海外で食べた、カツオだしの効いたうどんのカップラーメンが泣くほど、身に染みて美味しかったこと。ホテルのビュッフェで食べた味噌汁が、味噌を水で溶いただけのような、残念なお味で、とてつもなくがっかりしたこと。帰りの飛行機で食べた、海苔のおにぎりが、めちゃめちゃ美味しかったこと。

海外でいただいた豪勢な料理よりも、普通の何でもない和食の方が、美味しい記憶として残っています。

あ〜、私の体には、お出汁が必要だ、お米が、お醤油が、和食が必要だ!

体が、欲するのです。

日本にいる時は、意識していなかったのですが、脈脈と、お出汁とお米は体に染み込んでいて、遺伝子に刻み込まれて、私の中にも、しっかりと、和食の文化は受け継がれていたのです。

20代の頃は、2kgのお米も、ずーっと食べきれずに残って古米にしてしまうほど、お米が好きではありませんでした。夕飯に食パンでも平気だったし、主にパスタとか麺を食べていました。

そんな生活だったのに、海外旅行で、お米の、和食の美味しさを知ってしまう!気づいてしまう!ジャポニカ米!ばんざい!お出汁の文化がどれだけすばらしいか!

食生活がガラッと変わりました。

それから、夕飯には、お米を食べるようになりました。

日本人で良かったな、お米っておいしいな。

お米が育つ過程を知って、ますますお米が好きになりました。

日本の食文化に、お米に感謝です。


地域やお米の品種、その日の天候によっても異なるかとは思いますが、7月下旬から8月下旬の午前11時頃に稲の開花が見られるようです。私も、機会があれば、パカッと開いている所を見てみたいな!と思います。


ここまで、貴重なお時間を!ありがとうございます。あなたが、読んで下さる事が、奇跡のように思います。くだらない話ばかりですが、笑って楽しんでくれると嬉しいです。また、来て下さいね!