【リブリオエッセイ】魂の教育

▼2023年6月ふみサロ課題本「記憶する体」伊藤亜紗(春秋社)

 ▼本文

 今、日本で若者の死因の第1位は自殺である。何故か? 学校で“魂の教育”をしていないからである。現代に生きる日本の若者の中で、大和魂を理解している若者はほとんどいない(皆無ではない事が一筋の光明である)。若者は何故、自殺するのか? 死ねばすべてが終わると、勘違いしているからである。実際には、自殺する事によって肉体は滅んでも、霊は残っている。自殺した霊には、その後、更なる試練が待ち受けている。
 
 魂の教育は、第二次大戦前の“修身”の教科書でなら、多少学ぶ事が出来ていた。しかし、それ以降、戦後GHQの検閲によって作られた教科書からは、魂の教育が抜け落ちた。日本の教科書から神社が消えた……古事記が消えた……若者は、自分たちが何者であるかを知らない。成れの果てが若者の死因第1位が自殺である。
 
 自殺した若者の肉体は、ほとんどが健常者の肉体だったはずだ。しかし、彼らは、健常者に生まれている事に対して、幸せを感じる事ができなかった。一方、障がいを持つ肉体に生まれていても、日々幸せを感じながら長生きしている人たちもいる。両者は何が違うのか? 霊性が大きく違うのである。障がいを持つ肉体の中に宿っている霊にとっては、毎日がたくさんの克服すべき課題の連続であるが、それが、霊性のレベルをどんどん引き上げていく。私の父は、私が26歳の時に、事故で後天的に車椅子の障がい者になった。子どもの頃の私は、父の人柄に納得できない事も多く嫌いな部分も多少あったが、障がい者になってから以降の父は生まれ変わったような存在となり、やがて神のような存在となり、私の人生に多大なる影響を与えた。
 
 魂の教育が、学校の教科書では成されない時代に変わってしまったからこそ、神は「鬼滅の刃」のようなアニメを世に放ったような気がしてならない。少子化が叫ばれて久しく子どもの数は減る一方だが、最近は親世代よりも遥かに賢く、霊性の高い子どもの生まれる確率が高まっている。彼らの肉体はまだ小さくとも、欺瞞だらけの大人社会の矛盾に既に気づいている。彼らがきっと未来の日本を救うはずだ。今の日本に一番必要な教育は、今を生きる子ども達に対する魂の教育であると私は思う。

▼今回の作品の執筆意図
 私達は幼稚園で嘘つきはいけませんと教えられる。しかし、歴史教科書には、実際にはなかった南京大虐殺があったなどという大嘘が、堂々と書かれている歴史教科書で学ぶ事を強制されている。日本の歴史教科書は、日本の若者にとっての”ガン”である。この”ガン”を取り除かなければ、日本人の自己肯定感は上がらない。教科書は真面目に学ぶと、日本人に生まれた事が恥ずかしいと思わされるように作られている。日本人に生まれた事が恥ずかしいと思っている限り、若者の自殺は止まらない。

 ”魂の教育”とは、学ぶ事によって、日本人に生まれて良かった、ご先祖様は偉大だったと自己肯定感の上がる教育を指している。教科書が”ガン”なので、それを治す治療薬は”古事記”や映画、アニメ(見終わった後、日本人に生まれて良かったなと思えるもの)等である。親子で古事記を学ぶ等、教科書以外のものを利用して子供の自己肯定感を上げていく必要があると思う。


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