【イベントレポート】Sustainable Sake NIGHT 2024_20240528
こんにちは! Sustainable Food Asia株式会社(以下SFA)インターンの丸山です。
2024年5月28日に開催された『Sustainable Sake NIGHT 2024』〜日本酒を味わいながら、日本酒と健康の関係性を考える会〜の開催レポートをお送りいたします!
Sustainable Food NIGHTって?
日本・アジアから世界に「サステナブルフード」を定義するべく国内外でイベント開催や出展、現地ツアー等を行うSustainable Food Asia株式会社が主催する、月例ナイトイベントです!2023年6月グランドオープンのSustainable Food Museum(以下:ミュージアム)内で毎月、サステナブルな食の未来を作るため奔走するスタートアップ企業の代表をゲストに招き、トークセッション+試食懇親会を開催しています。
登壇者プロフィール
今回はSustainable Food NIGHT番外編とし、スペースシードホールディングス主催、SFA・津南醸造共催で「宇宙で2040年に日本酒が飲まれるようにするには?」というテーマのトークセッションと、鈴木氏が代表を務める津南醸造のコシヒカリで作られた日本酒の試飲会兼交流会が実施されました。
イベント概要
◆トークセッション◆
「宇宙で2040年に日本酒が飲まれるようにするには?」
①津南醸造が地域と目指すリジェネラティブな酒造り
鈴木氏はユーグレナの設立者、スペースシールドホールディングスの取締役でありつつ、新潟県中魚沼郡の津南醸造の代表取締役でもあり、共生する未来を醸成するをコンセプトに酒作りにも取り組んでいます。
”発酵”による社会課題解決のポテンシャル
現代の社会は、地球温暖化を始め、人類の発展とともに地球環境への懸念が高まっています。近年では「プラネタリーバウンダリー」や「プラネタリーヘルス」といった、”人類を始めとする生物と地球が共存できる環境を目指す”という考え方が広まりつつあります。
”発酵”は生産過程でも環境負荷を軽減する可能性があり、また穀類に高付加価値をつけることができるため、将来的にプラネタリーヘルスに関与する可能性があると鈴木氏は語ります。
記載の画像に掲載の観点から世界的に”発酵”に注目が集まっています。
シンガポールでは、世界各国で発行関連の企業を集めたイベントが開催されるなど、”発酵”への取り組み関心は増加しています。
そして、その注目の市場に、日本の伝統的な発酵の技術から生まれた、「日本酒」という製品を用いて、プラネタリーヘルスという課題、そして発酵の産業に鈴木氏は取り組んでいます。
②日本酒の成分と健康に寄与する可能性
ここからは日本酒の成分と健康についてです。
一見、アルコールは身体に悪影響を及ぼすイメージが強いかもしれません。
しかし、逆に身体にプラスの効果をうむ、注目の成分があると鈴木氏は語ります。
また、畑瀬氏曰く、論文にもそういったデータは多くあるとのこと。
その中でも特に健康への効果が期待される成分が以下の三つだと鈴木氏。
1.エルゴチオネイン
発酵時に生成される機能性成分であるエルゴチオネインが宇宙空間での肝障害に寄与している可能性が発見されたそうです。
また、Memory LABのサービス”Memory AI”を用いて論文を検索したところ、日本とアメリカでは10倍以上の差はあるものの、エルゴチオネインに関する研究は世界的にホットなトピックになりつつあることもわかったそうです。
2.アグマチン
同じく発酵産物のアグマチンは、血管を拡張させ血流量を増やす神経伝達物質であり、米国では筋トレの際の補助食品としても流通。
また、老化や脳機能に関連する効果についても世界中で研究が進んでいるということでした。
3.アルファ・エチルグルコシド(α-EG)
アルファ・エチルグルコシドは清酒においてエタノール、 グルコースについで多く含まれているもの。その濃度はビールやワインなどの他の醸造酒と比較して高く,清酒独特の発酵法である並行複発酵の製法により多くなると言われているそうです。
効果としては、右の写真のように塗布することで肌のコラーゲン量が増加することがわかっているそうで、肌にハリやツヤをもたらすと、スキンケア製品や飲用による美容食品などとして注目を集めているのも納得です。
本題「宇宙で2040年に日本酒が飲まれるようにするには?」
いま、日本だけでなく世界的に見ても、月面等宇宙空間における長期滞在を支える高度資源循環型食料供給システムの開発に注目が集まっています。
これを実現するために、鈴木氏はスペースシールドホールディングスを設立し、今までの取り組みを組み合わせた、発酵やバイオの領域✖️宇宙という挑戦を行っていくといいます。
宇宙空間での養殖の研究例として、これまで宇宙空間におけるメダカの孵化や、水棲生物の宇宙空間における複数世代にわたる継代実験を行ってきたそうです。
既往の研究例を踏まえ、まずは地上で、宇宙で飼育するとメリットが高いと考えられる品種の選抜・育種を行い、宇宙空間での養殖産業や、生化学分野研究に役立てるといった取り組みを行いたいと鈴木氏は語ります。
将来的にはゲノム編集などの育種技術も活用し、宇宙実験に活用できる品種を用意することが検討されています。
また、宇宙空間での限られたスペースで最大限養殖をするため、生産性についても地上で検証を続けていくとのことです。
この先、人類は月や火星に移住する可能性があると言われています。
宇宙空間で養殖が可能になったとき、地球上と変わらぬ種が他の惑星でも育つのか、はたまた完全に独自の進化を遂げていくのか。
フィクションのような話がいよいよ現実味を帯びてくると思うと非常にワクワクしますね!
この日提供された日本酒について
今回のイベントでは、鈴木氏が代表を務める津南醸造の日本酒が試飲提供されました。
鈴木氏は新潟県中魚沼郡にある津南醸造でも代表を務めており、酒米ではないコシヒカリから作成した日本酒GO GRANDCLASS 魚沼コシヒカリeditionなどが振舞われました。
ミドリムシを添加したグリーン日本酒も構想・試作中だそうです。
鈴木氏は、まず匂いや味の最極地を目指したいといいます。
これを実現することから、実際に人が飲んだ時に美味しいと感じるところへ調整していくことが可能になるといいます。
発酵技術・そして日本酒の可能性について少年のように熱く語る鈴木氏の熱量にとても心を動かされました。
ここでは書ききれない内容も盛り沢山なので、ぜひイベントの熱量を体感しにお越しいただけること楽しみにしております!
試飲会&交流会の様子
後半は1Fのミュージアムスペースにて試飲会&交流会を実施。
津南醸造の日本酒を楽しみつつ、友栄水産さんのクエと真鯛、延岡メンマの醤油・ラー油・辛味噌の三種類とたけのこジャーキー、池田糖化工業さんの生姜の佃煮など、日本酒にあうおつまみを味わいながら先ほどの内容の深掘りや純粋な日本酒の談義でみなさん盛り上がっていました!
試食ラインナップ
業界の方々が集う秘密基地的な場所として、虎ノ門のミュージアムは、今後も定期的にイベントの開催や各社とのコラボ企画を進めてまいります!
次回イベントのご案内(2024/6/27開催)
次回は、6月27日(木)18:00~20:45にて開催予定です!
「3Dフードプリンターが実現する『共に食べる』選択肢の拡大 with Byte Bites株式会社」
3Dフードプリンター技術で様々な状況に対応することで、これからの時代に求められる食体験の価値を生み出すべく、機材の導入支援から商品開発・ワークショップ等による認知拡大まで一気通貫して手がけるByte Bites株式会社の若杉 亮介氏をゲストに迎えて、トークセッション&試食会を行います!!
お申込みはこちらのPeatixからお願いいたします!
まとめ
Sustainable Food Museumでは定期イベントの実施だけではなく、ワークショップなどのイベント開催、サステなおむすびでのコラボ商品の展開、ショーケースプロダクトの募集等、幅広い展開を予定しております!
ご興味ある方は、ぜひ以下へのご連絡お待ちしております!
Sustainable Food Museum お問い合わせ窓口
showcase@sustainablefoodasia.com
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?