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彼と僕の距離 みんな「独り」、だから繋がれる

こんにちは、Shadeです。
僕は30代、既婚(子無し)、バイセクシャルでメンタル疾患持ちの男性です。

先日、奥さん以外で唯一カミングアウトしている友人と、久しぶりの再会を果たしました。カミングアウト後に一度、電話で話す機会はあったのですが、実際に会うのは実に10年ぶり。
メンタル疾患を発症してからややコミュ障気味になっていることもあり苦笑、直前までかなり緊張していたのですが、いざ会ってみるとすぐに昔のノリを思い出して(向こうが先に僕を見つけて、笑顔で手を振ってくれたのも嬉しかった)、10年分の空白が一瞬で埋められたような気がしました。

ちなみに、別の記事でも書いていますが、友人のセクシャリティはゲイに当たり、二十代の頃、僕は彼からそのことを打ち明けられました。
しかし、当時まだ自身の性的指向と向き合う勇気がなかった僕は、自分もまた同性に惹かれる傾向があることを伝えることができず、そんな自分自身の弱さに、「後悔」と「罪の意識」を感じ続けていました。
けれど、最近になってようやく「ありのままの自分」を受け入れることができるようになり、思い切ってカミングアウトする内容のメッセージを彼に送ったところ、寛大にも彼はそれを受け入れてくれた、という経緯があります。

久々に会う友人は、さまざまな経験を経て(相手のプライバシーがあるので詳述は避けます)、人間的な深みと貫禄が増していました。
以前の彼も、「芯の強さ」を感じさせるところはあったのですが、その半面、(恐らくは自身のセクシャリティに対する葛藤からくる)「繊細さ」を持ち合わせていたように思います。
しかし、たくさんの経験値を積んだのであろう現在は、その「繊細さ」がすべて、圧倒的にポジティブなエネルギーに変換されている印象を受けました。
同い年ではあるものの、思わず「先輩!」と呼びたくなるような懐の広さ笑

そんな彼と話して、得られた「気づき」はたくさんあるのですが(全てメモしておかなかった自分を今になって悔やむほどです苦笑)、そのエッセンスを一言で表すとすれば、「自分(とそのセクシャリティ)を愛し、自己肯定感を上げることで、人生は上向きになる」、これに尽きると思います。
ちょうど周期的にやってくる抑うつの波にやられそうになっていた僕には、彼の言葉の端々から伝わってくるこのメッセージが、とにかく刺さりました苦笑(良い意味で)

彼は現在、職場でも自分のセクシャリティをオープンにして働いてるそうで(本当に尊敬しかないです)、ゲイである自分自身を誇らしく思っていること=プライドを持って生きていることがはっきりと分かりました。
一方僕は、メンタル疾患を発症していることもあり、この「自己肯定感」というやつと格闘している真っ最中苦笑
ですが、彼からこのメッセージを受け取ったことで、朧げながら、目標とする自分、これからなりたいと思う自分のイメージが見えてきたように思います。

また、お互いに「セクシャルマイノリティ」という共通点はあっても、「ゲイ」の彼と「バイセクシャル」の僕とでは、それぞれに抱える悩みや葛藤が違うんだなぁ、という新たな発見もありました(当然といえば当然なのですが苦笑)。もちろん、僕の中には「ゲイ」的な要素がかなり存在しているので、共感し合える部分もたくさんあるのですが、それと同じくらいに、異なっている部分もある。
「LGBTQ+」と一口に言っても、その背景はまさに十人十色。簡単にはカテゴライズできない、人間のアイデンティティというものの奥深さを実感した次第です。

会話の終盤、彼は奇しくもこう言いました。
「人はみんな、誰でも孤独なんだよ」
捉えようによっては、少し寂しくなりそうなセリフですが、僕は不思議と、この言葉にじんわりとした希望のようなものを感じました。
そう、どんなに境遇が似ていても、共通する部分があっても、パートナーがいてもいなくても、究極的には人間は誰しもが「独り」なのです。
でも、だからこそ誰かと繋がりたいという欲求を覚えるし、お互いが「独り」の人間であることを認め合えれば、実際に深く繋がり合うこともできる。
肝心なのは、やはりこの、「根本的に孤独な存在である自分」を肯定することなんだなぁ、と僕は彼の話を聞きながらぼんやりと考えていました。

最後に駅で別れる時、「健康でいてね!また近いうちに会おうね!」と笑顔で手を振ってくれた彼。僕は、心の中で「ありがとう」と何度も言いながら、自分もまた笑顔で手を振り返しました。
実際に会って話したのは数時間でしたが、そこには数値化できないほど濃密な空気が流れていたのを、今になっても思い出します。
帰りの電車に揺られながら僕が感じていたのは、「心地の良い孤独」と、新たに心の中に撒かれた希望の種のようなもの。
これらが今後、自分の人生にどのような影響を及ぼしていくのか、そして、改めて始まった、「独り」の人間同士としての彼との関係性が、どのように育っていくのか、僕は今から、とても楽しみに感じている次第です。

何だか今回はつらつらと書いてしまいましたが、このままいくとさらに長くなりそうなので笑、今日はこの辺で筆を置きます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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