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おすすめの本をご紹介!#2



ちょうど一年ほど前になりますが、
おすすめの本をご紹介する記事を
書きました。


久しぶりに好きな本について
語っていきたいと思います(笑)。


今回は一冊に絞りました!
タイトルは…

貞観政要じょうかんせいよう


です。



有名な本だと思いますので、
ご存知の方も多いかもしれませんね。


いくつもの民族が共に生きる大陸では、
常に国と国が戦い、勝った国が
他国を統治し、また内乱が起こり
また戦い、また滅び…
を繰り返していました。


中国、唐の時代。
ある皇帝は、自らが統治する
立場になったとき、あることに
疑問を持ちました。


「なぜ、多くの国が長く続かないのか?」


中国の歴史上、最も安定的に
長く続いた、唐という時代。
国のトップになった皇帝は、
「国を統治し続ける」ため、
部下たちに歴史を調べさせ、
対話の中でその真髄を探ろうと
しました。

この【貞観政要】の特徴であり、
かつ面白いと感じるのは、
この本が部下たちとの会話の記録…
いわば “議事録” になっているところです。


現代と異なり、皇帝の気に障る発言を
すれば首をはねられる時代に、
部下たちが手に汗握りながら
命がけで皇帝と対話をしていたのが
想像できます(笑)。


多くの民族が共存する国は争いが
絶えず、複雑な国になりがちです。


日本人の我々が考える以上に、
多くの民族を一つの国として
統治するのは相当、大変なことです。
(人数にしても日本の人口の
数倍以上はいるわけですし…)

「大変だったんだろうな…」と
容易に想像される国の統治を、
安定的に長く続けられた歴史からは、
学べることが多くあります。


まさに、
『愚者は経験学び、賢者は歴史に学ぶ』
ですね。


どんな方が読んでも面白いと思うのですが、
やはり経営者やビジネスリーダーの方、
これから自分で何らかの組織を作って
チャレンジしたい方などにとって
良書になるのではないかと思います。


徳川家康もこの【貞観政要】から
帝王学を学んだといわれており、
江戸時代が260年も続いたことを
考えると納得ですね。


以前も書きましたが、
私の大好きな本に【孫子】があります。


【貞観政要】も【孫子】も、
本質的には同じことが書かれているなと
感じる部分もありますが、この2冊には
大きな違いがあります。


孫子の兵法は簡単にいうと、
トップになるためにいかにして
相手に勝つか?」という、
あらゆる場面での ”戦略” が
説かれています。


しかし【貞観政要】では、
トップになった ”あと”
皇帝がすべきこと、大事なことが
書かれている点です。


「戦争に勝って国のトップになる力」と、
「国のトップで居続けるために必要な力」は
違います。


歴史上、短期間で滅びた国の
トップたちは、トップになるための
才能も運も持っていた優秀な人物で
あったことに違いはありませんが、
いざトップになったあと、それを
維持する術を知りませんでした。

そこに目を付け、
これまでの歴史、組織文化を調べさせ、
対話を記録したのが【貞観政要】です。


よくあるノウハウ本のような感じで、
「こうすべきである」
「こういうことをやった方がいい」
と指南している本ではなく、
最初に書いた通りいわゆる
議事録なのです。


なので、決して皇帝の格好良いところ
ばかりが書いてあるわけでもなく、
むしろ失敗しながら国を治めていく姿に、
私は共感と人間味を感じます。


ネタバレしない程度に一つ
お気に入りのやりとりを挙げると、
「皇帝の顔が怖いので、笑ってください」
と部下が命がけで進言する場面です(笑)。


現代でも同じことですよね。
上司から「何でもいいから悩みがあるなら
言ってみろ!」と鬼の形相で言われても
震えあがって何も言えません(笑)。


異国の出来事であっても
当時のやりとりを想像しながら
読むのは、純粋におもしろいですし、
現代を生きる私たちにとっても、
非常に勉強になる一冊です。

ぜひ読んでみてください!!



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