空を見た。

歩きながら、空を見た

10歩　歩いては、空の写真を撮った

一粒万倍日の空は、
美しすぎて　眩しすぎて

アイスブルーの海に
ドライアイスをのせて
さらに そこから生まれるスモークを
ふんわりと泳がせたような

あるいは、
青と白の絵の具だけを
厚く乗せたり
薄く広げたり
混ぜたり
重ねたりしながら
キャンバスを埋めたような

それを唯一無二の宇宙のライトで
目映く、でも  あたたかく照らす

少ない彩りだけで織り成す
繊細なグラデーション

それもまた　刻一刻と変わり
その瞬間の空は、
たった一つしかない

青さ、さえも
次の瞬間　違って写る

それらをすべて　目に焼き付けたくて
それらの一部でも　写真に残したくて

歩いては　足を止め　
スマホを天に向ける
スマホを下ろしては　
また歩く

何かいいことありそうね、と
無条件に期待させてくれる

つまらないことも
くだらないことも
ちっぽけなことだ、と
無条件に教えてくれる

そして、
この空のもとで
自分が自分を大好きなら
それでいいじゃないか、
大好きな自分でいることが
一番大事なことじゃないか、
と　自信をくれる

空だけは、
めんどうなわたしを
いとも 簡単に
しあわせにしてくれる