【本】たすかる料理 桉田優子

まじで私の人生を変えた本はこれだ。人生というのはパッと切り替わるんじゃなくって、生活の積み重ね、毎日の折り重なり、日々の営み。それらが変えてゆく。桉田優子は、台所で自分だけの神話をつむぐ。どうしてそのオリジナルな神話に行き着いたのか、その背景と具体的なレシピを共有してくれるから説得力がある。
台所の神話というのは何か特別な経歴や経験だとか、料理研究家だとかでなくても、今ここから自分の手ひとつで奏ではじめることができるのだった。

それくらい台所というのは個人的なもので、それを見たらその人がわかる。
体への価値観、食器などの美意識、道具をもって何に重きを置く人物なのか。時短料理を好むのか、あるいは胡麻をすりこぎで擦るのか?
何だっていい、というおおらかな視線と、大胆で簡潔な料理。

料理への考え方が自由に刷新され、台所にたつのがうんと楽しくなる。そしてリアルに食費1/4くらいになる。食べつなぐって、そういうことかと膝を打つタイトルもいい。

『たすかる料理』桉田優子


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