木村龍之介

「演劇の学校」シェイクスピアを やる みる まなぶ。ここは、年齢や経験に関係なく、誰も…

木村龍之介

「演劇の学校」シェイクスピアを やる みる まなぶ。ここは、年齢や経験に関係なく、誰もが気軽に通えて、 「やる人」と「みる人」がお互いを育て合いながらシェイクスピアを学ぶ学校です。 演劇をはじめるなら、「やる」?「みる」?あなたはどっちでしょうか? 4月開講!2月20日募集開始!

マガジン

  • カクシンハン・スタジオことはじめ

    • 22本

    俳優・アーティストのための実践的な育成・研修機関「カクシンハン・スタジオ」についてのマガジンです

最近の記事

「若き」俳優へ

ぼくらのひそやかな楽しみは、言葉とともにポケットの中にある。 どんな言葉をみんなはポケットにしまっているだろうか? 風が吹く、嵐が起こる、雨がザーザーぶりになっても、僕らのポケットの中身はいつだってほんのり温かい。そのポケットの中身を大切にすることもまた、大いなる僕らの仕事だ。 レーザー光線のように走り去る毎日を、颯爽と駆け抜ける毎日。ポケットの中にしのばせた言葉たちが踊っている。 僕は、本が好きだ。言葉は嘘もつくし、ぐさりと突き刺しもするし、勇気づけたり、優しくして

    • 「感じること」の自由は、いつでもあるわけではない。だから、言葉と身体で遊ぼう。

       6月がはじまりました。  みなさんの生活や気持ちはどんなものでしょうか? 自粛が終わって、これまで通りだったり、新しくなったり。いろんな面持ちがありますよね。  僕は、たくさんの時間ができて、贅沢に時間を使ってみたり、これまでを省みて大きく変えたりと、さまざまです。 「私の新しき生活様式 第7回 大きな木を植える準備 木村龍之介」  こちらに取材いただき、考えたことを話しましたので、読んでいただけましたらとても嬉しいです。  6月になって大きく変わるところ。僕の場合

      • 次に舞台に立てる時まで、俳優力を高めるのも、今、「演劇」にできること。

         四月が終わり、五月が始まりました。強風が世界に吹き荒れています。多くの人が強風に吹き飛ばされないよう、懸命に生きています。最前線で私たちの命を守る医療従事者の方々、そしてエッセンシャルワーカーの方々には、心からの感謝と敬意を表します。  このような世界で、僕にできることはなんだろうかと考えざるを得ません。五月の紀伊國屋サザンシアターでのカクシンハン第14回公演「ナツノヨノ夢」は延期を発表しました。先行販売でとてもたくさんのお客様がチケットを買ってくださいましたので、運営チ

        • ロマンティックで、叙情的で、知的で、ユーモラスで、リアルで、詩的で、素敵な君には、シェイクスピアがお似合いさ。(シェイクスピア講師マニュアル。)

          生徒:シェイクスピアの何から読めばいいですか? 先生:うふふふふ。それは決まってるじゃないか。ぐふふふふふ。 生徒:どうしました、先生? 何か変なこと聞きましたか? 先生:君の目は素敵だ!うふふふふふ。 生徒:ど、ど、どうしました? コンタクト入れてますが、何か変ですか?! 先生:わははははは。君の目にはロマンスの神様が宿っている! 生徒:そ、それ、セクハラです・・・。 先生:ぬ母は母! 生徒:先生!!「はは」の変換が「母」になっています! 先生:ああ!火の

        「若き」俳優へ

        • 「感じること」の自由は、いつでもあるわけではない。だから、言葉と身体で遊ぼう。

        • 次に舞台に立てる時まで、俳優力を高めるのも、今、「演劇」にできること。

        • ロマンティックで、叙情的で、知的で、ユーモラスで、リアルで、詩的で、素敵な君には、シェイクスピアがお似合いさ。(シェイクスピア講師マニュアル。)

        マガジン

        • カクシンハン・スタジオことはじめ
          22本

        記事

          演劇を「とらえかえす」。チームのあり方を「とらえかえす」。

          僕たちは、演劇をつくって、あるいは、演劇に関係した仕事をすることでご飯を食べています。食べていると言っても、公演だけではチーム全員が毎日食べていけません。ですから、文化事業と教育事業の二つの視点から経営をしています。 経営と言っても、そもそも「すげーいい芝居を作りたい!演劇の力で、世界と人間に発見をもたらしたい!演劇の面白さを届けたい!演劇で社会を豊かにしたい!」という一心ではじめた行為ですから、お金を得る知識なんてこれっぽちもないところからのスタートです。そもそもお金の勉

          演劇を「とらえかえす」。チームのあり方を「とらえかえす」。

          シェイクスピアは人間理解に役立つ〜「ほぼ日の学校」から学んだこと〜

          シェイクスピアについて知りたい人、手を挙げてみてください。そんなに多くないかもしれません! でも、人間を知り尽くしたい人はたくさんいると思います。ズバっと手をあげないにしても、どちらかといえば知りたいのではないでしょうか?人類ほぼみんなが手を挙げるかもしれません。人間を理解したら、あなたの人生どうなっちゃうんでしょうね? でも、人間を知り尽くすなんてとても大きなテーマで、どこから手をつけていいか途方に暮れてしまいます。人生のあらゆる経験の中から、一生をかけて理解を深めてい

          シェイクスピアは人間理解に役立つ〜「ほぼ日の学校」から学んだこと〜

          俳優2.0

          俳優という仕事。はじまりはいつからでしょう?ギリシャ悲劇は約2500年前。シェイクスピア劇は400年前。日本で能がはじまったのは1300年ほど前。歌舞伎は400年前。映画は130年前くらい。そして、現代にも素晴らしい俳優がたくさんいて、僕らに喜びと楽しみを届けてくれます。 こんなにも長く続いている職業はなかなかありません! 僕は演出家という職業上、ほとんどの時間を俳優と過ごし、考え、行動し続けています。 俳優という仕事はどんなものでしょうか? たくさんの俳優と仕事をして

          グローブ座という劇場は、ツイッターみたいな場所でもあるんだろうな。

          "ハムレット×SHIBUYA"というカクシンハン旗揚げの時に書いた作品が英訳されて、Arden Shakespeareから海外出版されるという話が進んでいます。もしかしたらカクシンハンの舞台写真が表紙に載るかもしれないと連絡をもらい、ワクワクしています。写真はハムレット役のカクシンハンの河内大和! さて、演出家としても、劇団主催としても、株式会社の代表としても、たくさんの公演を行ってきました。なので、コロナの影響で、演劇活動について様々な人が意見をしているのを見聞きしながら

          グローブ座という劇場は、ツイッターみたいな場所でもあるんだろうな。

          映画「ミッドサマー」とシェイクスピアの「ミッドサマー・ナイツ・ドリーム(夏の夜の夢)」

          映画「ミッドサマー」は、言うまでもなくシェイクスピアの「夏の夜の夢」(ア・ミッドサマー・ナイツ・ドリーム)の現代版だ。テイストは全く違うけどね。 スウェーデンの森の中へはじめて行くのは、四人の学生。彼らと彼女は、シェイクスピアの「夏の夜の夢」に出てくる4人の若者だ。そこに案内役の学生が一人プラスされて、さながら彼はパックというところかな。森の中に住むコミュニティの住人たちが妖精。夏至祭で、動物になったりするし、花のベットでセックスもしちゃうし、恋の浮気草も飲み物に入ってるし

          映画「ミッドサマー」とシェイクスピアの「ミッドサマー・ナイツ・ドリーム(夏の夜の夢)」

          舞台の端から転げ落ちたピエロは、実は・・・!〜今の日本は、はじめてのことだらけ〜

          2/29(土)と3/1(日)の二日間にわたり、カクシンハン・スタジオ2期生の修了公演『ジュリアス・シーザー -演劇という死なないメディアで、令和の日本をハックする- 』を上演しました。 運営チームは、手指用の消毒液を手に入れるために奔走しました。お手洗いに紙コップとうがい薬を来客分用意し、入念に劇場内を換気。開演前はアルコール除菌で座席や手すりなど手の届くあらゆる部分を拭きました。そのように入念な準備をした上で、上演の理由を記した紙を、お客様一人ひとりに配りました。 * 

          舞台の端から転げ落ちたピエロは、実は・・・!〜今の日本は、はじめてのことだらけ〜

          俳優は、必ずうまくなる。

          カクシンハン・スタジオ2期生の修了公演 〈シェイクスピア×木村龍之介×カクシンハン・スタジオ〉『ジュリアス・シーザー -演劇という死なないメディアで、令和の日本をハックする- 』が、終演いたしました。(この記事の下に、舞台稽古写真を掲載いたしました。ぜひ、ご覧ください。) カクシンハン・スタジオは、「圧倒的な俳優をつくる。」をモットーとした俳優養成所です。「圧倒的」というのは、ちょっと強い言葉ですが、「何か」が他の人よりも「抜きんでる」ということです。その「何か」は、個性だ

          俳優は、必ずうまくなる。

          ここにあったはずのシェイクスピア「ロミオとジュリエット」

          今、作品を作っています。カクシンハンPOCKETシリーズ。 ここにあったはずのシェイクスピア。 「カクシンハンPOCKETシリーズとは何でしょうか?」 以前、インタビューで質問された時にこう答えました。 「本公演とPOCKET公演の違いは長編小説と短編小説の違いと同じです。POCKET公演は、作品の切り口、コンセプトを明確にして、シェイクスピアの戯曲の構成をコンセプトに応じて大胆に変えて、演劇的実験精神のもとに上演しようという試みです。 職人全員がボトムと呼ばれる夢の住

          ここにあったはずのシェイクスピア「ロミオとジュリエット」

          それはきっと、もののあはれ、みたいなこと

          薔薇戦争は、イギリスで本当に起こった出来事です。それを、シェイクスピアがとってもおもしろい物語に変えてくれました。「ヘンリー六世」三部作と「リチャード三世」です。六十年の歴史がつまっています。カクシンハンはそれをさらに凝縮して、たった数時間の演劇につくりかえます。この作品を観た次の日からは、あなたは少し違ったモノの見方ができるようになるかもしれません。それはきっと、もののあはれ、みたいなことです。 * カクシンハン第13回ロングラン公演 WARS OF THE ROSES

          それはきっと、もののあはれ、みたいなこと

          演劇の「たのしさ」についてなんども考える

          これからのカクシンハンのことで、たくさんの人と、たくさん話をしています。 みんなの三月や四月がそうであるように、ぼくの春も出会いと別れに満ちたものです。 と同時に、ワクワクするような新しい話もあります。 早く、このことをみなさまにお伝えしたいです。 そんな日々のぼくは、演劇の「たのしさ」についてなんども考えています。 そのきっかけは、ほぼ日です。 ほぼ日の学校「シェイクスピア講座」の講師に選んでもらってから、ほぼ日のイベントがぼくのたのしみの一つになっていることに気

          演劇の「たのしさ」についてなんども考える

          カクシンハン・スタジオの圧倒的を目指して、真剣に楽しむ一年間 ② 〜公演の計画、走り出すロミオとジュリエット〜

          カクシンハン・スタジオは、俳優のための研修所! 「俳優として舞台に立ってみたい!」そんな気持ちを大切にして、一つずつできることを増やしていきます! では、俳優が成長するには、どうしたらいいのでしょう? 上手くなるには、優れた戯曲と、優れた演出家と、優れた仲間と、優れた観客と、 作品をつくり、発表することが何よりの近道です。 それには、シェイクスピアはうってつけです。 カクシンハン・スタジオでは年度の最後に修了公演としてシェイクスピア作品を世に送り出します。演出家とし

          カクシンハン・スタジオの圧倒的を目指して、真剣に楽しむ一年間 ② 〜公演の計画、走り出すロミオとジュリエット〜

          カクシンハン・スタジオの圧倒的を目指して、真剣に楽しむ一年間 ①

          カクシンハン・スタジオ「ロミオとジュリエット」が閉幕しました。たくさんのお客様にご来場いただきまして、本当に幸せな公演でした。 修了公演に劇評をいただいたり、追加公演が出るなど、また翻訳家の松岡和子さんや、カクシンハンを欠かさずに見てくださる大先輩俳優さんたちも、駆けつけてくださり、劇場は本当にワイワイと盛り上がりました。 カクシンハン・スタジオ第一期生の中には、 十ヶ月前に演技と出会った初舞台の人もいれば、 シェイクスピアにはじめて真っ向から取り組んだ人もいたり、 俳優

          カクシンハン・スタジオの圧倒的を目指して、真剣に楽しむ一年間 ①