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ASD・ADHDの娘がひとりで学校に行った日の「ごめんね」

「ぼく、ひとりで学校いけるよ」

大好きな姉に影響をうけて自分のことを「ぼく」という次女は
いつしかそう言いだすようになった。

昨日の彼女もそれは頼もしく

4月も後半に入った。
小3の長女は、最初の週こそ頑張ってくれたものの
翌週からはまた不登校気味に。
時期に、小学校に到着すると涙が出て教室に入れなくなった。

昨日の朝も長女は涙が出て、校舎に入ることができなかった。
とはいえ私も復帰後初出勤を控えている状況。
付き添って戻るのも難しかった。
私は仕事に向かうことにし、
保育園送りの支度をしていた夫に連絡。
急いで迎えに来てもらったりとバタバタする中。

「今日は、キッズクラブだよね〜」

と言いながら、ひとり教室に消えていく小2次女。

長女を慰めるでもなく。
ずるいと怒るでもなく。

その小さな背中は
いつの間にこんなに頼もしくなったのだろう。
涙の長女の手を握りながら。
次女のその背中も、ちゃんと押してあげればよかった。

いつもくっついている姉妹

急にその日はやってくる

そして今朝。
「学校。今日はどうしたい?」と聞くと
休みたい。と長女。

夫に在宅勤務にしてもらい、
私は保育園に向かう。
小学校と保育園はだいぶ距離がある。
私の方でどちらも送り出すなら急いで支度しないとと焦っていると、次女が言い出した。

「よし、ぼくは今日ひとりで行くよ!」

ほ、ほんとに?
と私は思わず言った。
もはやそれしかないことを
ここにいる小さな彼女はわかっていたようだった。

ひとりで学校に行く。
その練習は何度も重ねてはいた。
GPSも買ったし
その使い方も繰り返し説明した。

でも
私にとってはあまりにも突然のことのように感じた。

大丈夫なの?まぁ次女ちゃんなら大丈夫だとは思うけど……
私は、私に言い聞かせるように呟いていた。

不安気な私をそのままに
GPSでチャットを送る練習を繰り返す夫と次女。


そして

「よし、これがあれば、帰りもひとりで帰れるよ!今日はひとりで帰る!」
と次女は言う。

「わかったよ。
じゃあ、お約束ね。お約束はふたつ」


夫がわかりやすい言葉を選んで
次女に帰る時のルールを教える。

「1、みんなと同じ通学路で帰る
2、知らない人についていかない。
ぜったい守ってね。約束だよ」

「わかったよ!」

母が双子の布団をひっぺがして着替えさせているうちに、あれよあれよと話は進んでいた。

次女の瞳が、どんどんキラキラ輝いていく。

その様子を
次はオムツに大量のう〇ちをした三男を追いかけ回しながら
母は見ていた。

こっちは心配で心配で心配でも
きっと彼女はずっとこうしたかったのだ。
そう思った。

GPSはBoT。使用感いつかレポしようかな

彼女が「ASD」「ADHD」と分かるまで

保育園通園中に、
療育に行き、「ASD」「ADHD」の診断を受けた次女。

保育園の幼児クラスに上がってから
次女は毎朝「保育園いきたくない」と泣いていた。

集団行動をきっちり行うタイプの保育園。
体操を多く取り入れて
目標に向かってみんなでがんばっていく。
スポーツをしている親としてはそこを気に入っていたわけだが
そんなの子どもには知ったこっちゃない。

集団行動は、
その場で言われたことを理解してすぐ行動に移すという行為。
それが、彼女には相当難しかったようだ。

「ぼくにはむずかしいんだもん」
「ぜったいできないよ」

みんながじゃんけん電車やしっぽ取りなどしている中で
そう言って教室や園庭の隅っこで涙しているところを目撃することもしばしば。

教室でのお話は、聞いているように見えても
実際には今みんなが何をしているのかも把握していなかったりした。

このまま小学校に上がっても、クラスの中に埋もれて
「先生わかりません」が言えずに
人知れず置いて行かれて
どんどん「楽しくない」ことが増えてしまうのだろう。

今ここで療育にいくのに、私も夫も迷いはなかった。


いつもベビーカーをおしてくれる次女




話もできるし
文字の読み書きも多少できて
じっとしていられないタイプでもない。

一見すると、次女はなんの問題もない普通の子だ。
でもひとたび集団の中に入って、
その中の一員として話を聞くと、
それを自分ごとに捉えるのが難しかった。


「それって……ぼくにもいってる……?」

と、ぽわぽわしていて、
話が意識から遠のいていく。
そのうち、話が終わりみんなが動き出してから
「みんな……なにをしてるんだろ……」

と、手探りでなんとな〜く動いていたのだった。


彼女の特性として「不注意」があげられること。
「聴覚」からの情報にはまだまだ弱いので
「視覚化」を意識して、別途繰り返し説明するなど。

療育で対応策を聞いて
どんな風に向き合っていけばいいのか
わかってからは、
園でも家でも生活がぐっとスムーズになった。


「今まで、相当に大変だったし、頑張っていたんだと思いますよ。
話がわからないなりに、なんとなく皆がやってるな、というのを見て、マネして、合わせようと。
それってすごい、ストレスもたまるし……泣いちゃう気持ちも分かりますよね」

療育の心理士の方が次女を優しく見つめて言った。
次女の真摯さに気づいて、涙が出た。

ああもっと早くに気づきたかったと思った私たち夫婦に
「よく、決意され、来てくださいました」
とその方はまっすぐ見つめて言った。

救われる思いだった。


そこからの彼女はぐんぐん伸びた。
保育園では、彼女が得意なことは積極的に「お手本」として前に立たせてくれるなどの配慮もあり、
みんなからの「すごい!」は、
彼女の背中をぐっと後押しした。

最終的には年長さんで
跳び箱10段を跳び
逆立ち歩きで86歩歩くほどになった。(!!!)

「大人でも、なかなかできないことだよ。
本当にすごいよ」
私と夫は何度もそういった。

「へへ、ぼくってできちゃうんだよ!」

子供が伸び伸びと自分のことを語る。
その瞬間ってなんて美しいんだろう、と思う。


次女に甘えすぎないように(自分への戒め)

『パパかえるよ』

今日の学校の終了時間。
次女のGPSから送られたメッセージをスマホにて確認。
その後、自宅に無事に到着した通知も届いて
安堵した私は、その後そそくさと仕事に戻った。

帰り道、間もなく家に到着というときに、
次女の新しい担任の先生から電話が入る。

次女が最近、腕とか足とか、
どっかしらが痛いと言って授業中に休みたがったり
体育を見学すると訴えたりすること。
その後、実際には昼休みは元気に走り回っていること。
夜に起きて寝られないことがあると言っていること。

そんなこんなで、なにかしら理由をつけては不満を漏らしているということで、学校に行きたくないと思っているのではとの心配の電話だった。

先生も代わり、教室も代わり、
個別教室にも新しい生徒が入り。
ストレスも多いのか、周りの騒がしさに
「うるさ~~~い!!!」とキレることもあるそうだった。

……反省した。
完全に私たちは彼女に頼りすぎていたのだ。

家では最近

「ぼくにできることはなんでもやるよ。いつでも言ってね!」

が口癖で、いそいそとおもちゃを片づけたり
掃除機をばたばたと出してきてかけたりしていた。

今思えば、そうすることで
大人にもっと目を向けてほしかったんだろうな。
今更ながらに気づいた。

「いつもありがとう」
「毎日がんばってるね」
「先生もみんな気にしているってよ」
「なにかあったら言ってね」

次女のための時間を取る。
正直、難しい。
5人のこどもたち。
目まぐるしく、その日の家事育児ノルマを達成することで息切れで
「たくさん時間をとってあげる」は難しいかもしれない。

でも、今夜眠る前のこの時間だけは。
彼女のそばで彼女の眼を見て
彼女だけにささやいた。

うん、うん、と眠そうな目の目じりを下げて
次女は私の耳をふにふにと触りながら
安心したように眠りに落ちた。


いつもお疲れ様。
いつもありがとう。


手も足りてないし。
きっと言葉も足りてない。
長女にももっとできることがきっとあるし、
次女にはまだまだ我慢もさせる。
双子も、泣きながら保育園に行く日もあるし
三男も疲れて夕方にはぐったり。

5児の母として
1人の母として人間として
まだまだ未熟なのだと日々思い知るけれど。

長女「ママがいてくれればそれでいい」(真剣っ)

次女「ママ大好き💛」+ (^ε^)-☆Chu!!

双子兄「ママって一番好きだけど!」(ツンデレ)

双子弟「みゃみゃ~~だいすち、にゃ💛」(甘えるとネコ化)

三男「ンマ”マ”アアアアア~~~~~~~!!!!!」(号泣)

5児から愛の言葉、いただきました(重め)

それぞれからの愛の言葉を胸に
頑張ろうと思う私でした。


み~~~~~んな、がんばってる!!!
もちろん私もです!えらいぞっ!!

今日もお疲れ様です!!!


こんなんもかいてます


#自閉症 #ASD#ADHD#不登校#子育て#育児

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