夫婦仲を良好に保つ不倫の効果的な利用法
最近、不倫問題がにぎわっている。不倫は「悪」ということになっているので、不倫した本人は窮地にたたされ、悪口を言われホントお気の毒。そうそう今日は、お気の毒な方についてあれこれ書こうと思っているわけではない。
不倫を「悪」だと決めつけるより、「そんなこともあるかもね」と考える方が結果的に夫婦関係がうまくいくということを声を大にして言いたいんだった。
といっても不倫を肯定しているわけではない。知人の真面目夫不倫事件をきっかけに考えがガラッと変わったのだ。
知人A子は結婚5年目。真面目な優しい夫に可愛い子供にも恵まれ仕事も順調。周囲からは幸せいっぱいにしか見えなかった。
本人もそれを自覚しており、少々幸せの上にあぐらをかいていたところがあったようだ。
そんな幸せいっぱいな日常のある平日、夫から財布を忘れたから駅までもってきて欲しいと連絡があった。
A子が財布の中身を確認したところ、異物発見。こんなもの財布に入れて一体全体誰と使うつもりなのか。浮気の動かぬ証拠となったのは言うまでもない。
その夜、浮気の決定的証拠をつきつけ詰め寄ったところ、あろうことか真面目夫はお守りだと言い張った。
お守りとして異物を入れるのが流行っているのだとか。そんな話聞いたことないし、ツイッターでトレンド入りしているのを見かけたこともないし、明らかに嘘だと普通なら思うはず。
それなのにA子ときたらまさか真面目夫が浮気なんてするわけがないと、異物お守り説を信じてしまったのだ。
まんまと騙しとおせたことに味をしめた真面目夫こと不良夫は、その後も女との密会のためか毎日午前様という補導されても仕方ない時間に帰宅していた。
それでも夫を信じきっていたお目出度いA子。久しぶりに会った女友達に完全に黒だと指摘されても半信半疑だった。
完全に信じ切っていたけれども、賢い友人のおかげで半分疑えるようになったA子。思い切ってスマホをチェックしてみることにしところ……。
そこにはなんと、ふたりの愛の痕跡が生々しくのこっていたのだ。
ここからはご想像通りの修羅場と化した。そしてもめにもめ人生で最悪な出来事のひとつになるはずであったが、そうはならなかったからビックリである。
「A子また騙されたのか! 」と思ったかもしれない。いやそうじゃなくて。この修羅場を夫婦関係を良好にするための学びとしたのだ。
A子は夫と出会ってから今までのことを振り返り、何が真面目夫を不良夫にしてしまったのか考えに考え、自分の結婚観に愕然とした。
夫の不倫はA子に責任があるわけではなく、不倫した当人の問題であるけれども、境界線を越える背中を押してしまった部分もあるかもしれないと思ったようだ。
真面目夫を不良夫に変えてしまったかもしれないA子の結婚観とは、結婚は相手を所有することであるというもの。お互い自分のものになったのだから、付き合っていた頃のように努力せずとも愛はデフォルト設定され、他に目がいくことなんてことはないと信じていたのだ。
真面目夫不倫事件で彼女の結婚観はガタガタと崩れさることになる。
この結婚観。なんとなくわからなくもないと思うのだ。結婚して他に好きな人ができたとなると、正義を武器に問答無用で不倫した方が悪いとなる。絶対にしてはいけないことだし、まるで犯罪者扱いだ。
自粛警察ならぬ不倫警察が目を光らせてくれるおかげで、結婚すれば永遠の愛が約束されると思いがちだ。
結婚が妻だけを愛する約束だとするならば、誰にもとられることはないということであり、愛し愛される努力をしなくてもいいとA子のように勘違いしてしまう人がでてきても不思議はない。
A子はこの間違いに気づいたのだ。結婚してから夫への関心が薄れ、他の女性に目が行くなんてことはないと高をくくって、夫をないがしろにしてしまっていたことに。
「不倫は夫婦関係を見直すきっかけになったから、よかったのかもしれない。あのまま夫婦関係を続けていたら、どこかで限界が来たのではないかと思う」と話していたA子。
修羅場を学びに変えたことに脱帽である。
結婚は愛を保証するものではない。人の気持ちは常に変化しとどまることはないのだ。結婚生活を続けていくには、努力が必要である。夫婦はお互いの所有物ではなく、独立した個人であり、自分とは価値観が違うと肝に銘じておく方がうまくいくのではないかと感じる。
知人A子の真面目夫不倫事件は愛や結婚について考える機会を与えてくれ、学びや気づきをくれた。
そして夫や妻が不倫をすることもあるかもしれないと思っていた方が、夫婦の間に緊張感ができて、お互いを大切にし思いあえるのではないだろうかと思う今日この頃である。
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