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僕はボク、のペースで。

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立ち止まって。いろいろ考えて。 それでも、それが僕のペースだから。
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2020年5月の記事一覧

自分をパーティーの中の一員として考える

年齢が若い人にはわからない思い出話からしたいのですが、昔、僕が中学生ぐらいの時に、当時のゲーム機で「ドラゴンクエスト3」というゲームが出て、もう僕らの世代はブームがすごかったのです。 それで、このゲームはパーティーを組んで魔王を倒しに行くロールプレイングゲームだったんですけど、当時すごい革新的で、衝撃的だったのですが 「自分で選んだ職業の人達と、パーティーが組める」 というシステムがあったのです。主人公は勇者で、周りの職業としては戦士とか魔法使いとかオーソドックスなもの

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【女将のエッセイ】自分のお店に100%満足できてる人なんていないことを知った話

なにごとにも理想が高く、完璧でなければ気が済まないタイプの人っていますよね。 実は私はどちらかというとそちらのタイプで、趣味は形から、掃除もやるとなったらトコトン。しっかり準備をして、目標を立てた上で順番に取り組みたい。 この傾向がいちばん顕著なのは、やっぱり飲食店経営という今の仕事ですね。 しかしながら、ときに理想ばかりが先行し「商売たるものこうあらねば!」という義務感みたいなものを感じやすいところは前々からありました。少々、理想が強すぎるのかもしれません。 そんな

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「レフェルヴェソンス」生江史伸さん、5月25日の答。

―社会活動― 自身のレストラン「レフェルヴェソンス」は2カ月間の完全休業。その間、生江史伸(なまえ しのぶ)シェフは署名活動、政治家への陳情、闘うための海外リサーチに草案作りと駆け回った。飲食店と、彼らが作る食文化を守るため。大きくてのんびりとした山が、しかし確かに動き始めた緊急事態宣言解除の夜。 飲食業は、もの言わぬ産業そもそも僕はコロナ禍以前から、日本の食文化を守り、飲食業の社会的地位を認めてもらう活動をしていたんです。まずはそこから話しますね。 飲食業はずっと、も

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すし屋のすき焼き鍋【73歳すし屋のnote】

こんにちは 鮨ほり川です。 5月26日から営業時間を18:00−22:00にしました。 実はおとといまで予約が一件も無い状況でしたが、twitterでたくさんのリツイートをしてくれて、そのツイートからnoteを見てくれた方が25日に2名、26日に7名、来てくださいました。 「応援します!」と拡散してくれて、驚き、喜んでいます。みなさまの優しさが身に染みています。心よりお礼申し上げます🍵 すし屋のすき焼き鍋おひとりさまのご来店も増えて、とても嬉しいです。「一人暮らしの自

フライトジャケットの問いかけ。

携帯電話にインターネット。さらにはカーナビゲーションシステム。 これらのイノベイティヴなテクノロジーはみな、軍事技術を転用して開発されたものだと言われている。「ルンバ」に代表される家庭用お掃除ロボットもまた、地雷探知ロボットをベースに開発されたものらしい。もっと身近なところでいうと映画『トップガン』をきっかけに大ブームとなったフライトジャケット。あるいはイギリス陸軍が塹壕戦のためにつくった、防寒と防水の両方を兼ねるトレンチコート。イギリス海軍によるピーコート。これらもすべて

夢を語る人を止めるなら、風呂を焚いてほしい。

 あるカフェで、20歳くらいの若者が、 「おれ、ミュージシャン目指しているんだ」  と夢を語っているのを聞いた。  すると、近くにいた友人たちが 「え、やめなよ。音楽学校出身でもないのに。普通に就職しなよ」  と言ったり、 「君なんかには無理だよ。ミュージシャンで食っていけるなんて一握りなんだぜ」  と言って、しばし口論となった。  僕は隣の席で、ぬるくなったコーヒーを啜りながら、耳に入ってくる青春を懐かしんでいた。  人が夢を語る時、必ずといっていいほど夢を止める人という

イギリスのカツカレーブームにモノ申す

日本人である私はもちろん、英人の夫も、子供たちも大好きなカツカレー。家族全員皆大好きなのだが、自宅では、カレーを作り、カツを揚げないといけないので、手間がかかる。だが、出来上がっていただく時の、あのカツのサクサクとカレーのこってりが絶妙に口の中で交わる感覚は極上だ。 今や、そのカツカレーがイギリスでは空前の大ブームなのだ。 カツカレーブームの火付け役となったのは、1992年創業の日本食レストラン「Wagamama」だと言われる。香港系イギリス人のアラン・ヤウ氏(有名高級中

「ヴォーロ・コズィ」西口大輔さん、5月18日の答。

―2カ月の休業、テイクアウトと宅配― 閑静な白山の街で、イタリアそのままを続けて14年。「ヴォーロ・コズィ」西口大輔シェフが、初めて「料理を店の外に出す」ということをした。SNSとも無縁だから、宣伝なし、予約制、リストランテと同じ手間を掛けた、いわばアナログなテイクアウト。その試みを支えているのは、常連たちとの深いつながりだ。 落ち着いた街、長いつき合いの常連さん とにかく、お店を閉めなければいけない。一番にそれが決まりました。休業です。客席数を絞ったり、時間を短縮したり

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「葡呑」中湊 茂さん、5月19日の答。

―小さく営業― 「葡吞(ぶのん)」の厨房にはどこでもドアがある。そう噂されるくらい、いつの間にか地球のどこかに飛んでいる店主、中湊 茂さん。「時間もお金も、人に会うということ以外に遣う意味はない」を信条とする人が、どこでもドアを使えなくなった、今。 店が鳴っているような感覚「葡呑」は本来〝密〟なんです。密集というよりも、熱量の濃密さというか。たとえば会社員のグループが楽しく吞むような早い時間から、飲食店やワインのインポーターなど食の玄人、海外のゲストが続々とやってくる深夜

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「眠庵」柳澤 宙さん、5月16日の答。

―淡々と営業― 2004年、神田の古民家で開店し、2020年で16年。「眠庵(ねむりあん)」の柳澤 宙(やなぎさわ ひろし)さんの前職は化粧品会社の研究員、その前は大学で応用微生物学を専攻。世界を微生物の目から見る蕎麦職人は、人類未曾有の危機にどう対峙したのだろう? 世界が変わったのは、3回目 世界が変わったな、と感じました。 この感覚は、2001年の9・11(アメリカ同時多発テロ)、2011年の3・11(東日本大震災)と同じで、今回のコロナ禍が3回目です。 19年前の

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「すし 㐂邑」木村康司さん、5月15日の答。

―クローズ― 今やミシュラン二つ星の「すし 㐂邑(きむら)」には、店主の木村康司さん曰く「どん底」の8年間がある。だから彼が「生きていればなんとでもなる」と言うのなら、それは綺麗ごとでなく、経験を伴う本心だ。何度でもゼロから始められるという自信を持って命を守る、クローズという答。 平等に、来週の分だけ、早いもの勝ち 僕、もうすぐ50歳になるんですよ。長年かけて自分が蓄えてきた知識や技術を、そろそろみんなに分けていく歳じゃないかな、という思いで、数年前から海外でお鮨を握る機

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世界的シェフに教わった名物メニューの作り方 ~ コロナに挑む飲食店さんへ

ご覧頂いてありがとうございます。 新型コロナウィルスの影響で、私のいる飲食業界では存在を賭けた困難な戦いが続いています。 テイクアウト、デリバリー、通販宅配と、多様な売り方で「新メニュー」を開発中の飲食店さんが全国にいらっしゃるのではないでしょうか。 しかも単なる新メニューではなく、テイクアウトやデリバリーに初めて取り組まれるお店にとっては、新しい市場を切り開く新メニューです。いつも以上に頭を悩ませていらっしゃる方も多いと思いま

小さなお店でも使える広報戦略としてのnoteの考え方

お店がnote活用を検討する際、「そのnoteからどれだけ売上が作れるか」を考えることが多いのではないかと思う。 数多ある投稿の中から見つけてもらい、信頼して買ってもらえるようになるにはそれなりの時間がかかる。 この部分を懸念して一歩踏み出せないお店も多いはずだ。 しかしお店のnote活用は、直接ファンを増やすだけではなく「広報」の役割も担っている。 端的に言えば、noteに書いたことがきっかけでマスメディアへに露出する機会が増えると私は考えている。 たとえnoteのフ

「オード」生井祐介さん、5月9日の答。

―架空の3店舗― 「Ode(オード)」が『アジアのベストレストラン50(Asia's 50 Best Restaurants)』35位を獲得したのは、東京オリンピック延期が決まった3月24日だった。本来なら予約が殺到するタイミングでの自粛、休業。しかしみんなの心配をよそに、生井祐介シェフは3つのレーベルでテイクアウトを始めた。架空の店舗とその物語、音楽までキメる、その世界観はじつに痛快。 結果を出した、というほうが大事そう、それみんな言ってくれるんですよ。せっかくの『アジ

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