【小説】あと36日で新型コロナウイルスは終わります。
~ネットカフェでお財布が消えた。犯人はだれ⁉~
「財布を盗まれました!!」
お客さんにそう言われた試用期間中のスタッフは、すぐに店長を呼んだ。
店長がお客さんから簡単に状況を聞いたが、ネカフェとしてはそれ以上やれることはなかった。
そのお客さんは、彼自身で110番した。彼は少し震える声で、電話に出た警察官に状況を説明した。
「昨日から、ネットカフェの⚫⚫支店に泊まっていたんですけど、そこで財布を盗まれました。」
少しすると、サイレンを鳴らしながら、パトカーが1台到着した。
パトカーから警察官が降りてくると、そのお客さんに簡単に事情を聞いた。
その警察官は店長に、監視カメラの映像を見てもいいかどうか聞いた。
店長はすぐに、
「本部に確認します。」
と言ってバックヤードに消えて行った。
そのお客さんの話をまとめると、次のようであった。
✔仕事が終わった後、昨日の夜9時に入店した。
✔喫煙のフルフラットシートを選択した。
✔一時間もしないうちに眠ってしまった。つまり、夜10時頃、寝た。
✔何時とはハッキリ言えないが、たぶん午前3時頃、自分のブースのドアが閉まるのが見えた。
✔誰か間違って開けてしまったのだと思い、特に気にせずにそのまま寝続けた。過去にも似たようなことがあったので。
✔朝10時頃、目が覚めた。財布が無くなっていた。
✔ブースの中も、カバンの中も捜したがなかった。
✔念のため、トイレやドリンクバーを捜したがなかった。
✔受付でスタッフにも聞いてみたが、財布が届けられていることはなかった。
「それで、『盗まれた』と思って連絡をくれたんだ? じゃあ、次はこちらからいくつか質問させてもらうけど、財布は元々あったのかな? つまり、財布を持って入店したのかな?」
そう聞かれたお客さんは目をパチクリさせた。
「持っていましたよ!財布からここの会員証を出して受付をしたんだから!」
「次に、財布は店内で落としていないかな?」
「落としていないです!」
「というのも、財布を盗まれたか、それとも、落とした財布を拾って届けていないだけなのかで、罪も捜査方法も全く違ってくるんだよね?」
その警察官の言葉で、そのお客さんもスタッフも居合わせた別のお客さんもコトの重大性がヒシヒシと伝わってきた。
新型コロナウイルスが終わるまで、
あと36日。
これは、フィクションです。
◆自殺を防止するために厚生労働省のホームページで紹介している主な悩み相談窓口
▼いのちの電話 0570・783・556(午前10時~午後10時)、0120・783・556(午後4時~同9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)
▼こころの健康相談統一ダイヤル 0570・064・556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)
▼よりそいホットライン 0120・279・338(24時間対応) 岩手、宮城、福島各県からは0120・279・226(24時間対応)
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