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湖畔吟 弍

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ニ○ニ四年
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#料理

「中」

「中」

◇刀削麺

くの字に曲がった特殊な包丁を用いて生地を削り出し麺状にする中国の伝統的な麺料理であり、また最も一般的な麺料理でもある。

麺は幅が広く厚さはまばらで弾力があり食べ応えが強い。ゆえに咀嚼が多くなり麺は甘く感じる、また必然としてゆっくり食べる事になるので満腹にもなりやすい。

この「腹いっぱい」という感覚を中国大衆料理は大切にしてるのだろうという事が伝わってくる。

今でこそ分からないが、

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「感」

「感」

◇「今っぽい日本酒」

ずっと意味が分からなかった言葉で、このワードが話の中で出てくると少々困った。

しかし先日ある日本酒イベントへ行き複数の蔵のブースで話を聞いていたら「こういうことか!」と腹落ちする出来事があった。

誰かに教えてもらった訳ではない。それぞれのブースを周る中でそれぞれオススメされた酒が「ある共通の特徴を持っている」それに気がついただけである。

とはいえ自分は“ソレ”を求めて

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「愛」

「愛」

◇以前noteの記事に書いた、ある有名人が愛する“世界一の焼肉定食”を提供するお店が突然閉店した。1969年創業だから55年営業した事になる。

田舎の住宅街にある昔ながらの定食屋さんである。まだ有名人になるずっと前の事。通う学校のほど近くにあるこのお店で焼肉定食をよく食べたのだという。

その後、有名になってからも不定期に通っていたようで店内には店主と共に撮った写真が飾ってあった。

出来上がる

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「粋」

「粋」

菓子は滅多に食べないのだけど
小腹が空き探してみたら賞味期限が切れた駄菓子が同銘柄の味違い3種出てきた。

自分は賞味期限が大変いい加減なものだと思っており自分の味覚と嗅覚を信じているゆえ躊躇なく食った。

不思議なもんでふと食べた菓子にも発見はある。
中でも一つだけ「味が少し濃く」作られていて、これにハッとした。

リピートするお店、何度でも食べる商品、ふと思い出す味。
そういうのは食だけではな

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「家」

「家」

いつだったか味覚に関する本を読んで「家庭料理が最高の料理」そう書いてあった。誰の本だったのかは忘れた。

しかしこれは非常に当たり前の事で、誰しも経験がある。仲間と飲む酒は旨いし、懐かしい味は落ち着くし、好きな人が作った料理は美味しいだろう。

味とは味覚だけではない。だから器に拘ったり、雰囲気に拘ったり、見せ方に拘ったりもする、普通のこと。

逆に言えば、いくら技術が優れた美味なる料理であっても

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