見出し画像

2021.01.30 BARIYOKA ROCK@福岡サンパレス(Vaundy/秋山黄色/マカロニえんぴつ)

キョードー西日本主催のイベント。恐らく本当にイベンターはギリギリなところにあって、その実情が痛いほど伝わる。きっと夏なら中止してただろうけどやるしかなかったんだよな、、これだけ感染対策して、クラスター発生もしていないライブエンタメ業界なので、正直行かない選択肢がなかった。

17:00- Vaundy

2020年の急先鋒、本当は夏フェスNUMBER SHOTで観る予定だったのでようやくの鑑賞。「灯火」のイントロで既に熱狂が巻き起こり、ここにいるほとんどが"未見"かつ"待望"のVaundyだったことが暗に分かる。「life hack」では大いに歌い出しをとちっていたがそれもまた様子の掴み合いをしているライブ現場のリアルだ。新曲「世界の秘密」以降は、4曲におよぶ未発表曲を披露。どれも4曲中3曲はVaundyがギターを弾き歌う、チルポップとは程遠いバンドロックが多かったのも印象的。既にとんでもないバリエーションの持ち歌を見せつけてくるVaundyなのだから、ここに更にこんな表情も加わるとは、、と慄いた。来る2ndアルバムが楽しみでならない。個人的には5曲目にやった轟音渦巻くスタジアムスケールな新曲がどう育っていくか気になる。

「napori」の奇妙なリズムを生で重ねるドラムはBOBO、ベースはthe pillowsのサポートでも知られる有江嘉典というのだからとんでもない音なのは間違いなかったが何よりインパクトがあるのはVaundy自身の歌声の迫力。「Bye by me」ではアコギを奏でながらスムースに歌いあげたかと思うと、「僕は今日も」ではたおやかで情感たっぷりの歌を聴かせる。ある種、才能が独り歩きした匿名性の高いミュージシャンだと思っていたがライブで観るとその人間味にも触れられて面白い(でもステージ上で「疲れた~」はあかんよ笑)し、歌に潜むパーソナリティが垣間見えてくる。「不可幸力」も「東京フラッシュ」も既にでかい会場が見えまってる。ラストはその最高峰。「怪獣の花唄」の大団円には戻れない2020年の夏がそこにあった気がして泣けた。

<setlist>
1.灯火
2.life hack
3.世界の秘密
4.napori
5.新曲(重ためな曲)
6.新曲(不穏な曲)
7.新曲(ダンスチューン)
8.Bye by me
9.僕は今日も
10.新曲(ギターロックな曲)
11.不可幸力
12.東京フラッシュ
13.怪獣の花唄


18:30-秋山黄色

正直、1番興味は薄かったのだけど、わらわらと登場するバンドメンバーに続きダッシュで駆けてく秋山黄色、そして「猿上がりシティーポップ」の1音目が鳴った瞬間からこりゃ只者じゃねえぞ、と。バカでかい音に飲み込まれながら、ぱっとメロディが突き抜ける2曲目「サーチライト」も音源で聴く数倍は迫力がある。秋山黄色のシャウトがとにかく素晴らしい。能天に突き刺さる気持ち良さ!「とうこうのはて」ではどっしりしたグルーヴを聴かせ、「クラッカー・シャドー」ではシャープな演奏、これ、完全にライブ化けだと思う。久々に、ライブを観てこれヤバい!ってなる感覚を思い出す。あぁ去年はそういうこと全然なかったなぁ、と。少し尖った印相だった黄色くんだけどMCでははにかみながら観客の拍手に感謝を述べていて、わぁ好青年!となってしまった。

メロディアスな「夕暮れに映して」やポップな「日々よ」など多面性を見せつけつつ、ライブ初披露となった最新シングル「アイデンティティ」ではスリリングに観客を引き込む。モッシュも似合う感じだが、しっかりホールで観るに相応しいステージ映えがそこにある。サポートメンバーである神崎シュン(Ba)、井手上誠(Gt)、片山タカズミ(Dr)の技巧的かつ狂気的なセッションを挟んで突入する「Caffeine」も不気味にサンパレスを包み込んでいた。ラストは壮大な「モノローグ」を奏でた後、原点たる「やさぐれカイドー」を。「ラスサビで向こう80年忘れられないライブにする!」と不敵な宣告を突きつけたのち、破滅的かつ美しい爆音を残してエンド。しばし放心状態になるほど、鮮烈に記憶に残る1時間だった。

<setlist>
1.猿上がりシティーポップ
2.サーチライト
3.とうこうのはて
4.クラッカー・シャドー
-MC-
5.夕暮れに映して
6.日々よ
7.アイデンティティ
セッション
8.Cafeine
-MC-
9.モノローグ
10.やさぐれカイドー


20:00-マカロニえんぴつ

トリは2020年を代表するバンドとなったマカロニえんぴつ。早速「トリコになれ」という不意打ちな選曲で驚きをぶちまけた後、快進撃の一手目である「レモンパイ」をお届け。柔らかく上品なウェルメイドポップが喜びを溢れさせた後、「girl my friend」で熱い演奏を投下。30分とかでは決して聴けない曲を存分にやってくれるのはとても嬉しい。それはマカえん自身も同様で、人前で演奏する喜びを噛み締めるMCが多く見られた。「ブルーベリー・ナイツ」「mother」「恋人ごっこ」など近年の重要曲を連続するブロック(「mother」はライブで聴くと熱量マシマシです)で、2020年を取り戻すように福岡のファンの渇望が満たされていくのがよく分かる。どっしりした演奏と確かな華やかさ。マカえんがフェスブームに左右されず人気を獲得した理由を強く実感する時間。

前に長尺で観たのが2018年5月のアカシックとのvoodoo loungeでの対バンだったので、その当時よく演っていた「ミスター・ブルースカイ」をはじめとする『CHOSHOKU』の楽曲たちをこの広い会場で聴けるのは感慨深かった。元々会場を問わない普遍的な良い曲ばかりだがホールの音響と客席のムードにはよく合っていた。1/27の配信ライブでのリクエストを反映したであろう「愛の手」「MUSIC」、個人的には最も熱望していた「愛のレンタル」がぐいぐいと会場の熱を上げていく。そして必殺の「洗濯機と君とラヂオ」で最高潮に。ほかほかの心の中、まやかしでも希望を作ることを問う語りを経て名曲「ヤングアダルト」がじんわりと心に滲んでシメ。アンコールの「hope」含め、心を軽くし、未来を信じる言葉を同じ目線で歌ってくれるから彼らは信用できるのだ。

<setlist>
1.トリコになれ
2.レモンパイ
3.girl my friend
-MC-
4.ブルーベリー・ナイツ
5.mother
6.恋人ごっこ
-MC-
7.ミスター・ブルースカイ
8.愛の手
9.MUSIC
10.愛のレンタル
11.洗濯機と君とラヂオ
12.ヤングアダルト
-encore-
13.hope

#音楽 #備忘録 #ロック #邦楽 #邦ロック #ライブ #ライブ日記 #ライブレポート #ライブレポ #イベントレポート &nbsp; #音楽コラム #バンド #マカロニえんぴつ #Vaundy #秋山黄色

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?