高円寺の人気銭湯〜小杉湯〜
銭湯には行きますか?
ここ最近、サウナブームなどもありお風呂業界が注目されている感じがします。
今回は高円寺で長年愛されている老舗銭湯「小杉湯」を紹介します。
小杉湯は高円寺駅北口徒歩5分の場所にあり、1933年から創業しています。
創業時からの宮造りの木造建築は変わっておらず、2021年には国の登録有形文化財に登録されています。
建物維持のために、毎年数百万円の修繕費がかかるようです。(すごい額ですね…。)
小杉湯が創業した1930年代は、お風呂付きの家が少なかったため、ピーク時には都内に2900軒ほどの銭湯がありました。その数、今だとセブンイレブン並みにあったようです。笑
その後、家にお風呂が付くのがスタンダードとなったため、銭湯は一気に減少していき、今では都内で500弱程度しか残っていません。
銭湯にとって厳しい状況下ですが、小杉湯は様々な取組みで全国からファンを引きつけています。
現在、跡を継ぐのは、3代目の平松佑介さんです。
廃棄せざるを得ないものをお風呂にいれる「もったいない風呂」などさまざまなイベントを実施しています。
こうした取組みがヒットし、現在では平日で400〜500人、土日祝日は800人〜1000人程訪れています。若い人も多く、20〜30代が約5割もいるようです。
建物は歴史を感じる見た目ですが、屋内は現代風なきれいめな見た目です。
浴室は開放感あふれる空間となっています。
洗い場は備え付けのシャンプーやボディソープもあるのが嬉しい点ですね。昔ながらの銭湯だと、ない場合が多いです。
お風呂はジェットバス、熱湯風呂、水風呂、小杉湯名物ミルク風呂の全4種類です。
熱湯風呂で「もったいない風呂」などコラボ企画を実施しています。
イラストを使ったチャーミングなポップも小杉湯の特徴です。
昔からある銭湯では「〜禁止」のような貼り紙が貼ってありますが、これだと冷たい印象を与えてしまいます。そうではなくイラストで「〜する前にこうしてね」と言い換えた方が、柔らかく伝わります。こういった細かい配慮が、若い人に受けているんでしょうね。
浴室エリア外も魅力がたくさんあります。
待合室兼ギャラリーにはドリンクやアイスが販売されており、漫画を読みながらゆったりと過ごせます。また、ギャラリーも兼ねているので月替りで様々な作品を楽しめます。
物販も充実しており、小杉湯のオリジナルグッズや、コラボ企画グッズのポップアップなどファンを惹きつける要素が盛り沢山です。
小杉湯の隣には会員制のシェアスペース「小杉湯となり」があります。
1階はリビングのような場所で、シェアキッチンとテーブルかあります。土日は誰でも使える喫茶店としてオープンしています。2階は書斎のような場所で、畳の小上がり席で読書などを楽しめます。
運営しているのは小杉湯ファンの方々で、銭湯のある暮らしを体験できる場所となっています。
小杉湯は、このような様々な取組みで全国からファンを呼び寄せています。
お風呂付きの家がスタンダードとなった現代での銭湯の役割としては、お風呂文化の継承にあるんでしょうね。
インバウンドが増えている昨今、日本独自の銭湯文化を広めるいい時期なのかもしれません。
皆様もたまには銭湯なんかいかがでしょうか?