草を結びて

管理人:うえの しま  アルコホーリクス・アノニマス(AA)のメンバー。滋賀県で活動中…

草を結びて

管理人:うえの しま  アルコホーリクス・アノニマス(AA)のメンバー。滋賀県で活動中。 詳細はプロフィールに記載。 email : shima@syoso.org

マガジン

  • スタディ通信

    ウィリアム・ジェイムズ『宗教的経験の諸相』のスタディについてのふりかえり記事集。

  • 雑記集

    なんやかんやまとまらないものをまとめています。

最近の記事

スタディ通信 24年4月号

花粉がすごいですね。スタディ・ミーティング中も鼻がずっと痒くて、途中で抗アレルギー薬を飲みました。 日が長くなってくるのは気分が良いですが、花粉はなぁ。 昨夜は超自然主義と自然主義をテーマにミーティングを進めました。 ビッグブックを読めばわかりますが、AAは明確に超自然主義の立場を採っています。 人間の力を越えた偉大な力が、絶望的なアルコホーリクたちを回復させたのである。それは「神の介入」という「奇蹟」なのだ、とAAは主張します。 しかし、同時にAAは科学と宗教の間の豊

    • それぞれの責任

      さて、また雑記。 冒頭で引用したのは心の家路さんの記事です。AAのなかには大きく分けて二つの流れがあることを説明している文章です。 AAには「支え」の機能と「変化」の機能をそれぞれ担う道具があります。前者は「AAミーティング」、後者は「12ステップ」です。 これら二つの道具は、あざなわれた縄のように不即不離の関係でAAという一体性を構築しています。 そして前者をミーティング・メイカーが、後者をステップ・テイカーが担い合っています。 いうなればミーティング・メイカーは人間の

      • 恥ずかしいことに、これまでnoteにおける引用表記や参考文献表記を統一できていませんでした。 今後は引用表記はハーバード方式、参考文献表記はAPAスタイルに統一します。 過去記事の表記も順次修正します。

        • 誰かのための祈りとか、病者や貧者のための祈りは普通にある。 けれど病者のためのマインドフルネスとか、貧者のためのマインドフルネスはないですよね。 これがわかりやすい、超自然主義と自然主義の世界観の違い。 「超越」による救済や介入を前提とするか否か。

        スタディ通信 24年4月号

        • それぞれの責任

        • 恥ずかしいことに、これまでnoteにおける引用表記や参考文献表記を統一できていませんでした。 今後は引用表記はハーバード方式、参考文献表記はAPAスタイルに統一します。 過去記事の表記も順次修正します。

        • 誰かのための祈りとか、病者や貧者のための祈りは普通にある。 けれど病者のためのマインドフルネスとか、貧者のためのマインドフルネスはないですよね。 これがわかりやすい、超自然主義と自然主義の世界観の違い。 「超越」による救済や介入を前提とするか否か。

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        • スタディ通信
          27本
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          36本

        記事

          なぜオンラインでスタディをやっているのか

          私は2019年にAAにやってきました。 最初のホームグループは今はなき東近江ingグループ。毎週、教会の礼拝堂を借りてミーティングを開いていたのがなつかしいです。片道1.5時間かけて毎週車で通っていたのをおぼえています。 しかし、そこでミーティングでの回復に限界を感じるようになり、12ステップに取り組もうとした際に問題が起きました。12ステップの情報が地域にほとんどなかったのです。 当時はネットにも12ステップの情報はあまりなく、途方に暮れたことを覚えています。しかし、京都

          なぜオンラインでスタディをやっているのか

          スタディ通信 24年3月号

          先月はスタディを休ませてもらい、助かりました。祖母が逝去して葬儀だったので、さすがに。 いやいや、2月は忙しくてほとほと疲れましたね。みなさんはいかが。 さて、3月は1月に引き続き「祈り」という宗教現象を扱いました。今回は1月よりさらにその意味内容に迫るセッションとなりました。ジェイムズの言う、またAAの言う「祈り」とは何なのか? それはマインドフルネスとは全く違う、ということを前回は指摘しましたね。 マインドフルネスで12ステップを、ビッグブックを解釈することはできませ

          スタディ通信 24年3月号

          スタディ通信 24年1月号

          滋賀でもちらほらと雪が降っています。数年前のどか雪ではないので、とても楽です。しかし、どさっと雪が積もった風景はとても好きなので、寂しくもあります。 先日の『諸相』スタディでは、セッション18を行いました。テーマは「祈り」という宗教的な行為をめぐる「自然主義」と「超自然主義」の本質と違いです。 自然主義と超自然主義とはどのような概念でしょうか。岩波の哲学事典を参照してみましょう。『諸相』スタディではこの意味の広い単語を認識論の文脈で使用していますので、認識論の項を参照しま

          スタディ通信 24年1月号

          みなさん、よいクリスマスを。

          みなさん、よいクリスマスを。

          スタディ通信 23年12月号

          なんか寒暖差が激しい日々が続いていますね。みなさん、お元気ですか。 私のほうはいつもどおり体調を崩しています。もうこれは年中行事ですので、体調不良というより「デフォルト」ですね。 先日行ったセッション17は、『諸相』スタディのこの3年間の歴史の中でもっとも高度な概念的内容を扱った回になりました。ジェイムズのテーマが「哲学」なので、致し方ないとはいえ、なかなかにしんどかったと思います。2時間、お疲れさまでした。 ジェイムズは「世界観」を大事にする思想家です。その人がどのよう

          スタディ通信 23年12月号

          スタディ通信 23年11月号

          とても忙しい1週間が終わり、なんか疲れがどっと出てきています。昼と夜の気温差も激しいですね。 みなさん、いかがお過ごしですか。 先週土曜日に『諸相』スタディは3周年を迎えました。 この3年間はいろいろなことがありましたが、何とかここまで続けてこられて正直ほっとしています。続くはずはないと思っていたので。 これも自分を超えた力の導きなのでしょう。 さて、先週のスタディはこの1年半の間でいちばんと言っていいほど難しい内容を扱いました。 なぜなら、先週のテーマはダーウィン主義と

          スタディ通信 23年11月号

          スタディ通信 23年10月号

          ミーティングが終わってから、気付いたら2週間経っていました。 その間は結構バタバタとしていましたね。9月から体調不良で仕事を休職していたのですが、復職したり。仕事があるってのはありがたいもんだなぁ、と感じております。 さて、2週間前にセッション15を行いました。 そこではAAと反知性主義の関係を、ジェイムズの議論から紐解く試みをしましたね。 ジェイムズは宗教という現象の土台を人間の「感情」に置きます。 このような姿勢はアメリカの反知性主義の伝統から解釈することが可能です

          スタディ通信 23年10月号

          スタディ通信 23年9月号

          暦では秋ということですが、まだまだ暑い日々が続いていますね。 しかし、朝夕は少し涼しくなりました。みなさん、いかがお過ごしですか。 スタディもついに「神秘主義」の講が終わりました。やっとこさ、というのが実感です。 昨年6月から『諸相』スタディは内容を新たに『諸相』の冒頭からスタディを始めたのですが、やはり月一ペースではここまでで1年3ヶ月かかりますね。 やりながらシラバスを作っていますので、全体像の把握もまだできていません。それでも何とか続けられているのは、ありがたいこと

          スタディ通信 23年9月号

          2023年のこと

          久しぶりに雑文を書くような気がしています。いつぶりだろうか。 どうやらこの記事以来だから、6ヶ月ぶりですね。 さて、何をしてたのかというと、上記記事の続きをひたすらやっていました。 私がAAにやってきたのが2019年、ホームグループやオンラインで色々やり始めたのが2020年〜2021年です。新たなミーティングの立ち上げもいくつかやったし、B2Bはオンラインでもオフラインでもやったし、いろんなことがありました。 それらを2021年に振り返る機会があり、こう思ったのです。「こ

          2023年のこと

          スタディ通信 23年8月号

          なんか先月に「夏バテでヘロヘロになってるだろう」と書きましたが、そんなこともないです。けっこう毎日体調よく過ごせています。 これもいろんな方が毎日心から私の幸せを祈ってくれているからなのでしょう、感謝感謝。 さて、感謝とかどうでもいいのですが、昨夜は『諸相』スタディで神秘主義と12ステップの関連性について取り上げました。 『宗教的経験の諸相』では数々の神秘体験の体験談が引用されますが、昨夜は祈りという行為における神秘的体験の話でしたね。 そして昨夜のセッションは以下の引用

          スタディ通信 23年8月号

          スタディ通信 23年7月号

          暑くなってきましたね。 私は暑さよりも湿気にやられています。こう書いて気づいたのですが、年がら年中、気候のなにかしらにやられていますね。まぁ、虚弱なのでしょう。しゃーなし。 7月1日の『諸相』スタディでは「神秘主義」という広大なテーマを扱いました。 「神秘的体験」とはどのような要素がある体験なのかを定義し、それらの内実に接近するジェイムズの議論はなかなか刺激的で、この講は私も大好きな講です。 さてさて、AAの中でも「霊的体験・目覚めとはこのような体験である」というさまざま

          スタディ通信 23年7月号

          スタディ通信 23年6月号

          梅雨でじめじめしていて、湿気で体調も悪いです。 なんだかこの季節は苦手ね。しかし夏も苦手ね。 先日は『宗教的経験の諸相』の「聖徳の価値」を5月に引き続いて扱いました。 シラバスに書いているので細かくは触れませんが、ジェイムズのプラグマティズムを貫く姿勢はさすがです。しかし、ジェイムズは聖徳(Saintliness)の価値を、この社会における現金的意味での「有用性」のみで計りません。そこにはおおらかで、そしてスケールの大きな視座がありました。 そんなおおらかさはAAにとっ

          スタディ通信 23年6月号