【ラインナップ確定!】藤子・F・不二雄SF短編集ドラマ・シーズン2
昨年(2023年)春に藤子F先生のSF短編集が全10作品ドラマ化され大好評を博しましたが、本年も4~5月に全8本が制作・放送されることになりました。
先日そのラインナップと出演者が確定し、発表となりましたので、こちらでも取り上げてみたいと思います。
この後、簡単な作品紹介もしますが、ドラマの概要については以下の公式HPをご覧いただければと思います。
◆「藤子・F・不二雄SF短編ドラマ」シーズン2
NHKBSにて2024年4-5月、8話放送 (放送順未定)
それでは放送予定の8作品について簡単にご紹介していきます。既に記事にしてあるものはリンクをつけておきますが、ネタバレ上等の記事となっていますので、読まれる際には十分にお気を付けください。
今回のラインナップ8作品のうち、個人的に最も期待しているのが本作である。ご存じの方も多いと思うが、本作は名作「エスパー魔美」のパイロット版とも言われる、超能力少女をテーマとしたお話である。
「エスパー魔美」とは違う部分ももちろん多いのだが、超能力を世間に知らせるとかつての「魔女狩り」のような迫害を受けるという思想などはそのまま。
アン子を演じるとみられる新井美羽さんは、僕は良く存じあげないのだが、写真を見る限り文句なく可愛いので、ビジュアル的には全く問題なし!
自分は未見だが、実は本作は一度ドラマ化していて、その時の主演は荻野目洋子さんだった。なんと今回の再ドラマ化においては、キャストの中に荻野目さんの名前を見つけることができる。
本作が成功すれば、念願の「エスパー魔美」のドラマ化も大いに期待できるのではないだろうか。(こちらも一度ドラマ化しているが少々珍作であった)
横山光輝先生の「鉄人28」号や「ジャイアントロボ」を踏まえた作品と言われていて、実際に巨大な鉄人がいたらかなり不便だよね、というような皮肉めいたお話となっている。
藤子先生は後に「のび太と鉄人兵団」という作品を描いているが、この時も巨大ロボットの置き場に困っていた。
また、正義の味方として巨大ロボットの存在は助かるものだが、あまりに目立ち過ぎるのも、事前に狙われて危険だったりする。藤子先生のヒーローものの大原則である、その存在をなるべく隠すという美学にも反するというわけなのだ。
こちらの作品についてはまだ記事にしていないが、近く執筆の予定となっている。
本作では巨大なUFOが人類の目の前に現れて何年か経っている世界が描かれる。宇宙人の狙いが全くわからないままだったが、ある日突然主人公の男の身柄を引き渡せという要求が出される。
「いけにえ」となった男の数奇な運命がコメディタッチに描かれていくが、命の重み、人間の尊厳といった深いテーマが組み込まれていて、すごく読ませる作品なのである。
まだ記事にはできていないので、この機会に着手してみたい。
藤子先生のSF短編では、タイムマシンものが数多く描かれているが、本作はその中でもかなりの際物ではないだろうか。
タイムマシンを作ろうとしているのが自分ではないという点がユニークだし、やがて明らかとなるタイムトラベルの理論がとても衝撃的だったりする。
SFとはアイディアであるということが本作を読むと大いに理解できる一作として、是非とも原作マンガにも触れて欲しい。
本作の執筆当時の最新宇宙理論を踏まえた壮大なSF作品となっている。時空を飛び越えるスケール感を持つが、内容としてはほぼ全編狭い宇宙船の中だけで完結し、ドラマ化にはピッタリの一作ではないだろうか。
藤子先生のSFは「すこし・ふしぎ」だと本人も語っていたが、本作などを読んでしまうと、明らかに「サイエンス・フィクション」の作家だったことがわかる。
こちらも記事していないので、早く書きたいです。
コメディタッチだが、常に核戦争と隣り合わせである人類の置かれた状況を照らす「反戦」作品である。
シェルター生活を真剣にシュミレーションしてみた結果、導き出される辛辣な結論、そして意外な方向へと進んでいくラスト。かなりの皮肉が効いた傑作だと思う。
世界各地で紛争・戦争が勃発しているが、その当事者たちが核兵器を持っているという現実を、本作を読んで是非噛みしめたいものである。
自分が死んだら周囲の人たちは悲しんでくれるだろうか。惜しまれつつ送ってもらえるだろうか。誰もが思うその疑問に応える作品がこれ。
皮肉とペーソスを含んだSF短編において、そう一筋縄ではいかないお話となっている。
じじ役が泉谷しげるさんということで、その絵がしっかり浮かぶ。昨年の「定年退食」に匹敵する期待のキャスティングではなかろうか。
こちらもドラマ前に急ぎ記事化させたいものである。
自分の城となるマイホームを建てることを、仕事人生のある種の集大成に考える時代があった。今でももしかしたらそうかもしれない。
本作の主人公は自宅用の土地をを購入するにあたり、自分が抱いてきた夢や苦労してきた仕事について、思いを巡らし、決断を先延ばしにしてしまうが、その結果大変な事態に陥ることに・・。
ドラマ化発表前にたまたま記事を書き終えているが、超現実的な話題から、いきなりSF設定が入りこんでくる、典型的なF作品だと思ったばかりなので、とてもドラマが楽しみである。
以上、簡単な8作品の紹介をしました。この内、藤子Fノートで既に記事にしてあるのは現在4作品のみで、半分しか記事化できていないことになります。
昨年がそうでしたが、ドラマの放送があると記事のビュー数がとてつもなく跳ね上がるので、何とか放送前に残る4作品の内いくつかは記事にしておきたいものです。。
なお、昨年の「シーズン1」の10作品については、本記事同様に、事前に作品概要についての記事を作っています。こちらでは、そもそも藤子F先生の「SF短編」とは何ぞやというところから触れているので、もし宜しければ覗いてみて下さい。
前回放送となった作品の内、藤子Fノートで記事にしているものもリンクをつけておきます。こちらも参考にしてもらえればと思います。
<「おれ、夕子」> 【脚本・演出】山戸結希
<「定年退食」> 【脚本・演出】宇野丈良
<「テレパ椎」> 【脚本】本多アシタ【演出】倉本美津留
<「昨日のおれは今日の敵」> 【脚本・演出】家次勲
<「親子とりかえばや」> 【脚本・演出】松本壮史
<「箱舟はいっぱい」> 【脚本・演出】本多アシタ
<「どことなくなんとなく」> 【脚本・演出】江口カン(KOO-KI)
<「イヤなイヤなイヤな奴 前後編」> 【脚本・演出】有働佳史
<「メフィスト惨歌」> 【脚本・演出】宇野丈良
<「流血鬼 前後編」> 【脚本・演出】有働佳史
この2作品はまだ記事になっておりませんが、書く予定はあります。
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