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【ハーブ天然ものがたり】レモンバーム/メリッサ


歴代専門家のおすみつき


ハーブで探すならレモンバーム
精油で探すときはメリッサ
和名はコウスイハッカ(香水薄荷)といい
南ヨーロッパ原産のシソ科ハーブです。

ギリシア語でメリッサ(Melissa)はミツバチのことで、生まれてすぐクレタ島に隠されたゼウスは、メリッサの蜜で育てられたという神話があります。
実際ミツバチはメリッサの蜜を好み、養蜂用のハーブにもなっています。
最高品質のはちみつを得られるということで知る人ぞ知るメリッサハニーですが、なかなかの高級品でもあります。

メリッサは搾りたてのレモンと上品なはちみつをブレンドしたような、ほんのり甘さのある香りで古くから食用ハーブ、医療用にと活用されてきました。

生葉をこまかく刻んでマヨネーズにまぜると魚や鶏肉料理に合うメリッサ・タルタルになります。
フライやから揚げにもレモン汁がないときの代用品として、ハーブを振りかけるとさっぱり食べられます。
生葉ハーブがたくさん育った時は、細かく切ってジップロック冷凍しておくと、なにかと便利です。

古代ローマでは医者・植物学者のディオスコリデスと、博物学者のプリニウスが、メリッサには鎮痛作用、鎮痙作用があり、傷の治りをよくして、歯痛や喘息にもよいとしました。
古代ギリシャでは薬品として名高いハーブで「不老長寿の秘薬」と呼ばれました。

ヨーロッパでのメリッサ信仰には歴史的な背景があり、13世紀には毎朝飲むお茶によいと評判が高まり、1690年代にはメリッサのお茶を毎朝飲むことで
若さが戻り、頭が冴え、自然の老化を止めると支持されました。

メリッサ/レモンバームの特別な効能は数世紀にわたって、ハーブの研究文献に記され、著名な医者や植物学者に大絶賛されています。
スイスの医師であり錬金術師であったパラケルススは「若返りの妙薬」とし、医学の祖といわれるイブン・スィーナーは「心を明るくし陽気にする。生気を強める」と書きのこしました。


我慢パワーの顕示


メリッサ/レモンバームを育てるとその旺盛な繁殖力と生命力を実感できます。
北海道にすんでいたころ、寒さがきびしい冬期間に1カ月ほど留守にしてしまったことがあるのですが、オレガノ、タイム、メリッサのハーブポットで
次の春にいきおい芽吹いたのはメリッサだけでした。
ハーブ苗は安価で育てやすいのでおすすめです。

葉を乾燥したハーブティもまた入手しやすく、発汗作用にすぐれ、発熱や風邪の初期症状を鎮め、頭痛や息苦しさ、慢性の気管支炎にもよいといわれています。

メリッサの精油は採油にたくさんの葉と花をつかうことから、ローズよりも高価な場合が多いです。
かなり高額ではありますが偽和品ではない精油は神経系と循環器系に親和して、おだやかなサイクルをとりもどすといわれます。
とくにパニックやヒステリー状態を鎮めるにはメリッサの香りが役に立つという定評があり、うつ状態や不安症にも勧められる精油です。

痛みや怒りを外に向けて表現できずにいると、こころが腫れて痛みます。
抑圧の矛先は自身の内側にむかい、我慢パワーによって顕示することしかできません。
かくされた痛みや怒りは、見えない炎のように周囲へ広がってゆき、そのシグナルは(悲しいことに)憂さを晴らしたい攻撃的な人にとって、なにをしても反発してこない格好の餌食として認識される、ということもあると思います。

あるいは自身でも気がつかないうちに、自身より弱者とわかる相手に対して、無意識に悪戯、いじわる、憂さ晴らしのためのストレス発散をかましてしまう、ということも十分に起こりえます。

知性が感情を飲みこんでしまうと、行き過ぎた節度によってエネルギーの循環を阻みます。
してはいけないことリストでこころがパンパンに膨れ上がると、ちょっとした対立にもパニクッてしまう。

もちろんパニックやヒステリーが、そうした理由だけで起こるとは思っていませんが、こころのなかに、一部分だけ、ペシミストたちの陣地ができてしまって、なにをどうしたってオプティミスト勢との交わりを許さない。
ペシミスト勢のヤジと慇懃無礼な躾け作戦で、オプティミスト勢がへし折れそうになるその時、メリッサの香りは「生命のエリキシル」として悲観主義者たちを満足させ、心酔させ、ゆるすことを浸透させるのではないかな、と感じています。


ゆめちゃん(仮名)の思い出


20代~30代のころヨガインストラクターをしていました。
小さなお子さん連れOKのクラスに、ゆめちゃん(仮名)4歳がお母さんと一緒に来ていました。
お母さんは優しい佇まいの小柄で可愛らしい人でした。
ゆめちゃんは4歳にしては大柄で、ほかの子どもたちよりあたま一つくらい抜きんでている感じでした。
言葉やアイコンタクトも一足先に成長している風で、大人ともコミュニケーションが取れるような、たいへん聞き分けのよい子でした。

お母さんはゆめちゃんにだけ届くような小さな声で、ひっきりなしに声掛けをします。
「ごあいさつして」
「手をそろえて」
「おくつ脱いだらそろえて」
「ここに座って」
「うごかないで待ってて」
「大きな声出さないで」
「お膝はくっつけて」
「おしゃぶりしないで」
やさしくて柔らかい口調ではあるものの、あれこれと指示されっぱなしのゆめちゃんは、ほかの子が大声を出して遊んでいるなかで、いつも指定された場所に静かに座っています。
そしてだんだんと顔が赤くなり、我慢パワーが膨らんでいくのがわかります。

「お母さん、いいんですよ。このクラスは子供たちが自由にできるように、ちゃんと告知して、わかっている人だけいらしてますから」
何度もそうお伝えし、まわりのお母さんも「そうよ-じっと座ってなくてもいいのよ、こどもなんだから自由に遊ばせて」と援護してくださいますが、ゆめちゃんへの小声指示は止まりませんでした。

ある日クラスが終わって大人たちが身支度をしているとき、ゆめちゃんのスカートを軽く引っ張った子がいました。
「いっしょにあそぼう」というコンタクトだったと思います。
振りむいたゆめちゃんは、大きく右手を振りあげて、やにわにその子の頭をゲンコツで打ちのめしました。

叩かれた子の泣き声につられて次々と泣き出す子供たちと、なだめるお母さんたちと、アワアワしながら叩かれた子を慰める私。
阿鼻叫喚のなかで、ゆめちゃんのお母さんは、無言でゆめちゃんの両手をぎゅっと握って、真っ赤に腫れあがった顔の、ゆめちゃんの瞳を静かに見つめていました。

ゆめちゃんのお母さんにも、ゆめちゃんにも、いっしょに乗り越えてきた、そしていまも乗り越えようとコミットしているナニカがあるんだと、そのときはじめて気がつきました。

次のクラスで私にもできることはないかと考え、究極パニック&ヒステリー状態の特効薬と名高いメリッサの精油を、大枚はたいてエイヤッと購入し、クラスで焚こうと考えました。
ざんねんながら、ゆめちゃんは現れずそれ以降もなんどかお誘いのご連絡を差し上げましたが、それっきりクラスにくることはありませんでした。

メリッサの香りは、いまでもときおりゆめちゃんの思い出を呼び覚まします。

ギリシャ神話では幼いゼウス神の飲みものとなり、古代ローマでは女神ダイアナの神殿に捧げられたメリッサは、神々の美酒として、生きとし生けるものたちの「生命のエリキシル」と謳われてきました。

ゆめちゃんは人よりほんの少し多めに、生命のエリキシルをもって生まれてきた子だったのかもしれないと想像しています。
神話のエッセンスを背負って生まれてきた、星の子供だったのかもしれないな、と。

☆☆☆

お読みくださりありがとうございました。
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