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まちづくりに関する仕事をしています。

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本でつながるシェアハウス〜「読む団地」ジェイヴェルデ大谷田〜

「本から始まるご近所づきあい」ってどんな生活を思い浮かべますか? 昨今、様々なシェアハウスが増えてきてはいますが、本に特化したシェアハウスは珍しいですよね。 今回は、大谷田一丁目団地にあるコミュニティ型のシェアハウス、「読む団地」ジェイヴェルデ大谷田を紹介します。 大谷田一丁目団地は足立区の北綾瀬駅から徒歩16分ほどの場所に位置しており、昭和52年築、全10棟、1374戸からなる大規模団地です。 東京23区内の団地ではありますが、建物の高経年化や住民の高齢化が進んでおり、団

    • 千葉ロッテマリーンズの経営

      プロ野球千葉ロッテマリーンズは、球団設立以来50年間ずっと単体赤字でした。しかし、2018年に球団創立以来初の単体黒字を達成しました。 今回は2014年から2019年まで社長として再生を手がけた元銀行員・山室晋也氏のアイデアを深掘りしていきたいと思います。 まず手掛けていったのは千葉ロッテマリーンズのブランド向上です。 球団運営とは、広告代理店のようなものです。「千葉ロッテマリーンズ」というチームをコンテンツ化し、グッズを製作して販売したり、球場やユニフォームに広告を出稿し

      • せんべろのまち〜赤羽〜

        東京都北区の赤羽駅東口にある赤羽一番街商店街には、1000円でべろべろに酔える酒場が集まる「せんべろの街」として広く認知されています。 昔ながらの活気ある街並みには、飲食店を中心に約100店舗が並んでいます。 駅東口から徒歩1分の場所にあり、商店街入口に入ったメイン通りには右も左も飲食店でいっぱいです。 メイン通りの目玉は鯉とうなぎ料理が名物の「まるます家」です。うなぎの蒲焼と酢味噌で鯉の洗いが特に人気です。 少し角に進んでいくと、アーケードのある通り「一番街シルクロード

        • ウォーカブルな街〜仙川〜

          東京都調布市にある京王線仙川駅は歩いていて、ほどよいサイズ感を感じる街です。 座れる場所も多くあるので、駅の周辺では人が自然に集まり休んでいます。 密集しているわけではなく適度に人が賑わっており、ゆったりと街を歩けます。 今回はウォーカブルな街「仙川」のまちづくりに触れていきます。 まず特徴的なのが歩車分離がされている駅前広場です。駅前ロータリーがコンパクトで駅前広場の歩ける範囲が多いので、人が自然に集まる空間となっています。 広場には座れる場所も多くあるので、待ち合わせな

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        本でつながるシェアハウス〜「読む団地」ジェイヴェルデ大谷田〜

          チームラボが表現するもの

          ここ10年ほどチームラボがとても人気ですよね。 チームラボはコンピュータやプロジェクターなどのデジタル機器を使って、光や音や動きで彩る空間を表現するアートチームです。 写真映えする上に、インスタ経由で若者を中心に広く拡散しています。 今回はデジタルアート集団チームラボが、何を表現しているのか深掘りしていきます。 まずアート史において、レンズの発明が大きな起点となります。 レンズの発明前には写実的な絵はありませんでしたが、15世紀頃になるとレンズを通して壁に写った景色を紙に写

          チームラボが表現するもの

          団地まるごとリノベーション〜ひのさと48〜

          福岡県宗像市にある日の里団地は、1971年に日本住宅公団(現UR都市機構)が開発した九州最大級の団地です。 最盛期には約2万人が暮らしていたエリアですが、2021年には2千人程度まで減少してしまいました。 そういった中で地域を盛り上げていくために、団地1棟をリノベーションしてできたコミュニティ施設「ひのさと48」について紹介していきます。 日の里団地は人口減少に伴い、UR都市機構により団地の移転集約がなされました。そこで生まれた団地10棟が並ぶ余剰地で、団地再生プロジェクト

          団地まるごとリノベーション〜ひのさと48〜

          福岡ソフトバンクホークスのまちづくり

          福岡ソフトバンクホークスは本拠地「みずほPayPayドーム福岡」を中心としたまちづくりを積極的に行っています。 2012年には球場を買収し、球団と球場の一体運営が可能となりました。 球場・ホテル・商業施設の揃ったボールパークですが、この構想はダイエー時代まで遡ります。 当時ダイエーは「ツインドーム計画」と呼ばれる、福岡ドーム・ホテル・エンタメドームの3点セットを建設するプランでした。 エンタメドームは頓挫しましたが、1993年に福岡ドーム、1995年にホテル(現ヒルトン福岡

          福岡ソフトバンクホークスのまちづくり

          グッドデザイン賞の歴史

          グッドデザイン賞ってどんな賞かご存知でしょうか? なんとなく良いデザインのものに与えられる賞くらいのイメージがありますよね。 ですが、なぜ賞が始まって、ここまで有名な賞になったかの細かいところは意外と知りません。 今回はそんな日本一有名な賞「グッドデザイン賞」について深掘りしたいと思います。 グッドデザイン賞は「グッドデザイン商品選定制度(Gマーク制度)」として、通商産業省により1957年に設立されます。 きっかけは日本の輸出品のデザインが盗用されているとの指摘が相次いだこ

          グッドデザイン賞の歴史

          縁側のような老人デイサービス〜52間の縁側〜

          これまでの高齢者施設は、最期までその人らしく生きていくことができているのか? この事に疑問を感じた介護事業者の石井さんは、人生の終わりに向うときにどんなものがあったらよいかを検討していきます。 今回は、地域の人たちが気軽に立ち寄ることができる縁側のような施設「52間の縁側」を紹介します。 「52間の縁側」は千葉県八千代市に位置する老人デイサービスです。敷地は元々竹藪でその開墾から始め、長い縁側を持つ建物が誕生しました。 運営するのは有限会社オールフォアワン代表の石井さんです

          縁側のような老人デイサービス〜52間の縁側〜

          団地エリアマネジメント〜ひばりが丘団地〜

          エリアマネジメントについてご存知でしょうか? エリアマネジメントとは「民間が主体となって、まちづくりや地域経営を積極的に行おう」という取組みです。 昨今、コミュニティの希薄化により、相互で助け合うことが減ってきているため、こういった取組みが徐々に増えてきています。 今回、ご紹介するのは団地でのエリアマネジメントの取組みです。元来、団地では自治会が主となって地域の活動をしていましたが、自治会員の高齢化や若い担い手がいないといった事から活動が縮小している傾向があります。 こうい

          団地エリアマネジメント〜ひばりが丘団地〜

          福岡の屋台文化

          暑くなってくると外で飲みたくなりますよね。笑 屋台で飲むお酒は雰囲気も相まって最高です。 そんな飲食が楽しめて最高な屋台ですが、屋台文化が残っているのは福岡くらいしかありません。 では、なぜ福岡しか屋台が生き残らなかったのでしょうか。 日本の屋台は初め、戦後の1945年に道路上などで仮設店舗を設置して行うスタイルで始まりました。 しかし、1949年にGHQの指導で屋台漸減を打ち出し、取り締まりも強化されたこともあって1980年代には、全国的にはほぼ消滅しました。 一方で福

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          高円寺の人気銭湯〜小杉湯〜

          銭湯には行きますか? ここ最近、サウナブームなどもありお風呂業界が注目されている感じがします。 今回は高円寺で長年愛されている老舗銭湯「小杉湯」を紹介します。 小杉湯は高円寺駅北口徒歩5分の場所にあり、1933年から創業しています。 創業時からの宮造りの木造建築は変わっておらず、2021年には国の登録有形文化財に登録されています。 建物維持のために、毎年数百万円の修繕費がかかるようです。(すごい額ですね…。) 小杉湯が創業した1930年代は、お風呂付きの家が少なかったため

          高円寺の人気銭湯〜小杉湯〜

          入場料のある本屋〜文喫〜

          最近、カフェと併設した蔦屋書店のような本屋は増えていますが、入場料のある本屋があるのをご存知でしょうか。 今回は本と出会うための本屋をテーマとした「文喫」について紹介します。 文喫は六本木駅から徒歩一分の場所にあります。2018年12月、青山ブックセンター跡地にオープンしました。 取次大手の日本出版販売が事業主となっており、「Soup Stock Tokyo」でお馴染みのスマイルズがプロデュースしています。 文喫で新しい本屋の形を目指し、本屋のアップデートを試行しています。

          入場料のある本屋〜文喫〜

          テーマパーク化した競馬場〜東京競馬場〜

          皆様は競馬場には行かれますか? 競馬場=おじさんの遊び場ってイメージが強いですが、JRAの経営努力により最近は若い世代も増えてきています。 今回は東京競馬場の歴史に触れつつ、テーマパーク化した東京競馬場の新たな取り組みについても紹介します。 まずは東京競馬場の成り立ちについて触れていきます。東京競馬場の前身にあたるのが、1907年に創設された目黒競馬場です。多い日には3千人に近い観客が詰めかけるなど、東京競馬の本拠地として競馬の発展に貢献していきました。 しかし、周辺の都市

          テーマパーク化した競馬場〜東京競馬場〜

          サステナブルな駅リニューアル〜Green UNDER GROUND〜

          駅のリニューアルプロジェクトは、駅を変えるだけではなく街の価値を上げることが重要です。 施設の老朽化等を理由に、各社で様々な駅リニューアルが実施されています。  今回は東急田園都市線の地下駅5駅を対象にした、サステナブルなリニューアルプロジェクト「Green UNDER GROUND」を紹介します。 対象となるのは池尻大橋駅、三軒茶屋駅、駒沢大学駅、桜新町駅、用賀駅の5駅で1977年に地下化され、新玉川線として開業した区間です。 駅の冷房を考慮した造りなど、当時としては先進

          サステナブルな駅リニューアル〜Green UNDER GROUND〜

          八重洲のニュースポット〜東京ミッドタウン八重洲〜

          現在、東京駅周辺の様々な地区で大規模再開発が行われています。 東京駅の北東にある常盤橋エリアでは、日本一390mの超高層ビル「Torch Tower」が出来ることでも話題になっていますよね。 今回は、東京駅周辺エリアの再開発第一弾として、昨年オープンした八重洲のニュースポット「東京ミッドタウン八重洲」について紹介していきます。 三井不動産が手掛ける「東京ミッドタウン八重洲」は、東京ミッドタウン(六本木)、東京ミッドタウン日比谷に続く3施設目の東京ミッドタウンブランドとして開

          八重洲のニュースポット〜東京ミッドタウン八重洲〜