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深堀り鑑賞会

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絵本等を、その時代的社会的背景、類似の作品、元となった話と変遷などを確認しながら掘り下げて鑑賞します。
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#英国童謡

『幸福の王子』と『燕と王子』

『幸福の王子』と『燕と王子』

オスカー・ワイルドの名作『幸福の王子』はご自身でも読まれた方は多いと思います。この話を、有島武郎は『燕と王子』として独自のストリーを作っています。ワイルドは、物語の最後で、神の命により遣わされた天使は、この世で最も尊きものとして、捨てられた王子の心臓と燕の屍を持ってきます。しかし、有島武郎の物語では、燕は南国に旅立ち、捨てられた王子は溶かされて鐘に作り変えられます。ワイルドは、精神の美しさと見かけ

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クリストファー・ロビンの詩

クリストファー・ロビンの詩

『クマのプーさん』が絵本として出来上がったのは、新聞・雑誌に寄稿していた詩、クリストファー・ロビンの詩(のちにWhen We Were Very Youngに収められている)が好評をえたことがきっかけでした。

息子、クリストファー・ロビンが3歳になるころ、子供のための詩を書き始め、それをまとめたもの。その後、クリストファーが6歳のころ、『わたしは六歳(”Now We are Six”, 1927

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Peter Rabbit作品集

Peter Rabbit作品集

はじめに
2022年に出版120周年を迎えたピーターラビット。1893年にBeatrix PotterがPotter自身が教わった3歳年上の家庭教師Annie Carter Mooreの息子(5歳のNoel Moore)が入院しているのを知り、励ますために、4匹のウサギが登場するストリーの絵手紙を送っている。後に、Annieから、この手紙で絵本が作れるのではないかと言われ、絵と話を膨らまして絵本を

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Winnie the Pooh (くまのプーさん)

Winnie the Pooh (くまのプーさん)

fTitle: Winnie-the-Pooh
Author: A. A. Milne
Illustrator: Ernest H. Shepard

このnoteは、Gutenberug eBookが公開しているテキストと絵を、同プロジェクトの使用条件に即して使用し、note筆者が仮訳を加えたものを使用しています。このnoteの複製、転載はしないでください。商業的目的でない朗読等の他引用等はno

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