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「任せられない」は半分本当で半分ウソだった

会社員時代(というより今もそうだと思うけれど)、私は仕事を人に任せられなくて、ひとりで抱え込んではテンパっていた。

「こんな仕事をお願いしたら嫌がられるのではないか」「嫌われてしまうのではないか」という恐れがあったからだ。

でも、今になって振り返ると、「任せられない」「任せるのが苦手」というのは半分本当で半分ウソだったと思う。
つまり、「任せられない」のではなくて「任せたくない」という気持ちもあったということだ。

その仕事が好きだから自分でやりたい。
その仕事は自分が言い出して始めたことだから、最後まで自分でやりたい。
その仕事は自分にしかできないと思っているから自分でやりたい。

当時は、そういう気持ちを自覚しているようで自覚していなかったんだと思う。

頑張り続けて最後までやり遂げたときには、達成感もあったし、ますます「私だけの仕事」みたいになっていった。

それでも、自分が握っていた仕事を転職や異動で手放さざるを得なくなるときがくる。そうなったときには、事細かに手順を書き残して手放した。けれど、後になって、引き継いだ人たちがその人たちのやり方で成果を出したのを知ると、悔しいような複雑な気持ちになった。

どうしてそういう気持ちになるのか。

そのときには考える余裕はなく、「こんな気持ちを持ってしまう自分って、なんと心が狭いのだろう」「自分は変なプライドを持っていただけなんだ」と自己嫌悪を抱え、落ち込んだ。でもそれも、目の前の仕事に追われているうちに、なんとなく忘れてしまっていたことだった。

『はじめてリーダーになる女性のための教科書』という本を書くことになって、当時のことを改めて振り返ったとき、「私は仕事を渡したくなかったんだな」とわかった。だから悔しい気持ちになったんだとわかった。

自分の奥底にあった「本当の気持ち」に気づいたら、無性にそれを白状したくなった。
「誰かのために」というより、たぶん自分のために。
白状したほうがスッキリするからだ。

それで、本の企画をつくったときにはなかった1項目を追加した。
それが第4章の一番最後に書いた内容だ。

正直、自分がスッキリするために書いた「白状」だけど、それがきっかけで、握りしめていた手を緩めて、「この仕事を人に渡してみてもいいかな」と思える人が一人でもいてくれたら嬉しいと思う。

「淀む水に芥たまる」という。

私にはかつて、自分が言い出して始めたことなのに、周囲を巻き込めなくてうまく進められなかった仕事がある。私がいなくなってから、ほかの人たちがその仕事を引き継ぎ、多くの人たちと協力して、当時私が「こうなったらいいな」と思っていた以上の形にしてくれた。

最初は「実現できなかった自分」に怒りや自己嫌悪を感じていたけれど、今は、実現してくれたかつての仲間に感謝している。

「自分の仕事」が「誰かの仕事」に変わって、自分とは違うやり方で、新しいアイディアや新しい動きが生まれ、磨かれていく。

握りしめているこぶしをいきなり開かなくてもいい。
まずは小指1本だけ緩めてみることからでもいいんじゃないかな。

「自分のやり方」にこだわるより、「欲しい結果」にこだわれば、任せることは段々とできるようになる。

そんな思いをこめて書いたのが
『はじめてリーダーになる女性のための教科書』第4章です。

それでは、また。


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