シェア
シャベルP
2019年4月6日 02:02
ドアの向こう。「ツァーリ」「なにぃー?」 ボッと、炎を巻いてツァーリが現れる。その手の先にはサウロもいた。「サウロから手を離すんじゃないさ?あたいから精気を送ってる間は、サウロも契約の外にいられるさ。もし手を離すと、契約に従ってサウロはリフレールに呼ばれるさ」「分かった。離さなくていいってワケー」 何故か嬉しそうに、ツァーリはサウロの手を握り直した。「後は頼んださ。あ
2019年3月29日 00:53
午後になって出勤したルナに事情を聞く為、水宮の巫女長ケルンは廊下を歩いていた。 そもそも、ほとんどの巫女は寮で生活している為、遅刻という事態がまず無いことだったし、ケルンが暇をもて余していたという事もあった。(ゴウさん、最近見ませんね……。あっちで、よろしくやってるんでしょうけど。もう、とっくに契約期間は終わってるはずなんですが) 数ヵ月前、リフレールの使者から応援要請を受け、我こそ
2019年3月28日 02:59
(あー、やっちまったな) 朝、腕枕で気持ち良さそうに眠っている一糸纏わぬルナを見ながら、ジョージは一人ごちた。 後悔はしていないが、面倒な事になりそうだとは思っていた。酒の勢いもあったが、ルナに感じている愛情に偽りはない。 調子に乗って早朝まで6回戦もした以上、体の相性が悪いわけがなく、また久しぶりの情交は素直に気持ちが良かった。 ルナも今まで相当我慢していたと見え、積極的だった。
2019年3月27日 14:33
「……なぁ、これ、真面目な話か?」 ジョージは、ルナの頭をなんとなく撫でながら尋ねた。「……顔見て解る、だろ?」 こんなルナを、ジョージは知らない。いつも一緒にいるのは、幼馴染みのルナであって女のルナではないのだ。「意味、分からない訳じゃないんだろ?知ってるよ。ジョージが、あたしに隠してきた事。母さんにも言わなかったこと」「……何?」「あんたに惚れてる、嫉妬深い女がさ。あた
2019年3月25日 23:27
ごろっと魚介類のスープ、地鶏の串焼き、スパイスを利かせた魚の竜田揚げ、食も酒も進む料理群がジョージの前に差し出される。「さて、こんだけありゃ足りるかな?あたしも飲んでいいかい?」「おう。グラス用意して待ってたぞ。飲むならやっぱ、一人より二人だよな。乾杯!」「ふふ、乾杯」 チンとグラスが軽くかち合って音が鳴る。ちなみにジョージとルナの分、2つしか無い高級品だ。「いやしっかし、久