遂にこの日が……
いつも思う。わたしは、とことんついていない。
なぜ、わたしなんだろう?
なぜ、このタイミングなんだろう?
どうして、いつも運が味方しないんだろう?
アラクオのわたしは、生まれてからずっと、運がついていないと思う出来事が多かった。約25年間も、、、。それは、カナダに来ても変わらなかったようだ。
合う大陸に行けば救われる。
合う大陸なら運が味方してくれる。
合う大陸なら絶望的な大運もましになる。
そう信じたかったし、そうであってほしかった。
でも、そうはならなかった。
全て自分の努力不足のせいである。
明日、わたしは遂に帰国する。
あんなに嫌で嫌で仕方なかった日本に、今はやっと帰れるといった気持ちになっている。
おばさんとのシェアハウスに慣れることもなく、毎日ストレスを抱えながら生活していたこの家ともやっとお別れ。
帰国のきっかけとなったのは、今のシェアハウスにおばさんの旦那が数ヶ月間滞在するということを、9月に知らされたことで、これはもう帰るタイミングなのかなと受け入れた。
本当なら11月から新しい語学学校に通いながら、仕事復帰するつもりだった。
でも、同居人が増えるなんて、しかも見知らぬおじさんと生活するなんて、今の生活でも苦しいわたしには、絶対無理だと思った。
人一倍、音や匂いに敏感なわたしは、毎朝強烈な中華料理の匂いとリビングで大声で電話するルームメイトの声で起きる。
夜も深夜までリビングの明かりはついており、大声で電話するのが当たり前なルームメイト。彼女には何を言っても聞き入れる余地がなく、もう途中から諦めた。
違う国の人と暮らすということ、異なる文化を受け入れるということの難しさを、これでもかと知った。
ストレス的な限界を迎えたのは、いくつかの原因が重なったからなのだが、仕事もできなくなり、住環境も不快となると、もうわたしがここにいる理由を見い出せなくなってしまった。
それなら、いっそのこと、日本で生きられる道を探そうと思い、何度も占いの鑑定を受けた。
わたしの人生のルートを示してくれるのはいつも占いだ。
自分が日本で寝たきり鬱になった原因を全て洗い出し、それらの要因を今後は排除できるように、これからの予定を立てた。
自分にできることと、やりたいこと、やりたくないこと、できないこと、全てをはっきりさせて、できるだけ、鬱にならないような最適解コースを見つけたので、帰国する決意がついた。
正直、日本に帰るのは怖いし、喜んで帰るわけでもない。それでも、大好きな推しにやっと会える高揚感や、推しとの思い出をつくれる機会があるという安心感は、他には変え難いものだと気づいた。やはり、わたしは推しと言うかけがえのない存在に支えられており、海外で推しに会えないという苦しさには耐えられなかった。それくらい本気で好きだから。
恋愛をしたいとか、友達をつくりたいとか、そういう気持ちがなくて、人との関わりが欠如しまくっていた大学生時代を省みて、今後は外で人間関係を構築できるような仕事もしていこうと思う。
占いによると、本来のわたしは、かなりの寂しがり屋で、人との関係を求めるタイプらしい。
しかし、メリットとデメリットを天秤にかけて、メリットがないとその関係を維持できない。だからこそ、仕事というメリットがある関係を構築できるよう、新たな仕事を始めるのがベストだと言われた。
どの高額占いでも言われることなのだが、わたしはどう見ても経営者になる星にいて、組織の上に立って指示することが非常に向いており、雇われることが向いていないようだ。
確かに、個人事業主として稼いできた大学生時代を考えても、その通りだと思うし、雇われることにストレスを感じるので、納得である。
そんな星に生まれていても、とにかく日本での大運が最悪で、何をしても上手くいかない時期が続いた。そんな絶望的な時期が漸く来年終わりを迎え、25歳になったら、次の大運がくるので、メンタル的にも安定するとのことだったので、帰国するなら今だと思った。
メンタルが不安定になると、整形をしたくなったり、酒に溺れたりしてしまうのも、この時期特有のもので仕方なかったと言われた。
ちょうど、ルームメイトの旦那が数ヶ月間滞在すると言われた時期、あまりにもメンタル崩壊しすぎて、整形がしたくて仕方なかった。
これまでにも数百万円かけて顔を工事してきたわけだが、それとは比にならないレベルでの大工事を計画中だ。これで、一区切りつけるつもりで、骨切りに挑もうと思っている。
合う大陸に行けば自分のことを少しでも好きになれるのではないか、
こんな顔でも整形を辞められるのではないか、
と期待していたが、全然無理だったので、帰国したら数ヶ月後に手術を行うことを決めた。
本当は予算300万円オーバーの手術をしたかったのだが、オンラインカウンセリングにて適応外と言われ医師に猛反対されたので、その半額くらいの手術にするつもりだ。
それで、少しでも顔面コンプレックスがなくなるならわたしにとっては安い買い物だ。
だって、カナダに来て、生活するだけで何百万円使ったことか……
それと比べたら全然大したことない。
と思いたい。
とにもかくにも、帰国前日にもなって、銀行の口座解約で手こずったり、Amazonで頼んだ鍵付きスーツケースは、色もデザインも異なる鍵なしのものが届いたりと、トラブル続きである。
最後まで本当についていないが、上手くいかないことにも耐性がついてくるのが恐ろしい。
まあ、何とかなる!精神で、乗り切りたいところだ。