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藤子不二雄エッセイ

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藤子不二雄マニアの視点で、世の中を感じていくエッセイ集です。
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#コラム

『耳すま』から、「個性」について考えてみた。

『耳すま』から、「個性」について考えてみた。

みんな大好き、ジブリアニメの『耳をすませば』。僕はこの作品を公開当時に映画館で見ていますが、確か高校生だったか浪人生だったかで、観たいのに観に行くのが恥ずかしくて、10歳年下の妹を丸め込んで、妹の帯同者という見え方にして、劇場に足を運んだ記憶があります。

耳すまの中身の話をしだすと、5、6本の記事が書けそうなので詳細を割愛しますが、作品の中で、立花隆さん演じる雫のお父さんが、小説家を目指す娘に対

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【思い出】『UTOPIA 最後の世界大戦』と藤子不二雄ランド

【思い出】『UTOPIA 最後の世界大戦』と藤子不二雄ランド

1995年くらいの頃だったと思う。神田の古書店を回っている時に、藤子不二雄ランドの301巻「UTOPIA 最後の世界大戦」が、さり気なく陳列されていたことに気がついた。

藤子不二雄ランドは、初めての藤子不二雄全集で、80年代に鳴り物入りで刊行が始まり、既にFマニアだった僕は、創刊からコツコツと買い揃えていった。ところが、中学生くらいになると、藤子ブームは雲散霧消し、ジャンプとかスピリッツとか、少

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書けばかくほどアイディアは出てくる!年齢とアイディアの相関関係

書けばかくほどアイディアは出てくる!年齢とアイディアの相関関係

今回は1988年に初版刊行された「藤子・F・不二雄のまんがゼミナール」から、F先生の創作姿勢がわかる名言を拾い上げ、日常の仕事に役立てようという企画となります。

まず、今回見ていく「藤子・F・不二雄のまんがゼミナール」ですが、これは藤子F先生による、貴重なまんが制作の指南書で、具体的な技術や創作の考え方などがびっしりと詰まった読み応えのある一冊です。

漫画家を目指さなくとも、noteのような創

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藤子Fマニアが見た「罪の声」/リアルに嘘をつくということ

藤子Fマニアが見た「罪の声」/リアルに嘘をつくということ

最近のnoteでの藤子F研究の中で、F先生はストーリーを語る際に「リアルに嘘をつく」ことに注力していたことを記事にした。

代表例を挙げると、『ドラえもん』では、まるで魔法のような効果を発揮するひみつ道具も、「22世紀の科学力によって発明された道具」という設定を用意して説得力を持たせている。ハリーポッターのように杖を振れば、何でもできてしまう、というようなルール無用の体裁にしていない。魔法のような

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