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本でつながるシェアハウス〜「読む団地」ジェイヴェルデ大谷田〜

「本から始まるご近所づきあい」ってどんな生活を思い浮かべますか?
昨今、様々なシェアハウスが増えてきてはいますが、本に特化したシェアハウスは珍しいですよね。
今回は、大谷田一丁目団地にあるコミュニティ型のシェアハウス、「読む団地」ジェイヴェルデ大谷田を紹介します。

大谷田一丁目団地は足立区の北綾瀬駅から徒歩16分ほどの場所に位置しており、昭和52年築、全10棟、1374戸からなる大規模団地です。
東京23区内の団地ではありますが、建物の高経年化や住民の高齢化が進んでおり、団地内のエリア活性化に課題があります。

大谷田一丁目団地

シェアハウスの場所は団地の1階にあり、足立区が保有するもともとは保育士の寮で、時代の変換とともに使われなくなり、長期にわたり遊休施設となっていました。
この施設を活用すべく、足立区が利活用事業として公募を開始し、日本総合住生活株式会社が事業者として選定されました。
日本総合住生活株式会社はUR都市機構の団地の管理などを手掛けている会社です。現在は、団地管理のみならず様々な団地コミュニティ施設の運営をしており、大谷田一丁目団地においても本でつながるシェアハウスを運営することとなりました。

シェアハウス内の共用スペース「ブック リビングダイニング」には、1000冊ほどが常時そろい、入れ替えを行っています。広く本に触れられる場づくりをしている個人のtsugubooksさんにより選書されており、様々なジャンルごとにゆるやかにまとまった本棚になっています。
ひとりでまったりと本を読んだり、本をきっかけに会話が弾んだりと色々な過ごし方ができそうですね。

ブック リビングダイニング

廊下に設けられた本棚は、入居者が自分でセレクトした本を並べられる「マイブック図書館」です。書店主気分でオリジナルのディスプレイが楽しめそうですね。本棚を見ると、直接会話をしなくとも、なんとなくその人の個性が伝わってきそうです。

マイブック図書館

カフェのような雰囲気の「コミュニティラウンジ」は、地域の人との交流や、来客時にも使えるスペースです。本の交換会など本をきっかけとしたイベントを実施したり、備え付けの大きなキッチンを用いた食をきっかけとしたイベントなども開催されています。

コミュニティラウンジ

部屋は1人用の18㎡・23㎡、2人でも入居可能な35㎡の全3タイプあります。部屋にはベッドや冷蔵庫、テーブル、いすが備わっているため、手軽に暮らしを始められます。また、共用エリアにあるバス・トイレの空き状況を、備え付けの専用タブレットで確認でき、暮らしやすさへの配慮もされています。

部屋の様子

また、保育士の寮を魅力的な若者向けのブックシェアハウスとして再生させた点や、共有空間を住人だけでなく地域の人も利用できる場とすることで、コミュニティ形成をしようとした点が評価され、2020年のグッドデザイン賞を受賞しています。

「本から始まるご近所づきあい」をコンセプトとしたブックシェアハウスはいかがでしたか?
コミュニティが希薄している団地内において、どの年代でもなにかしらの接点がある「本」をツールにした点は素敵ですよね。
スマホなどの浸透で本離れが進んでいますが、今回のようなコミュニティツールとして本が活用されていったら面白そうです。
皆さんもこの記事をきっかけに、本のある新しい生活を実践してみてはいかがでしょうか。


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