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Have a nice dayの魔法

私が今教えているのは9年生、10年生、11年生で、ちょうど思春期真っ只中の難しい盛りです。
オンライン授業になり、アメリカの生徒たちも家族がいる自宅で一人っきりで授業を受けるのはやりにくそうですが、留学生にとっては夜からの開始になり、なかなか勉強のペースが保てなかったり、先生に会う時間や友達との雑談もなくなり、宿題が出来なかったり提出物が遅れがちになる子供が本当に多いです。
クラスにいる留学生はヨーロッパ、南米、東アジア、とバラバラですが、特に中国・韓国・日本からの子供たちは朝8時の授業が始まるのは彼らの夜9時と10時、と遅い時間です。大体は夜中の1時か2時くらいまで起きています。

時には自分に腹がたつのか、先生方がうるさく感じるのか、どうしていいのかわからないのか、反抗的な態度をとったり泣き出す子もいます。去年は成績が良かったのに、今年は落第するかもしれない子供もいます。学校以外でも思い通りにいかないことが多く不安や不満を丸出しにする子供もいます。その一方頑なに口を閉じて自分が辛い状況にあることをギリギリまで言わないこともあります。

対面授業でもケアできることは限られているのに、現在の状況では私はほぼ無力です。ちょっとの時間を作って話を聞くことしかできません。

それなのに、彼らは授業や面談の最後には必ず

Have a nice day, Ms. Shima

と言ってビデオ電話を切ります。笑顔で、泣き顔で、眠い顔で、言ってくれます。
あいさつとして使っているかもしれない、考えることなく習慣になっているのかもしれない、特に意味や意図はないのかもしれないです。
それでも15歳の彼らが何だか大人のように私を気遣ってくれているような、私の幸せを願っているような、そんな温かい気持ちにさせてくれる一言です。

その最後の一言がわたしに がんばろう! という気持ちを起こさせます。
この子たちのために出来ることはしてあげよう、と思わせます。
無力の私に何が出来るかをもう一度考えてみよう、と奮い立たせます。

何気なく、普段ならあまり気にも留めなかった言葉ですが、今の私たちにとっては大切な一言になっています。
毎日聞くことのできる、毎回効果のある魔法です。

これを読んでいる皆さまも素晴らしい日を過ごせますように。
そしてあなたにとっての特別な魔法の言葉が見つかりますように。

Have a nice day!

シマフィー


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