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良いと思わないのが正解だったかもしれない映画をそれなりに楽しんでしまったことについて――ヴィム・ヴェンダースの『PERFECT DAYS』
気にかかる部分がないではなかったけれど、概ね心地よく、それなりに人生について考えるなどもしつつ観終えたそのあとになって、製作の経緯や関係者の素性などを知り「これはミスったかな?」と思った。 役者の力か、音楽がよかったのか、単調なようで実は巧みなリズム感をもった編集のたまものなのか、シンプルに画の美しさなのか……と、向こうの勝因候補はすぐに幾らでも挙げられるのだが、一番はたぶん私自身が主人公の生活を見つめながら「こんなふうに生きていけたなら――」と、思ってしまったからなのだ。