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コロナによって空いた距離感は、あえてそのままに。

リモートによって「あいた距離」を維持しよう

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、リモートワークが普及し、リーダーとメンバーは強制的に距離をとることが増えました。

内閣府の調査によると、現在(2021年10月)の東京都のテレワーク実施率は「55.2%」 

【2022年最新】テレワークの実施率は?コロナ前後の推移と企業が抱える課題についても解説


無駄な会議が減ったり、モチベーションの管理をしなくなったり、飲み会が減ったりなど、さまざまなメリットが生まれました。それにより識学の力が発揮されました。

「リーダーの仮面」の本質は、上司と部下が適度な距離を保ち、感情が生まれないようにすることにあります。

つまり、リモートワークと識学のマネジメント法は相性が良いのです。

こうして世の中が変わり、風穴が開いたのだから、ダメな組織は一気に変わるチャンスです。

繰り返しになりますが、リーダーが部下と距離を置くのは、「平等性」を保つためです。

「この組織は平等だ」という認識を全員が共有していることが大切です。厳密な意味で「平等を保つ」というのはとても難しいことです。

ただ、部下との距離が近いと、平等にしているつもりでも「なんか、あの人にえこひいきしているんじゃないか」といった印象を持たれやすくなります。

お互いの距離が近いと、ちょっとした差が大きなものに感じます。

例えば、新幹線で隣り合わせた人に、間の「手すり」を使われると、イラっとするはずです。

1メートルしか離れていなかったら、10センチの差ですら「大きな差」に感じます。100メートルも離れていれば、10センチの差は「誤差」になります。

日本人は、南米大陸やアフリカ大陸の国際問題には無関心でも、韓国や中国など、隣国の問題には感情がむき出しになりますよね。会社でも同じです。

だから、部下とはできるだけ距離をあけたほうがいいのです。

小集団をつくってしまう「残念なリーダー」


距離が近いことは、こんな弊害を引き起こします。

これはある販売会社のリーダーの話です。

そのリーダーは日ごろからよく社長の指示に反発していました。そこで彼がとった行動は、部下達を味方につけて「小集団」を形成し、自分たちだけのやり方で勝手に仕事を進めることでした。

社長を敵とみなしたことで、明らかに組織が分断してしまったのです。

このようなリーダーは、よく現れます。

以前のnoteで説明したように、組織の枠を外れてしまっているひとが要注意人物です。

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そういった人達が、出世して権限を持ち始めると、上に反発しながら仲間を増やすような態度を示します。

「自分たちを納得させないと、会社を辞めるぞ」ということを言い出す人もいます。たまたま派閥に分かれて、会社が分社化したりすることがありますが、内部では、こんなことが起こっていたのです。

社長の指示に従わないような管理職は、本来なら降格させるべきです。

リーダーになった以上、上の指示に従いつつ、部下達をマネジメントする責任があります。その「位置」にいることを自覚しなくてはいけません。

先ほどのリーダーは、辞めることをちらつかせながら社長をコントロールしようとしました。その上司である社長が、それに従ってしまうと、位置のズレが起こります。

社長がとるべき態度は、「いやなら辞めてもらって構わない。ただし、残るのであれば、私の決めたルールに従ってもらう」ということを伝えるだけです。

識学を導入し、社長の意識を変え、「軸」をブレさせないようにしました。

すると、最終的には、そのリーダーも退職を考え直し、ルールを守るように変化したそうです。

もし、社長がリーダーの言いなりになってしまって、いうことを聞いてしまったら、他の社員はどう思うでしょうか。

「言ったもの勝ち」になりますよね。そうなった瞬間、その会社は組織として終わります。

それぞれの「位置」を確かめることは、それほど大きなピンチからも組織を救う行為なのです。

飲みにケーションは完全に終わった

「あとで飲みに誘って指導しよう」
「2人で飯に行って本音を聞き出そう」

まだ、業務中にこんなことを考え、業務外で部下と仕事のコミュニケーションを取ろうとしていませんか?

そんなマネジメントは、コロナによって失われました。

業務中に指摘すべきことは業務中に指摘する。当たり前のことです。そのためにも、意識的に距離をあけましょう。

世間には「言い訳を聞いてあげるのがいい上司だ」という風潮があります。

上司が部下に対して「わかるわかる。気持ちはわかるけどさ。頑張っていこうよ。」みたいに言ってしまいます。そういう状況はまずいのです。

既にこれまで仲良くやってきてしまった人も、まず距離を置いてみてください。もし、急に距離を置くことに躊躇するのであれば、一度素直に説明するのも良いでしょう。

「このチームをどのチームよりも強くしたいし、みんなにもどこの部下よりも成長してほしいから、今日からやり方を変えます」と宣言するのも有効です。

そう説明しておけば、「ちょっと飲みに行きましょうよ」「ランチ行きましょう」と誘われても、「やり方を変えた」と言って断れるはずです。

ちなみに、識学では忘年会はやりません。年内最終日の就業のタイミングで、ちょっと缶ビールをあけるくらいのことはしていますが、皆で騒ぐようなことは一切ありません。

リーダーには、「割り切り」も大事になってくる場面があります。

「あの人、最近ちょっと冷たくなったよね」そんな声が聞こえてきたら、リーダーにふさわしい行動ができている証ですよ!