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私の百寺巡礼

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五木寛之先生は70歳を過ぎてから百寺巡礼をされた。日本の寺院の多くは車が入れない険しい石段を登る事で辿り着く。横浜辺りの寺も、ちょっとした坂の上で、わざと車が入れないようにしてあ… もっと読む
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2022年7月の記事一覧

鬼子母神の想い出 横浜市南区・日蓮宗西中山常照寺  私の百寺巡礼15

鬼子母神の想い出 横浜市南区・日蓮宗西中山常照寺  私の百寺巡礼15

京急線南太田駅の真ん前、それこそ、境内から駅にいる人の顔まで観える場所にこの寺院は建っている。

寺院としては歴史的に新しいのではないだろうか。
横浜開港と共にこの地に建てられた。

こちらの寺院というと「鬼子母神」のイメージが強い。
子どもが保育園、幼稚園(4歳から預かり保育のある幼稚園に)の頃、この辺に住んでいた。
あんまり言うことを聞かないもんで、ここのお寺に連れてきて、鬼子母神の話をして。

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天台宗の歴史を知る 横浜市西区・天台宗安禅院円満寺 私の百寺巡礼18

天台宗の歴史を知る 横浜市西区・天台宗安禅院円満寺 私の百寺巡礼18

天台宗と言えば、比叡山延暦寺。そこは、平安時代から鎌倉時代、武士の世と移る時には「僧兵」なども擁し、織田信長の比叡山焼き討ちなどが歴史教科書には書かれている。

真言宗と言うと「弘法大師様」「各地の伝説」。だが、義務教育の歴史では習わないことばかり。
天台宗はというと、宗派の教えなどよりも、歴史教科書に書かれたイメージが強い。

さて、こちら横浜市西区にある円満寺は、天台宗本山別格の寺院である。

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心休まる広い庭 横浜市南区・臨済宗久保山円覚寺 私の百寺巡礼17

心休まる広い庭 横浜市南区・臨済宗久保山円覚寺 私の百寺巡礼17

京急線南太田駅、或いは黄金町駅から急な坂を上ると迎えてくれる。それが、横浜市にある円覚寺だ。

こちらの写真ではわかりにくいかも知れないが、丁度、山の頂上に当たり、かなりな急坂となっている。

黄金町駅の方から坂を上がりきると観えるのがこちらの門。

明治の開港と共に人口が増えてきた横浜。
そこで鎌倉にある円覚寺がこちらに出張所として明治18年に建てられたのが始まりだとか。

この鐘が好きなのだ。

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時代に沿った方法で 横浜市鶴見区・天台宗龍澤山宝泉寺 私の百寺巡礼16

時代に沿った方法で 横浜市鶴見区・天台宗龍澤山宝泉寺 私の百寺巡礼16

今はネットを駆使する時代である。
それは、2020年以降、顕著になった気がする。

ネットを駆使して仏教を身近にした方が横浜にいる。
「浜のチョイ悪和尚」と自ら呼ぶ方である。

昔からある歴史ある寺院などは門が閉まっており、敷居が高いという先入観はないだろうか?
私は、夏目漱石の「門」に出て来ることから、鎌倉市にある円覚寺に対して、そう感じていた。

ところが、円覚寺も今の状況でオンライン法話を始

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水子供養に想いを寄せて 穐葉山萬徳寺私の百寺巡礼14

水子供養に想いを寄せて 穐葉山萬徳寺私の百寺巡礼14

野毛山不動尊横浜成田山の豪華さばかりが目につく野毛山であるが、こちらの曹洞宗の寺院は成田山の隣にある。
屋上を歩いていたら、あら?という感じであったのだ。

車では入れないが、坂を登ると、こちらの入り口になる。

成田山とはすぐ隣。特に境界線もなく気軽に行き来しやすい。

要するに!自転車を下に停めなくても、こちらの寺院の目の前にある横浜市立図書館に自転車を停めて歩いたら、ビルの階段を上がらないで

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坂を利用した屋上の寺院 横浜市西区・野毛山不動尊 横浜成田山延命院 私の百寺巡礼13

坂を利用した屋上の寺院 横浜市西区・野毛山不動尊 横浜成田山延命院 私の百寺巡礼13

横浜市桜木町から日ノ出町と現代的な高いビルが立ち並ぶ中、こちらの野毛山不動尊は、一つの大きなビルのようだ。

こちらの写真、えんじ色のビルの屋上にお寺がある。
この写真をパッと観ただけでは、マンションかな?という感じだ。

写真の緑に塗りつぶした場所が広い駐車場となっている。
そちらに自転車を停め、石段を歩く。

石段だからわからないかもしれないが、実際にはかなりの急阪だ。

途中、階段に生えてい

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大きな地蔵菩薩座像が見事!横浜市南区・浄土宗吉上山慈眼院光明寺 私の百寺巡礼12

大きな地蔵菩薩座像が見事!横浜市南区・浄土宗吉上山慈眼院光明寺 私の百寺巡礼12



この寺院があるのは、横浜市市営墓地、並びに火葬場の真ん前。
ちなみに、その市営墓地には吉田茂元首相の墓があり、前にある火葬場で東条英機らA級戦犯の火葬が行われた。

私がそれらを知ったのは、2020年4月に亡くなられた尊敬する東洋英和女学院大学名誉教授・H先生が教えてくれたからだ。
H先生ら、戦前生まれの方々は戦時中の横浜の事を色々と教えてくださった。西区、中区でも京急線沿いの空襲被害は酷いも

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同行二人の寺!逗子市・高野山真言宗 逗子大師 延命寺 私の百寺巡礼11

同行二人の寺!逗子市・高野山真言宗 逗子大師 延命寺 私の百寺巡礼11

私の固定観念として、とにかく、お寺はキツイ山登りをする!がある。小さい頃のお寺もバス停を降りると、ひたすら山登りであったし、高野山金剛峰寺、比叡山延暦寺、身延山久遠寺。。。などなど、山道、石段。それらを杖を片手にお寺を目指す事が目的だったりする。

こちらの延命寺は、京急線 逗子葉山駅の目の前。海抜で言うと数m。

駅の目の前、平坦地、ということで、あら?という気がしたことは否めない。

始まりは

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神仏習合 逗子市・真言宗海長山宗泰寺 私の百寺巡礼10

神仏習合 逗子市・真言宗海長山宗泰寺 私の百寺巡礼10

鎌倉時代に幾つかの寺院が創設された三浦半島。
逗子もその一つだ。

京急線・逗子・葉山駅の線路沿いにある三浦胤義(みうら たねよし)の碑。
執権・北条義時とは、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の主人公なり。

本日、私の勘違いから予定しない場所に行ってしまった。
それがこちらである。
(帰りに駅がわからなくなり、ヤマト運輸さんに教えていただき、感謝であります)

こちらは、逗子市桜山にある宗泰寺

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同行二人

同行二人

同行二人
読み方:どうぎょうににん

お遍路などの巡礼、霊場巡りにおいて、常に自分には弘法大師がついていてくれる、弘法大師が共にいてくれるという意味で書きつける語。

一方、キリスト教の世界においても、似たような有名な話がある。

キリスト教会において親しまれてきた「あしあと(フットプリント)」という詩があります。今日は、この詩と、この詩についての伝えられているエピソードを紹介します。

あしあと

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地域住民の憩いの場 横浜市金沢区・伝心寺 私の百寺巡礼9

地域住民の憩いの場 横浜市金沢区・伝心寺 私の百寺巡礼9

横浜市金沢区にある曹洞宗の伝心寺。
鎌倉幕府第5代執権の北条時頼が創建。

バス通りにはなく、奥まった道を行く為、探してしまった。。。

立派な本堂。

庭にあったのは、ザクロの木。秋には美味しい果実となるのだ。

入口にあった看板より。
現代では、老人憩の家なども開かれている。
曹洞宗寺院は悩み相談なども行っていたり、現代の人の必要を読み取る力を感じる。

曹洞宗 嗣法山(しほうざん) 伝心寺(

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源範頼を想う 横浜市金沢区  薬王寺 私の百寺巡礼8

源範頼を想う 横浜市金沢区 薬王寺 私の百寺巡礼8

京急線金沢文庫駅を降りて海の方に歩く事しばし。。。

横浜市金沢区にある県立金沢文庫。そのバス停を挟み、称名寺と薬王寺がある。

こちらが三療山医王院 薬王寺。
どちらも真言宗の寺院である。

元は、源頼朝の弟である範頼の別邸であり、範頼の霊を祀る為に建てられた。

日曜夜のドラマ「天国と地獄」「真犯人フラグ」で迫田孝也さんのファンになった私は、行かねば!と思っていた。

薬王寺の弘法大師様。

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藁ぶき屋根の鐘楼 横浜市金沢区・知足山 龍華寺私の百寺巡礼7

藁ぶき屋根の鐘楼 横浜市金沢区・知足山 龍華寺私の百寺巡礼7

真言宗知足山龍華寺は、元は源頼朝が創建した寺が始まりと言われ、現在の地には明応8年(1499)に移築されたらしい。

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を観て来られる方もおられるようだ。

なんと!!
この鐘楼。藁ぶき屋根なのだ。
時代を感じさせる。
昭和20年6月には、金沢区富岡一帯は空襲でかなり焼けたのであるが、ここまでは被害が及ばなかったようだ。
旧き物を観られることに感謝。

弘法大師様

青々

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