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サステナブルな駅リニューアル〜Green UNDER GROUND〜

駅のリニューアルプロジェクトは、駅を変えるだけではなく街の価値を上げることが重要です。
施設の老朽化等を理由に、各社で様々な駅リニューアルが実施されています。 
今回は東急田園都市線の地下駅5駅を対象にした、サステナブルなリニューアルプロジェクト「Green UNDER GROUND」を紹介します。

対象となるのは池尻大橋駅、三軒茶屋駅、駒沢大学駅、桜新町駅、用賀駅の5駅で1977年に地下化され、新玉川線として開業した区間です。
駅の冷房を考慮した造りなど、当時としては先進的な地下駅でしたが、開業して40年が経ち様々な課題が出てきます。
乗降者数は開業当初から約20万人増え、車両も冷房搭載が当たり前になり、その排熱の影響も加わって駅構内が暑いといった問題を抱えています。

対象となる5駅

こういった課題を解決するために「Green UNDER GROUND」プロジェクトが始まりました。
地下からまちをグリーン(サステナブル、快適、クリーン)にする、というのがプロジェクト名の由来のようです。
「グリーン」とあるように様々なサステナブルな取組みが本プロジェクトの特徴です。

第一弾として始まったのが駒沢大学駅です。リニューアルコンセプトを「UNDER THE PARK」とし、駒沢公園の最寄り駅として、公園とともにあるライフスタイルをイメージするデザインとしています。
工事内容としては、通路やトイレなど駅構内の工事に加え、東口ビルの耐震補強工事、西口に駅直結ビル2棟の建設となります。

トイレの改修工事では、場所を移動することで今までより広く使いやすくなっています。
また、旧玉川線の廃材として保管していた敷石を洗面台に活用し、廃材処理時のCO2削減を実現しています。

敷石を活用した洗面台

東口ビルは2022年8月に工事を終え、1階に元々入っていたドトールコーヒーがリニューアルオープンしました。
外観は、木の葉をイメージした緑ベースのタイル貼りになっています。
店内に入ると、耐震補強材である緑色の鉄骨が隠されずにそのまま配置されています。
旧池上駅木造駅舎の古材を使用したベンチがあったり、ドトールコーヒーショップ初のマイボトル持参でドリンク割引サービスがあったりと、サステナブルな取組みも実施されています。

耐震補強材の鉄骨

駅西口には2階建て、4階建ての2棟の駅ビルが新築されます。4階建てビルは全国初の耐火・構造技術を導入した木造駅ビルとなります。
外観のデザインは東口と同様に木の葉をイメージした緑ベースのタイル貼りになります。
竣工は今年の夏頃のようなのでもうそろそろですね!

西口ビル

ソフト面での取組みも実施しており、株式会社イマックスの建物建替事業の更地を暫定利用した農園プロジェクトを実施しています。
野菜の栽培や農園イベントを通して、地域コミュニティを育んでいきました。

農園イベント

また、昨年より第二弾となる桜新町駅プロジェクトも開始されました。
リニューアルコンセプトは「WITH THE CHERRYBLOSSOM」とし、桜の木とともに街とつながり、暮らしとつながることをイメージしています。

桜新町駅では設備改修とコンコースリニューアルを実施し、2026年夏頃の竣工を予定しています。
こちらでもサステナブルな取組みを実施しており、地下駅構内で苔の栽培実証検証をしています。
苔の栽培を地下駅構内で実現することで、炭素固定化や設備を動かさない方法で構内空気を清浄化できるかを実験しています。

苔の栽培実証検証

池尻大橋駅、三軒茶屋駅、用賀駅の3駅については、まだリリースされていませんが、今後どのような取組みがされていくか楽しみですね。
熱がこもったり、構内で強風が吹いたりと決して恵まれた環境ではない地下駅ですが、こういったサステナブルな取組みで快適な駅空間になると素敵ですよね!

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