あわや詩朋&横須賀しおん

詩人、エッセイスト、ときどき作詞家。「本から生まれたエッセイの本」「24色のエッセイ」…

あわや詩朋&横須賀しおん

詩人、エッセイスト、ときどき作詞家。「本から生まれたエッセイの本」「24色のエッセイ」(みらいパブリッシング)共著。「子どものための少年詩集2022」共著。越日文化交流フェスティバルイメージソングCD「Cảm ơn ありがとう」補作詞。「いつだってアイはあのころのまま」著者。

最近の記事

【リブリオエッセイ】古代史をアップデートする方法

▼2024年4月 ふみサロ課題本 「世界をアップデートする方法」篠原 信 集英社 ▼本文  古代史をアップデートする方法  古代史の知識がアップデートできるカンタンな方法。それは、阿波の古代史について学ぶ事である。邪馬台国(ヤマタイコク)論争(邪馬台国の所在地に関する議論)は、既に詰んでいる。読み方が間違っているだけの話。「邪馬台」の正しい読みは「ヤマト」。「台」が曲者で、難しい漢字なので「台」に置き換えられてしまった事が原因で、迷宮入りしてしまっているに過ぎないのであ

    • 【リブリオエッセイ】満ちて逝く

      ▼2024年3月 ふみサロ課題本 「猫鳴り」沼田まほかる 双葉文庫 ▼本文      満ちて逝く  2023年1月、父が亡くなった。享年88歳。亡くなる1ヶ月ぐらい前から脳死に近い状態になっていた。このまま延命治療を続けても意識が戻る可能性はゼロに等しい。そう医師から告げられた時に、家族が選んだ選択肢は安楽死だった。やがて静かに息を引き取った父。お通夜に遺体と一夜を共にした妹によると、父は棺の中で、これ以上に無いほど安らかな笑顔で微笑んでいたそうだ。私は無念のあまり、凝

      • 【リブリオエッセイ】ファミリーヒストリー

        ▼2024年2月 ふみサロ課題本 「先祖探偵」新川帆立 ハルキ文庫 ▼本文  (私の本名の)ファミリー・ヒストリー         (注:横須賀はペンネームに付き、本名ではありません)  私の本家は、宮家がルーツである。徳島県に多く見られる姓だが、地名や神社に残っており、奈良時代から存在していた。戦国時代に織田信長との戦いに敗れて以降、阿波では地方豪族として隠れ住んでいたが、男系は途切れず、現在の本家は大阪に移り住んでいると言う。  私は数ある分家の一つに過ぎない

        • 【リブリオエッセイ】空耳?!イングリッシュ

          ▼2024年1月 ふみサロ課題本 「カタカナ英会話」甲斐ナオミ 株式会社Gakken ▼本文     空耳?!イングリッシュ  一番手っ取り早く何かを習得できる方法って何だろう?  それは、人一倍強い動機と好奇心を持つ事ではないだろうか……  言葉に対する興味が強かった子供の頃の私にとって、ゴダイゴの登場は衝撃的だった。小学5年生の時に始まったTVドラマ「西遊記」の、アチョーッで始まる「♪モンキー・マジック」は、脳内で勝手にカタカナ変換して、何度も歌った初めての英

        【リブリオエッセイ】古代史をアップデートする方法

          【リブリオエッセイ】神社が変えた私の人生

          ▼2023年12月 ふみサロ課題本 「成功している人は、なぜ神社に行くのか?」八木龍平 サンマーク出版 ▼本文     神社が変えた私の人生  ずっと神様の存在は信じていた。心の中にいるのが神様だと信じていたからである。子供の頃、神社は遊び場の一つだった。成人してからは観光地と同じように捉えるようになり、おみくじを引くのを楽しみにしながら御参りをしていた。しかし、それでは何かが足りなかったのかもしれない。いろんな事が、あと少しというところで不思議と上手くいかなくなって

          【リブリオエッセイ】神社が変えた私の人生

          【リブリオエッセイ】詩の言葉はすべてを癒す~後藤○○の遺した言葉~

          ▼2023年11月 ふみサロ課題本 「壁の乗り越え方」さとうりゅうとう みらいパブリッシング ▼本文     詩の言葉はすべてを癒す~後藤○○の遺した言葉~  人生最大の与えられたギフト。それは26歳の時、会社の仕事からの帰宅途中に起こしてしまった人身事故かもしれない。私はシートベルトをしていた為、内出血だけで済んだが、お相手の方はシートベルトをしていなかった為、顔面から流血しており、フロントガラス越しに忌まわしい映像を見てしまった。しばらくの間、トラウマになった。もし

          【リブリオエッセイ】詩の言葉はすべてを癒す~後藤○○の遺した言葉~

          【リブリオエッセイ】騙しSNSの牙 

          ▼2023年10月 ふみサロ課題本 「騙し絵の牙」塩田武士 角川文庫  ▼本文   騙しSNSの牙  まだパソコン通信が主流だった頃、映画好きの集まるチャットに参加していた。メンバーは互いにハンドルネームで呼びあい、プロフィールは投稿から想像するしかなかった。暫くして私の推しは、”コン太”さんになった。”コン太”さん=男性で、めっちゃ自分と波長の会う人だと完全に思い込んでいた。しかし、オフ会で会ってみたところ、”コン太”さん=女性で、びっくりした事があった。投稿を遡ってみ

          【リブリオエッセイ】騙しSNSの牙 

          【私的リブリオエッセイ論】 エッセイにはアレを書け!

          ▼2023年9月ふみサロ課題本 「パン屋ではおにぎりを売れ 柿内尚文」かんき出版  ▼本文 エッセイにはアレを書け!  終わりよければすべてよし……と、乗っけから”終わり”という言葉で始めてみる。駄作が一編もないと評されている小説家の三島由紀夫は、小説を書き始める時、まず一番最初に決めるのが、結びの1行だったと言われている。その作品で訴えたい世界観を明確に確定させてから、全てがそのフィナーレに向かって進んでいくように書き上げていくというのである。なるほど、確かにこのよ

          【私的リブリオエッセイ論】 エッセイにはアレを書け!

          【リブリオエッセイ】 動作は世代で途絶える。詩と物語は世代を超える。

          ▼2023年8月ふみサロ課題本 「絶滅危惧動作図鑑 藪本晶子」祥伝社  ▼本文  むかしむかし、私がまだ子どもだった頃、実家は居間と納屋とに分かれていた。納屋では祖父が杵を振りかざし、祖母が石臼の餅米を捏ねて、お正月用の丸餅を作るのが年末の恒例行事だった。しかし、両親は、これを継がなかった。全自動餅つき機を購入して以降、いつの間にか、杵も臼も処分されていた。  今は亡き父の仕事は、左官(建物の壁を塗る職人)だった。要領よくコテを動かし、漆喰の壁を完成させていく。建築現場

          【リブリオエッセイ】 動作は世代で途絶える。詩と物語は世代を超える。

          【リブリオエッセイ】書かずにいられないという病(やまい)

          ▼2023年7月ふみサロ課題本 「失敗の科学」マシューサイド(ディスカバー・トウェンティワン)  ▼本文  私が初めて発病したのは、中学1年生の時。1万文字ぐらいの小説。内容はロボットものSF。(機動戦士ガンダムの影響)遊び感覚で夢中で書いた。初めて作詞したのが、中学3年生の時。日本語歌詞も英語歌詞も両方書いていた。遊び感覚だと、好きなように、楽しく書ける。大学4年生になった時、何の根拠もなく大学で一番ハイレベルな卒業論文を書いてみたいと思うようになった。専門書を10冊以上

          【リブリオエッセイ】書かずにいられないという病(やまい)

          【リブリオエッセイ】魂の教育

          ▼2023年6月ふみサロ課題本「記憶する体」伊藤亜紗(春秋社)  ▼本文  今、日本で若者の死因の第1位は自殺である。何故か? 学校で“魂の教育”をしていないからである。現代に生きる日本の若者の中で、大和魂を理解している若者はほとんどいない(皆無ではない事が一筋の光明である)。若者は何故、自殺するのか? 死ねばすべてが終わると、勘違いしているからである。実際には、自殺する事によって肉体は滅んでも、霊は残っている。自殺した霊には、その後、更なる試練が待ち受けている。  

          【リブリオエッセイ】魂の教育

          【リブリオ小説】好きです☆よ〜言わんけど

          ▼2023年5月ふみサロ課題本 「その本は」ヨシタケシンスケ著、又吉直樹著(ポプラ社) ▼本文  その本は、好きなのが誰なのか悟られたくない中学生男女4人の、本音の言えない葛藤を描いた、片想い専科のアオハル心理小説だった。 —    —     —     —      —      —  テレビで河合奈保子の「ラブレター」が流れていた頃、男女入り混じった4人の中学生が卒業を間近にして、グループで交換ノートを始めた。 稲田幸子「中学最後の思い出に、今日から交換ノートを始め

          【リブリオ小説】好きです☆よ〜言わんけど

          【リブリオエッセイ】創作ノートの魔力

          ▼2023年4月ふみサロ課題本「メモの魔力」前田裕二(幻冬舎) ▼本文  勉強以外の目的でノートを使い始めたのは、いつだったろうか? 8歳の頃、特撮が大好きだった僕は、空想怪獣ノートを作り、ページごとに1体ずつ自分で考えたオリジナル怪獣のデザインを描き、名前を決め、特徴も一緒に合わせて書き込んだ。「怪獣図鑑」の真似事から始めたのである。  双六ゲームが大好きだった僕は、10歳頃から創作ゲームノートを始めた。ページごとに自分で考えたオリジナルのゲームを書いていくのである。

          【リブリオエッセイ】創作ノートの魔力