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何考えてたん?生物の学名の話

毎日noteで楽しみにしている記事がたくさんあるのですが、翆野 大地さんの野鳥についてのお話(クリックで飛びます)は知らないことばかりで、楽しく学ぶにぴったりなページです。先日記事で読んだミツオシエという鳥が面白いなぁ、と思い今日の記事を書こうと思い立ったのですが、本題に入る前に書いておきたいことがあるので今日は生物の学名について書いてみます。

*何とタイムリーなことに翆野 さんが鳥の和名について書いていらっしゃるのでこちらをぜひ読んでみて下さい翆野 さんの記事ではとっても面白い名前がたくさん紹介されています。

10年ほど前に購入した我が家、森のような庭のおかげかこれまでにうちの庭に来てくれた野鳥は100種以上になりました(一回だけ来たとか一羽だけ来た鳥も含めています)。
こんなにたくさんの種類の鳥がこの辺にいるのも不思議だと思っていたのですが、人間が住み着くずっと以前からここが渡り鳥の通り道だったり繁殖の地だったりした訳ですから、鳥がいること自体は普通ですね。むしろたった100種しか見れないのが残念なのかもしれません(100種というのはうちの庭限定ですので、近所に出ればもっとたくさんの野鳥に出会えます)。

その100種全部を普段はロビンとかカーディナルとか、スズメやサギなどの簡単な名前で呼んでいるわけですが、学校で教えるときには学名も使います。英語ではScientific nameといいラテン語・ギリシャ語ベースの属名と種名を組み合わせた名前です。馴染みのあるのはホモ・サピエンス(Homo sapiens)ですね。

なぜ学名が必要なの?

まず言語・文化によって生物の呼称が違うので混乱を防ぐため、そしてどの種が進化上での仲間なのかわかりやすくするため、さらにはその種がどんな生物なのか(特徴など)をパッとわかりやすくするため、などなどです。生物学上では細かく細分化する必要があるため、こんな風に分けられています。

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犬を例にとってみます。
属(Genus): Canis (ラテン語でイヌ。これに属する生物はジャッカル、コヨーテ、オオカミなど)
種(Species): C. lupus (ラテン語でオオカミ。これに属する生物はオオカミとイヌ)
亜種(Subspecies): C. l. familiaris (イエイヌのみ)
これで見ると飼い犬(チワワもドーベルマンも柴犬もCanis lupus)と狼は“同じ種”とみなされています。さらに分ければ家畜化されたものが亜種の表記でわかります。
*属+種の学名は必ずイタリック体で描かれます。

さてこの学名なのですが大体が生物の特徴や発見者などを表す語源になっています。

タツノオトシゴ: 英語ではSeahorse、属はHippocampus(馬hippos+海の怪物kampos)馬のような頭で、不気味な生き物と思われたのでしょうか。

シマリス:何種か存在しますが、ここ(北米)のは Eastern Chipmunk、 属はTamias (ギリシャ語の分配するもの、食べ物を溜め込む様子から)。

学名を見ると語源からどんな生態なのかがうっすらとわかるようになっているのですが、時々本当につまらない学名をつける学者がおるんです。
その生物には何ら関係ない、もしくは100年後の学者には何のこっちゃわからない自分勝手な、本当にしょーーーーーーもない名前。

何やコレ:腹たってしゃーない学名リスト(ほんの一部です)

Spongiforma squarepantsii Desjardin
スポンジボブに似たキノコ。100年後の生物学者はまずスポンジボブを検索から始めないと。

Qrocodiledundee outbackense
クロコダイルダンディーの舞台オーストラリアで発見された蜂。ワニに思われないようにCをQにしたんでしょうか。

Godzillius robustus
ゴジラにちなんで。でも実際はゲジゲジみたいな生物。せめてゴジラ似だったらまだしも。

Atlascopcosaurus loadsi
発掘のスポンサーだった会社名(Atlas Copco)にちなんでつけられた恐竜。一応まだこの会社があるからいいけど、いつかは潰れるよね。

Proceratium google
グーグルがスポンサーだったようです。蟻、だけどこのネーミングは無し。

Afropolonia tgifi
TGIF (Thank God It’s Friday: やったー今日は金曜日だ)・・・ん?バカかな?

Hatena arenicola
半植物、半捕食者の単細胞生物らしいです。ハテナ、言われても、こっちがハテナやわ。

Mammamia Akkari
このムカデを発見した時に、マンマミーア!と言ったから。こんな学名つけたことにマンマミーアやわ。

Avalanchurus simoni and A. garfunkeli
共に三葉虫らしいですが、サイモンとガーファンクルじゃなくても二人組ならたくさんおるやろうに。カーペンターズでもワムでもペットショップボーイズでもいいがな。1997年につけられているようですのでその時大流行した 猿岩石 でも良かったね。

これから新種を発見するみなさん!よーーく考えて後悔のないようにお願いします。

シマフィー

参考文献

Isaak, Mark. Curiosities of Biological Nomenclature. 20 Sept. 2019, curioustaxonomy.net/index.html.

Lerner, Rosie. “How Plants Are Named.” Indiana Yard and Garden - Purdue Consumer Horticulture, 26 Oct. 2016, purdue.edu/hla/sites/yardandgarden/how-plants-are-named/.

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