同期や後輩が上司になったら……どんな気持ちですか?
どんな気持ちなんでしょう……。
やりづらい?
居心地が悪い?
屈辱的?
そんな気持ちにはならず、まったく問題ないというひともいると思います。
ちなみに私が勤めるさいたま市役所でも主査(3級)に昇任するための試験制度が導入されたため、年次を重ねても主任(2級)のままのひともいれば、若くして試験に合格し主査になるひともいます。
そのためか、私が若かった頃と比べると、先輩と後輩で逆転しているケースが目立つようになった気がします。
もし、後輩や同期が自分の上司になって、心の中で小さなダークサイドが顔をのぞかせる場合、そこには2つの顔があると私は思います。
1つは、自分を否定する気持ち。
後輩や同期が上司になるということは、自分が昇任という点で、抜き去られ置いて行かれたということ。そのことに対して、自分の努力や能力が足りないと否定する気持ちが湧き上がるかもしれません。
そんな時は、「昇任」というのは他者の評価の結果であることを思い出してください。そして、今の自分のことを自分自身でしっかり評価してはいかがでしょうか。
別に仕事で手を抜いているわけではありませんよね。
最近、誰かに「ありがとう」と感謝されたことはありませんか? お客さんでも他の部署のひとでも上司でも。誰かに感謝されるということは、何かしらの価値を届けた証拠です。
目立つような成果はなくても、毎日真面目に仕事と向き合っているなら、そのことを他でもない自分自身で評価することが大切だと思うのです。
そもそもキャリアの8割は偶然の巡り合わせによってつくられると言われています(計画された偶発性理論/J.D.クランボルツ)。
仮に、後輩や同期があなたの上司になったとしても、それはあなたの不出来や後輩や同期の能力だけが原因ではないのです。
だから、そんなに自分を否定する必要はないのではないでしょうか。
後輩や同期が自分の上司になって、心の中で小さなダークサイドが顔をのぞかせる場合、2つの顔があると言いましたが、その2つ目は、その上司に対するネガティブな感情です。
冒頭で例示したような、やりづらさや屈辱感などはそれにあたるでしょう。
そんなときは、上司(後輩・同期)が自分より偉くて、部下である自分が下の立場であるという考えを一旦保留してみてください。
実は私は「上司」と「部下」という言葉が嫌いです。
私は昨年から係長になったのですが、同じ係で働く皆さんのことを本人たちはもちろん他の誰かに対して「部下」と表現したことは一度もありません。
自分と一緒に働く仲間との間で、上だとか下だとか決めつける意味はないと思うのです。
そうではなく、係長と係員は単なる役割分担だと考えてはいかがでしょうか。私もそうしています。
係長は、係内のマネジメントとして「ひと」のマネジメントと「仕事」のマネジメントをするのが役割で、係員は、具体的な業務上の作業に取り組むのが役割です。
それはどちらが上とか下とかではなく「役割が異なる」だけ。
上だから下だからという価値観を手放して、相手が係長なら自分の方が先輩でも持ち上げなくちゃいけないなんて考えるのはやめたらいいんです。後輩でも先輩でも、個人として互いに敬意を払えばいいのではないでしょうか。
そうして、後輩が係長になっても課長になっても、「後輩なのに自分より偉くなった」と受け止めるのではなく、「マネジメントは後輩に任せて、自分はしっかりと一つひとつの業務を遂行させてもらう」と考え、自分に与えられた役割でしっかり成果を出すことです。
私たちが慣れ親しんだ価値観では、プレイヤーはマネジャーの下で指示・命令を受ける立場という捉え方が一般的かもしれません。
でも、企業の中には、お客さんを一番上に位置づけ、その下にプレイヤー、さらにその下にマネジャー、そして一番下に経営者を置くような組織図を描くところもあると聞きます。
その考え方は極端だとしても、今や管理職や幹部になるひとたちの考えをトップダウンで組織内に浸透させ、それをプレイヤーが実行しさえすればいいわけではありません。
むしろ、管理職や幹部の「かつての成功体験」は役に立たないことも増え、若手や中堅の考えも取り入れながら、上も下もなく意見を出し合っていかなければいい施策は描けません。
そういう意味でも、かつては機能していたピラミッド型の官僚機構は限界を迎えていて、上下の意識を手放すことがますます重要になっているのではないでしょうか。
皆さんは、いかがお考えですか。
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