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【残り5日!】医療通訳の必要性を感じたエピソードのご紹介

本日は、女性が直面する様々な場面での医療通訳の必要性について、ご自身の経験を語って下さった2つのお話をお届けします。

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1つ目は海外に留学していた時のお話です。

ある日、深夜に帰宅した同じ留学生の友人が、マンションのエントランスホールでレイプ被害にあいました。彼女はとても強い女性で、「病院に行く必要はないけれど、許せないので警察に行きたい、被害届を出すので、一緒に来て通訳をしてほしい」と相談された私は、彼女に付き添い警察に行きました。警察では、何があったのか一部始終を細かく話す必要があり、私はそれを通訳したのですが、それは私にとっても辛い経験となりました。おそらく彼女にとっても、身近な存在だった私に、通訳を依頼し、すべてを知られることは、とても勇気のいることだったと思います。

彼女とは今でも仲良く過ごしていて、それ以来、その出来事に触れることはありませんが、彼女の顔を見ると、たまに当時のことを思い出したりもします。それは彼女も同じかもしれません。彼女にとって私は辛かった出来事を知っている存在であり、二人の関係に少なからずしこりが残ったように感じることもあります。もしあの時、第三者の通訳者に相談することができていたら… そう思うと、医療通訳の存在はとても重要だと感じています。

2つ目は、お父さんの仕事の関係で、家族で外国に住んでいた時のお話です。

私は小学校4,5年生で、現地の学校と、日本語学校に通っており、家族の中では一番現地の言葉が話せる存在でした。ある日母から、「病院に行くから一緒に来て通訳をしてほしい」と頼まれ、病院に行ったところ、母から「これ(胎児)が出てきたことを伝えてほしい」と話があり、私はそこで初めて母が流産したことを知りました。当時10歳だった私には、それはとても衝撃的な出来事で、戸惑いながら、そして妊娠・出産に関する知識も医療用語もわからない中、なんとか「赤ちゃんが出てきちゃった」ということを伝えました。母はその後処置を受けましたが、どんな内容だったのか、自分が通訳できたのかもはっきり覚えていません。今となっては、通訳はしたけれど母のケアは何もできなかった、自分自身の心のケアも必要だった、と感じています。

当時、私たちの周りには同じく駐在員やその家族もいましたが、駐在員である男性に通訳を頼むことはできず、彼らの妻は母同様に現地の言葉を話せず、私以外に通訳を担える人はいなかったのだと思います。でも、もし、そんな時に、医療通訳を依頼できる連絡先を知っていて、第三者の通訳者が対応し、医師への橋渡しをしてくれたら、母も、不安な気持ちを表出し、自分の身体のことや今後の性生活のこと等、知り合いの前では聞けないプライベートなことも割り切って相談でき、安心できたのではないかと思います。

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日本国内にも、これらのお話と同じような思いをしたことのある、外国人の女性や母親、子どもたちがたくさんいるのではないかと思います。身近な家族や友人、子どもたちが、通訳を担うリスクもあります。日本人外国人問わず、すべての母子とその家族が、適切な保健医療サービスを安心して受けられるように、そして周りの人々と良い関係を築いていけるように、医療通訳が活用できる社会になっていくことを願いながら、これからも活動を続けていきたいと思います。

残り5日となった私たちの挑戦、これまでのあたたかいご支援と応援に心より感謝しつつ最後まで頑張っていきたいと思います。応援よろしくお願いいたします。

在日外国人支援事業 松尾 沙織

       *引き続き応援よろしくお願いいたします*
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