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アンガーをコントロールしたかったけど無理だった


集合住宅で暮らしていると、隣近所の生活音はある程度聞こえてくるものだ。

ある時期、愛想のよかったお隣さんが急によそよそしくなった。

思い当たるフシはあって。

当時、我が家では反抗期と更年期のバトルが頻発していた。いいかたを変えると、わたしが子に対してたびたびキレていた。いったんキレてしまうと、窓が開いていようとやめられない止まらない~。

「ふざけんなーーーーーーーっ!!!」とか絶叫しているのが常態だった。ヤバすぎ。ポツンと一軒家だったらよかった。

普段はにこやかに挨拶などしているが、あの奥さん、ちょっと頭おかしいんじゃない、関わり合いにならんどこ、とでも思われていたにちがいない。

世間体などにはあまり頓着しないほうなので、隣人によそよそしくされてもどうでもよかったけれど(←それもどうか)、自分の制御できない暴れ馬のような怒りの感情はほんとうに持て余していて、疲れ切っていた。

冷静なときに「アンガーコントロール」とか「怒りのコントロール」とか「アンガーマネジメント」とか、よく検索していたが、ネット上にこれはと思うような解決策を見つけることはできなかった。

ただで情報を拾おうなんて虫のいい話だ。やっぱりお金を払って専門家に相談しないとダメだと思い、ある心療内科に通いはじめた。怒ってばかりの状態から脱したかった。

そこの先生は、わたしの話を聞いたあと、ではちょっと心が穏やかになる漢方薬を試してみましょうか、というようなことを言い

ツムラ柴胡加竜骨牡蛎湯エキス顆粒(医療用)を処方してくれた。

これを1カ月ほど1日3回服用した。まったく効かなかった。

次に、ツムラ抑肝散エキス顆粒(医療用)を処方され、また1日3回、今度は1カ月半ほど服用した。まったく効かなかった。

次に、クロチアゼパム錠というのを処方され、1日3回きちんきちんと服用したが以下同文

ここで、ははあ、わたしの怒りのパワーのほうが薬よりも強いんだな。そう考えて心療内科通いをやめてしまった。

我が「アンガー」には、薬なんかじゃ太刀打ちできなかったわけだ。あのときのわたし、実際どうすりゃよかったんだろう。

ドラマみたいに、だれかが急に同居することになるというような、冷静で信頼できる第三者に助けてほしかったが、そんなファンタジーは起こらない日常に、なにかソリューションはあったのだろうか。

わたしはどうしたってわたしでしかなかった。オットも同じ。オットはどれほど頼んでも、わたしが望むような共感者にも仲裁者にもなってはくれなかった。いまもあのころのことを思い出すと、古傷が疼くような痛みがよみがえる。






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