明日カノ
「明日、私は誰かのカノジョ」
原作は漫画で、今期の春クールドラマで実写化された作品である。
わたしはもっぱら、ドラマはもちろん、コロナ禍から連載されていた原作漫画を最新話まで読んでいるファンだ。
主人公の雪は、大学生でレンタル彼女。
雪の友人リナは、同じく大学生のパパ活女子。
雪の同僚、彩は、整形や年齢を隠して彼氏と付き合う35歳のレンタル彼女。
リナと同じサークルの萌は、普通の大学生だったが、ホス沼にハマり風堕ちし大学中退する。
ゆあは、歌舞伎町のホス狂。
とまあ、主な登場人物は、皆それぞれ闇を抱えているのだが、現在ドラマでは第10話。ホスト編。
これがまあ、見ていてしんどい。しんどすぎる。
平凡な大学生だった萌が、ホスト楓にハマり、風俗を始め、大学中退するまでに堕ちていく姿。
仕事として、接している楓を好きになってしまう萌を見ていると心が痛い。
でも、わたしはホストにハマれる萌やゆあを少し羨ましくも思う。
好きな人がいて、会いたいとか、好きな人のために何かしたいという気持ちが何一つないわたしからしたら、たとえそれがホストであったとしても羨ましいのだ。
わたしには、推しのアイドルは長年いるものの、
ホストと客のような関係ほど近くはないため、そこまで貢ぐようなことはしないし、ましてや恋愛関係に発展することなどない。
自分の身体を売ってまで、誰かのために頑張りたいなど、わたしは思ったことがないので、ホス沼にハマり、愛されたい一心で頑張れる彼女たちは、尊敬に値する。
幸せの概念は人それぞれだし、何をもって幸せと形づけるかは、難しい。でも、正直に言うと今のわたしより、萌やゆあのほうが幸せそうに見える。
たとえ、ホストと客の関係だったとしても、ホストから(金要因だったとしても)必要とされたり、ホストのために自分を鼓舞して働く彼女たちは、わたしよりもキラキラして見える。
毎日引きこもって、家から出ず、何のやりがいもないまま、ドラマやYouTubeを見て過ごし、誰とも会話しないのが当たり前なわたしより、よっぽど充実しているような気がする。
自由と引き換えに孤独を選んだのは自分だし、その選択に後悔などないが、もしわたしがホストにハマれるタイプの人間だったら…と想像すると少し興味も湧いてくる。
きっと、平穏で静かな生活を送っているから、刺激のある日常に憧れるのだろうし、毎日忙しく慌ただしいと、穏やかなゆっくりとした時間が欲しくなる。わたしは、一生無い物ねだりな人生なんだろうなと思うと、少し気が楽になってくる。
来週、ホスト編ラストだと思われるが、彼女たちの選択が楽しみだ!(内容は既に分かっているが)